
■コーヒーとコーラをミックスした新商品「コカ・コーラ ウィズ・コーヒー(Coca-Cola with Coffee)」を発売したコカ・コーラは26日、ドローンを使ったマーケティング・キャンペーンを行う。
巣ごもり時代のITを利用した新商品マーケティング・キャンペーンとして注目されている。
流通チェーン最大手のウォルマートとドローン開発スタートアップのドローンアップ(DroneUp)と提携し、ウォルマートからドローンを使って無料で利用者に新コーラを届けるというもの。
ドローンを利用した新商品キャンペーンは、コカ・コーラの本社があるジョージア州アトランタから210マイル(340キロメートル)南東のウォルマート・スーパーセンターで行う。
対象はウォルマート・スーパーセンター・ダグラス店から1マイル(1.6キロメートル)圏内のシングル・ファミリー・ホーム(通常の土地付き一戸建て住宅)の住民だ。
26日と27日の日中に限りアプリを介して注文するとコカ・コーラ・ウィズ・コーヒーと姉妹商品のコカ・コーラ・ウィズ・コーヒー・ゼロ・シュガー(どちらも約350ミリリットルとなる12オンス缶)が入った2.32ドルのパックを利用者宅に空輸するのだ。
注文や受け取り方法の詳細は明らかにされていないが画像からドローンが4つのアームを使ってパックを掴んで運ぶように見える。
コカ・コーラ・ウィズ・コーヒーは炭酸飲料であることから、空輸中に揺れて爆発をしないよう厚手のダンボールに入れられている。
なおウォルマートはベンチャーのドローンアップと新型コロナウイルス検査のための自主検体採取キットの宅配テストで提携している。
コカ・コーラはキャッシュバック・アプリ「アイボッタ(Ibotta)」と提携し新商品の発売日となった25日から全米のウォルマートでコカ・コーラ・ウィズ・コーヒーを無料にするキャンペーンも開始した。
キャッシュバックアプリとは食品などの対象商品を購入しレシートをスキャンするとキャッシュバックされ、特定の金額まで貯まるとギフトカードやデビットカード、クレジットカード、小切手、ペイパルに現金化できるのだ。
またキャッシュバックを商品購入等で利用すると対象店によって1%~10%をボーナスとして受け取ることができる。
例えばキャッシュバックを対象店となるアディダスで100ドルの買い物をした場合、5%の5ドルがボーナスとして得られるのだ。ピーツ・コーヒー&ティーで10ドル分使えば10%の1ドルがボーナスになる。
コカ・コーラ・ウィズ・コーヒー無料キャンペーンではアイボッタ・アプリをダウンロードした後、新規登録してログインする。
アイボッタアプリのトップにあるチェーンからウォルマートを選択し、ベストバリュー(Best Value)やニューオファーズ(New Offers)のタグから新商品を出してタップしアンロックしておく。
購入時に対象商品であるかどうかは、リストにある商品のバーコード・マークをタップして、バーコードをスキャンすることで確認ができるようになっている。
購入を証明するために、アプリを起動後にレシートを撮影し、購入した対象商品の商品バーコードも撮影する。レシートの撮影では店名もしくはロゴ、日付、バーコードも含めておく。レシートが長い場合はセクションを加える(Add Section)でつないで撮影が可能だ。
ウォルマートペイの利用ではアイボッタ・アプリとウォルマート・アプリをリンクさせておくことで自動的にアプリにクレジットが入る仕組みだ。
なおクレジットが20ドルまで貯まるとペイパル(PayPal)のアカウントにクレジットを移行でき、ウォルマートやアマゾン、スターバックス、ベストバイなどのギフトカードとも換金できようになっている。
なお換金の方法はアプリ画面の左画面に表示される「現金払い戻し(Withdraw Cash)」をタップして手続きをおこなっていくのだ。
アイボッタでは時折、サインアップして対象商品を購入すると10ドルのボーナスクレジットを得ることができるキャンペーンを行っている。またアイボッタを友達に紹介すると5ドルのクレジットにもなる販促もある。
食品メーカーによる新商品マーケティングは今後、大手チェーンストアからIT企業まで巻き込み、これまでにない販促が出てきそうだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。炭酸飲料をドローンを使って空から宅配すれば、どこかアクシデントを期待してしまいます(笑)。アクシデントといっても致命的なものではなく、缶の開封時にコーラがふきこぼれるようなものを想像します。
残念ながら宅配用のドローンは4つのアームでしっかりパックを掴んで空輸することで揺れも最小限でしょう。また利用者宅ではドローンはバックヤード(裏庭)もしくはフロントパスウェイ(玄関前の通路脇)の上空にとどまり、ホバリングしながら注文品がついたケーブルを地面まで降ろすようです。地面についたらアームがパックを離すと。
多分、人が運ぶより揺れは少ないと思います。時間や地域は極めて限定されますが今後、新商品のマーケティングではドローンが積極的に使われると思います。利用者が宅配するドローンを撮影し、インスタ等のSNSにアップするからです。へたにテレビCMを打つより安上がりで口コミになります。となれば「映え」パッケージはこだわったほうがいいですね。
炭酸飲料のドローン宅配キャンペーンならパッケージにワザと「爆発物注意」のステッカーを貼っても「映え」ますね。ITを使って口コミになりやすいように工夫されたマーケティング販促は今後ふえます。