NHKの中期経営計画がこのほど発表された。
世の中的にはこの中期経営計画の中で受信料の引下げが位置づけられたことが大きく報道されている。どのような受信料の引下げになるのかはまだわからない。受信料には地上波の受信料と衛星付加受信料があり、地上波の受信料を引き下げるのか、衛星付加受信料を引き下げるのか、はたまた地上波と衛星放送を合わせた新しい総合受信料的なものを創設して、それを引き下げるのか、いろいろ考えられる。
昨年の10月からも受信料は引き下げられている。
月額35円と60円がメインなのだが、今回中期経営計画の中で示された原資をもとに計算すると月額約300円くらいの引下げになってもおかしくない位ではないだろうかと思う。
受信料の引き下げを行っていくためにはどうしても財源が必要になる。今回の計画の中でその原資として浮かび上がってきたのが局数の削減。
現在NHKのテレビ放送は総合、Eテレ、BS1、BSプレミアム、BS4Kがあり、いよいよこの削減が2023年に実行されることになった。具体的には番組がかなり重なっているBSプレミアムとBS4Kとが統合されるのではないだろうかと思う。BSプレミアムはいい番組が多いだけに統合されるのは残念にも思うがBS4Kに移行されるのだと思えばその頃には4Kテレビを買うということかなとも思う。
ラジオも減る。これはR1、R2、FMと3波出しているのが2波になり、R1とR2が統合されることになるだろう。
語学番組をはじめ、NHK第二放送と呼ばれてた時代からのファンである自分としては誠に残念だがこれも時代の趨勢だろう。
こうやって放送波が減ればその分コストも下がるだろうし、それを前提にすれば、これから東京・渋谷に建設されるNHKの新しい放送センターについても今の計画よりもコンパクトなものにできるのではないかという指摘がなされ、それを前提にして経費削減が行われるようになる予定だ。
とはいえ、悪いことばかりではない。
もう既にスタートしているがNHKラジオはすでに「らじる☆らじる」というアプリで聞き逃しも含めて良い音質でスマートフォンで聴くことができるようになったし、「NHK +」というアプリを使えば同時再送信あるいは聞き逃しサービスの活用によってテレビ放送をより自由に楽しむことができるようになっている。
インターネットと放送とが融合していくこれからの時代。放送が空から、あるいはネットで降ってくる時代に、例えば地上波ローカル局はどう生き延びていくのか。
今回のNHK中期経営計画は新しい時代の幕開けを告げているように思う。
記事
- 2021年01月25日 15:06
NHK中期経営計画を読んで
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