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コロナ禍で復活の「しまむら」 郊外立地とリモート需要が奏功か

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郊外立地の店舗が功を奏した「しまむら」

 コロナ禍で多くのアパレル企業が売上減に苦しむ中、低価格ファッションの「しまむら」の業績が好調だ。全身しまむらの衣類でコーディネートする若者の“しまラー”ブームも去り、一時は客離れも懸念されていたが、驚きの回復力を見せている。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、しまむら復活の秘密と今後の課題についてレポートする。

【写真】ユニクロの旗艦店(東京・銀座)

 * * *
 昨年春の新型コロナによる店舗営業自粛後、アパレル業界の売れ行きは全体的には厳しいままです。

 世の中からは「ネット通販が伸びているから大丈夫じゃないのか」という誤解を受けていますが、実店舗の売上高減少をネット通販では補いきれていないというのが実情です。赤字決算が続くオンワード樫山も三陽商会も、ネット通販だけなら2桁パーセント伸びていますが、実店舗の売上高減少をまったく補えていないのです。

 そんなアパレル業界にあって、自粛明けから無類の強さを発揮しているのが、ご存じファーストリテイリングのユニクロとGU(ジーユー)、それに次ぐ規模をもっている、しまむらです。月次速報でも毎月売上高を伸ばしています。

 コロナ禍において収入が減少した人も多い中、低価格を強みとするこれらのチェーンはより需要が高まったといえます。

 しかし、細かく見ていくと、ユニクロ&ジーユーとしまむらでは、好調要因が「低価格支持」以外では異なっていると見ています。そこで、今回はしまむらの好調要因について考えてみたいと思います。

コロナ禍でも堅調だった郊外の「路面店」

 しまむらは、コロナ自粛明けの2020年6月度から月次売上高が前年増に転じました。6月は27.0%増、7月は9.1%増、8月だけは4.5%減の微減となりましたが、9月から12月まで4か月連続で伸ばしています。

 9月は11.1%増、10月は20.7%増、11月は11.3%増となっており、感染の再拡大が強まった12月も11.3%増とペースが落ちていません。コロナ前の2019年は売上高減少が続いていたのに、コロナ後は見事に復活したといえます。

 しまむらが復活した最大の要因は、各メディアでも指摘している通り「店舗立地」だと考えます。コロナ自粛明け以降は、「密」になりやすい都心店が回避され、郊外店・地方店が好調となりました。都心店に集中していたファッションブランドの落ち込みを見ればそれは一目瞭然でしょう。

 アダストリアホールディングスのある関係者は、コロナ自粛明けに「都心店は落ち込んだままだが、郊外店・地方店は前年微減にまで持ち直している」と明かしてくれました。しまむらよりは高い商品が多いですが、マーケットの中では低価格ゾーンと見なされることが多いアダストリアなので、しまむらの好調要因と重ねて見ても差し支えないでしょう。

 一方、価格帯は違いますが、都心店に集中していたユナイテッドアローズがいまだにまったく回復できないことを見ても、郊外・地方店の有利性が窺えると思います。

 さらにいえば、しまむらの店舗は郊外・地方でもコスト削減の目的からか、ショッピングモールなどの商業施設に入っておらず路面店であることも有利性をさらに後押ししたといえます。デベロッパー側に遠慮することなく、独自の判断で営業できるからです。

ユニクロ・ジーユーとの品揃えの違い

 コロナ禍において、各メーカーとも売れ残り在庫は昨年よりも増えました。そうなると、しまむらは安く仕入れることができ、品揃えをしやすくなったという要素もあるでしょう。アディタスの靴下やKappaのジャージパンツ、グンゼの肌着などのブランド品は仕入れによるものです。

 しかし、今のしまむらは、「クロッシー」というプライベートブランドを筆頭に、オリジナル商品の比率が高まっています。その構成比は公開されていないのですが、4割くらいはオリジナル品に替わっているのではないかと言う業界関係者もいます。確かに売り場を見ていてもオリジナル品比率は高まっています。

 2015年に大ヒットした「裏地あったかパンツ」もオリジナル品です。どこかのブランド品を仕入れたものではありません。

 こういう品揃えを見ると、ユニクロのようなSPA(製造小売り)型低価格ブランドを思い浮かべてしまいますが、現在のしまむらの売り場を見ると、ユニクロ&ジーユーに比べると顧客の求めているものが異なるのではないかと感じられてなりません。

 先日、筆者も久しぶりにしまむらの売り場を覗いたところ、買い物に来ていた近所の主婦たちは、自身や家族のファッション用品を買いに来たという感じはなく、靴下や肌着、ホームウェアなどの実用品を買い求める人がほとんどでした。言葉は悪いですが、商店街にあるような在庫処分店や、地方ローカルにある安物販売の衣料品店とほとんど同じように見えました。

 昨年11月の+Jのフィーバーを巻き起こしたユニクロ、そして好調を続けるジーユーとは明らかに同じ低価格ゾーンとはいえ、しまむらは店の雰囲気が異なります。

 かつてアパレル業界では、「我々はファッションを売っているが、ユニクロは実用品を売っている」と揶揄する人がたくさんいましたが、+Jの熱狂ぶりやユニクロUへの支持の高さなどを見ていると、すでにユニクロは「ファッションを売っている」といえます。もちろん、肌着や靴下、寝間着などの実用品も売っていますが、もう「実用品」と一括りにはできなくなっています。

 一方のしまむらですが、ローコストオペレーションゆえにチープな什器や内装、雑然とした陳列も相変わらずで、単なる“安物屋”のイメージは拭いきれません。プライベートブランド「クロッシー」のコーナーもほぼ埋没してしまっており、他の商品同様、実用品コーナーとしか見えませんでした。

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