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総選挙後どのような連立政権になるのか、各政党は投票前に説明すべきである

(1)野田内閣は、野田首相の決断により今月(2012年11月)16日に衆議院を解散し、来月(12)16日総選挙の投開票とした。

民自公談合による衆議院解と違憲状態の小選挙区選挙での総選挙

(2)民主党が総選挙で敗北するのは、ほぼ確実であろう。
そう判断できれば、野田内閣が衆議院を解散し総選挙を決断するのは、少しでも遅らせたいと思うのが自然である、ということになるだろう。

にもかかわらず、野田内閣は衆議院を解散した。

なぜ、野田首相は年内の解散・総選挙を決断したのだろうか?

野田首相の本心は、正直言ってわからない。

どうも保守政治家の思考は私にはわからない。
私が政治家の世界をよくは知らないからであろうが、ひょっとすると、保守政治家が論理的思考をしていないから、なのかもしれない!?

(3)そのうえで、強いて言えば、野田首相は、総選挙後、民自公の連立政権を実現し、政権に残ろうとした、言い換えれば、自公が日本維新の会と連立政権を組むのを阻止しようとしたのではないか、と思っている。

(4)その理由は、以下のとおりである。

①衆議院の選挙制度のうち、小選挙区選挙は民意を正確・公正に反映しないどころか歪曲するので、一つの政党が過剰代表され「3分の2」以上の議席を獲得する可能性がある。
そうであれば、あえて連立政権を組む必然性はないことになる。

②だが、現時点では、一つの政党が過剰代表され「3分の2」以上の議席を獲得する可能性は大きくないように思われる。

また、たとえ一つの政党が過剰代表され「3分の2」以上の議席を獲得しても、連立政権を組んでもいいし、後述するように参議院の政党の勢力状況を考えれば連立政権を組む方が国会運営はスムーズに運ぶだろうから、連立政権になる可能性は高いだろう。

③総選挙後の連立政権における政党の組み合わせを決定するのは、2つの要因があるように思う。

一つは衆議院総選挙の選挙結果であるが、もう一つは参議院における現在の各政党(会派)勢力である。

自民党と公明党が総選挙で過半数するの議席を獲得したとしても、参議院では自民党と公明党の議席だけでは過半数するにならないから、「政権の安定」を重視すれば、自公両党は、他の政党と連立を組むことを考えざるを得ないことになる。
(もっとも、来年の参議院議員通常選挙により参議院でも過半数を獲得して「政権の安定」を目指し、それまでは過半数でなくても構わない(やむを得ない)という判断がなされる可能性がないわけではない。)

④この点は、民主党が総選挙で勝利した場合(可能性は小さい)も同じであろう。

⑤ところが、野田首相にとって問題なのは、自民党の安倍晋三総裁と「日本維新の会」との関係である。
朝日新聞2012年8月15日7時2分.
橋下新党、月内に準備 20議員検討、安倍氏へ参加要請

 大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長は今国会中の衆院解散も念頭に、国政進出に向けて新党を立ち上げる意向を固めた。すでに与野党の約20人の国会議員から参加の打診があり、早ければ8月中に設立準備を本格化させる方針で全国に候補者を擁立する構え。維新が政党要件を満たして次期衆院選に臨めば民主、自民の2大政党に対抗する第3極勢力になるとみられ、政界の流動化が加速しそうだ。
 橋下氏は自らの立候補については否定しているが、保守を基軸とする政界再編を目指しており、自民党の安倍晋三元首相らに中核議員として参加を要請している。ただ、安倍氏は9月の党総裁選への擁立論もあり、総選挙前の維新との連携について結論を出していない。
 維新は安倍氏らとは別のルートでも与野党議員と接触し、新党結成の検討作業を続けている。8月11日には民主党の松野頼久元官房副長官、自民党の松浪健太衆院議員らと立ち上げた「道州制型統治機構研究会」の会合を開催。松野氏は14日、朝日新聞の取材に「新党をつくるかどうかは近く決断したい」と語り、離党も視野に入れていることを明らかにした。また、大阪市特別顧問の中田宏前横浜市長に近い民主、自民両党やみんなの党の議員らとも意見交換を続けている。


⑥この関係で考えれば、自民党は、総選挙後に民主党と連立政権を組むのではなく、日本維新の会と連立を組む可能性がある。

野田首相は、そう危惧したのではなかろうか。

⑦そこで、野田首相は、「近いうちに」の約束を果たしたことにして、かつ、解散前に消費税増税等で「事実上の大連立」を実現してきた延長として総選挙後に民主党も加わった形で連立政権を確実にした、と思ったのではなかろうか。

(5)野田首相は、さらに、第三自民党化を目指している「日本維新の会」に十分な選挙準備期間を与えないために、年内の衆議院解散・総選挙を決断した可能性がある。

そうすれば、民自公政権ができるのは、より確実になると判断したのかもしれない。

それゆえ、野田首相があえて年内解散総選挙したのは、「嘘つき」と避難されるのに耐えられずに解散したという理由だけではないように思われるのである。

(6)なお、「野田内閣が年内解散・総選挙を決定したのは、「国民の生活が第一」や「日本維新の会」などの新党に選挙資金となる政党交付金を受け取らせないためである」と見る見解もあるようだ。

だが、それは、現行の政党助成制度の仕組みを知らない者の勘違いか、デマのいずれかであろう。

というのは、確かに政党助成法によると年明け1月1日を基準に2013年分の政党交付金の各党交付額が決定されるが、第1回目の交付は4月になるからだ(同法第11条)。

逆に、12月16日投票だと、民主党など今年分の交付額が決定している諸政党は12月分の政党交付金を受け取る前に総選挙が終わってしまう。

もし、国民の生活が第一」や「日本維新の会」などが来年の政党交付金を受け取る前に総選挙するのであれば、野田内閣は、自らが12月分の政党交付金を受け取った後の年末から年明け3月冒頭までにの間に衆議院を解散した方が選挙資金はより確保できるのである。

(7)話を戻すと、「政権の安定」という点では、財界も民自公連立政権を期待するだろう。

安倍自民党は右傾化の方向に暴走している。
財界は、これに少し不安を抱いているだえろう。

財界も不安を抱くほど安倍自民党(財界政党)は只今暴走中!

財界は、民自公連立政権であれば、自民党の暴走に少しはは止めがかけられるのではないかと期待しているのではなかろうか。

(8)それゆえ、財界の意向を踏まえれば、総選挙後は「民自公連立政権」になる可能性が高くなるだろう。

(9)ところが、総選挙後、私の予想する野田首相の計算通りに話が進むとは限らない。

総選挙の結果次第だろうが、自民党、公明党に、民主党以外の政党が加わって連立政権ができる可能性もあるだろう。

もちろん、総選挙の結果次第では、自民党、公明党、民主党の連立に、他の政党が加わる可能性もあるだろう。

それらの場合、「日本維新の会」が連立に加わる可能性もある。
日経新聞2012/11/26 19:48
維新、選挙後に民自と連携も 石原氏「第二極つくる」

 日本維新の会の石原慎太郎代表は26日、日本経済新聞などのインタビューに応じ、衆院選後の政権の枠組みに関連し「肝心なことを決めることに過半数がいるなら協力する」と述べ、民主、自民両党などと連携する可能性に言及した。「自公両党に過半数を取らせたら結局同じことだ。強力な第二極をつくる」とも語った。
 みんなの党との選挙区調整の難航に関しては「残念だ。どう折り合いをつけるかはリーダーの決断だ」と強調。維新の橋下徹代表代行が「じゃんけんによる候補者調整」を提案したことに関して「私が言った。それくらいのつもりじゃないと折り合いがつかない」と説明した。
 国民の生活が第一や「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」などが脱原発や反消費増税を旗印に合流を検討していることについては「それはそれでいい」と述べつつ、政策が維新と一致しないとの認識を示した。
 外交問題では、自民党公約の国防軍設置について「今の自衛隊は国防軍じゃないか。国防のためにある。もう少し実力をつけるような措置を取らないといけない」と指摘。環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加については「自由貿易は結構だ。ただ、品目によっては問題がある」と言及した。


「日本維新の会」に合流した「たちあがれ日本」は、参議院では自民党と同じ会派だ。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/180/giinsu.htm

それゆえ、安倍晋三自民党と石原慎太郎「日本維新の会」はイデオロギー的にも類似しているので、連立政権を組む可能性はそれなりに高いだろう。
たとえ、組まないとしても、重要な法案等について部分連合・連携する可能性は高いのではなかろうか。

(10)現在、各政党は、様々な思惑で動いている。
選挙戦中は対決姿勢であっても、総選挙後は連立に加わったり、部分連合として政権与党に協力したりする政党も現れるだろう。

しかし、それは問題だ。
そうなると、有権者は総選挙後に「だったら、○○党に投票するんじゃなかった」「騙された」「期待はずれ」と思うことになるだろう。
そうなれば、ますます政党不信が増幅するだろう。

(11)野合している新党を含め、各政党は、総選挙後の政権枠組みについて、有権者に対し、できるだけ具体的に説明しておくべきである。

(12)選挙結果次第では私は超タカ派の右翼的政権が誕生するのではなかと危惧している。
有権者の多くがそうならない投票をするよう祈るばかりであるが、私の危惧については、また別の投稿で書くことにする。

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