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メタボ腹の原因は本当に朝食にあるの?

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なんのための対策なの?

さて、もう一度記事に戻ります。今度は太らないための食べ方について、その落とし穴の説明があります。

炭水化物や糖質を摂り過ぎれば、それはメタボ腹の世界へ飛び込んでいっているようなものだ。ビールにフライドポテトは百歩ゆずるとして、それを食べたら〆のごはんは抜く、などして、主食と芋・栗・かぼちゃのような糖質が多い野菜を摂り過ぎないようにしよう。

出だしからちょっと見逃せない記述があります。「ビールにフライドポテトは百歩ゆず」ってしまって良いのでしょうか。個人的にはビールにフライドポテトは大歓迎なのですが、メタボのお話しをしているのであれば、そこは譲れない部分なのです。メタボリック症候群では内臓脂肪に着目をしますが、中でも解毒を大きく担う肝臓への脂肪沈着は避けたいところです。脂肪肝には様々な要因がありますが、炭水化物の過剰だけでなくアルコールの多量摂取も危険因子です。いわゆるメタボを話題にするのであれば、アルコールに目をつぶり、主食を減らすという事を推奨するのはどうかなぁと、どらねこは思います。

枝豆は、名前に豆が入るのでタンパク質源として期待してしまいがちだが(実際、タンパク質も含むが)、豆と野菜の両方の栄養的特徴を持った緑黄色野菜に分類されている。100グラムあたりでみると、枝豆のタンパク質は11.5グラム、炭水化物は8.9グラム。同じように酒の肴になる、さんまのお刺身のタンパク質が18.5グラム、炭水化物が0.1グラムであることを考えると、食べ過ぎ注意、という意味が伝わりやすいだろうか。

お酒の肴にタンパク質を含む食品を!という提言はとても良いと思います。アルコール中毒などで日常的にアルコールを摂っている人にタンパク質の栄養欠乏はよく見られ、それが脂肪肝の発生リスクを高くしている事が知られております。ただし、それを考えるとフライドポテトをやめてもらい、枝豆に変えて貰った方がマシだとはおもいます。

もう一つ、重箱隅つつきになりますが、枝豆は緑黄色野菜ではありません。食品100g あたりのカロテン量が600 μg以上の野菜を緑黄色野菜と呼んでいるのですが、枝豆は生で260 μg、茹でが290 μgとその基準*2を満たしておりません。

お腹に効く根拠は?

脂肪を燃焼させたい。そのためには○○という食品成分が良い、というような説明は健康情報などではよく見かけます。

今、意識してほしいのは、ナイアシンだ。三大栄養素の代謝に関わるナイアシンはビタミンB群の一種で、コレステロールや中性脂肪を分解し、脂質の代謝を促進させる働きをもっている。しかも、ナイアシンは、脂質が控えめな食材に含まれるものうれしいところ。鶏ササミや鶏胸肉、マグロやカツオが代表選手だが、まいたけやしいたけといったきのこ類に含まれる。

この記事で登場したのはナイアシンですが、説明を読むとついフムフムと頷いてしまいそうです。しかし、特定の成分を食べて身体に良いという話に対しては慎重になる必要があります。本来は効果を謳う側がそれを裏付ける根拠を提示するのが基本なのですが、こうした健康情報的記事ではリズムを損なわないように、根拠が示されないことがしばしばです。実際に根拠があるのなら良いのですが、その見分けが素人にはつきにくいと謂う事もこうした記事で誤解が広まることの一因となっているような気がします。

では、実際のところはどうなのでしょう。ナイアシンには確かに脂質代謝を改善する作用が確認されており、脂質異常症の治療にも用いられております。しかし、これは食事では摂取が難しいような高容量であり、医療として提供されるものです。

また、実際の減量効果や体型の改善についてですが効果が確認できなかったという論文*3があります。これはナイアシン単独での効果を見たものではないのですが、ケルセチンと組み合わせ、体重等に影響を与えるかどうかを調べた二重盲検無作為化プラセボ比較試験で、ケルセチン500 mg/day にナイアシン 20mg/day を組み合わせた投与群はプラセボ群に対しても体重や身体組成には影響が確認されなかったというものです

ビタミンはとても大事なモノですが、それだけで体質が改善したり痩せたりするような魔法の薬じゃないんですね。

更に、もう一つ誤った理解があります。野菜が少ない人はキノコをワンパック食べても良いとアドバイスをし、その根拠を述べている文です。

なぜならば、カロリーが多くて太っているわけではなく、野菜に多く含まれる食物繊維が少なくて太っている、というケースも多々あるからだ。

基本ですが、太るのは消費エネルギーに対して摂取エネルギーが多いからであって、それを食物繊維がチャラにするわけではありません。食物繊維の多い食品を摂る事で満腹感を持ち、結果的にエネルギー摂取量が減り、肥満の解消になるのであれば話は別です。先ほどのビタミンと同じですが、食物繊維はエネルギーをチャラにする魔法の薬ではありません。

まとめのようなもの

加齢とともに体型が変わるのはやっぱりつらいけど、重力に負けてだんだんとお肉が下がってきてしまうモノです。体重は同じなのにお腹周りのお肉が増えてきてしまうのはその影響もあるでしょう。これは、身体のお肉のつきかたの問題で、代謝とか肥満とは違った理由でおこるものです。対策としては部分部分の筋肉を鍛えて支えるのが有効なのでしょうね。

また、加齢とともに低下する基礎代謝ですが、適度な運動でそのカーブを緩やかにするのが妥当なところです。

もう一つの所謂メタボ腹の内臓脂肪ですが、これは食事管理とアルコール制限でしっかり改善して貰いたいものです。

問題を切り分け、それぞれに合った有効な対策を行う、それが大事であるとどらねこは思います。

*1:妬みがある事は否定できないが、妬みの感情では記事は書いてません
*2:基準を満たさない野菜でも、日常摂取量の多いもの10種類が緑黄色野菜に含まれているが、その中にあるのはサヤインゲンである。
*3:Knab AM, Shanely RA, Jin F, Austin MD, Sha W, Nieman DC. Quercetin with vitamin C and niacin does not affect body mass or composition. Appl Physiol Nutr Metab. 2011 Jun;36(3):331-8. Epub 2011 May 16.

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