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中央銀行総裁もグローバル化?

本日一番の驚きのニュースはカナダ中央銀行(Bank of Canada)総裁のマークカーニー氏が突然イギリスの中央銀行(Bank of England)の総裁に指名されたことでしょうか?噂があったことは事実ですが、泣く子も黙るバンクオブイングランドの総裁のポジションには副総裁のポールタッカー氏などの名前が候補として上がっており、現職のカナダ中央銀行の総裁が引っこ抜かれるというのは異例だったと思います。

事実、318年のバンクオブイングランドの歴史の中で外国人の総裁が誕生するのは始めての事となります。また、カーニー氏の年俸は624000ポンド(約8200万円)で現総裁の倍ぐらいになるそうです。着任は来年7月1日となり、一方のカナダ中央銀行は新総裁の候補者選びを行い財務省と内閣の承認を取り付けることとなります。

経済学部を出た者にとってバンクオブイングランドの名前は耳にたこが出来るほど聞かされたと思います。歴史的にはそれぐらい世界の金融を牛耳ってきた由緒ある中央銀行であり、戦前はむしろ世界の中央銀行であったといっても差し支えないでしょう。ですが、基軸通貨がドルに取って代わられ、イギリスの戦後の経済はイギリス病と揶揄された「大きな政府」の仕組みが厳しい状態を招きました。その後、鉄の女、マーガレットサッチャーが小さい政府を標榜し、イギリスは立ち直りを見せましたし、2000年代半ばまで不動産を中心に活況を呈していました。

ですがヨーロッパの金融危機に引っ張られる形でイギリス経済も厳しい局面に立たされ、結果として現在は芳しい状況に至っていません。個人的にはイギリスは金融大国であり、アメリカとヨーロッパ大陸との連携プレイがキーではなかったかと思います。大陸側の中央銀行であるECB(ヨーロッパ中央銀行)のマリオドラギ総裁はギリシャ、スペイン問題に立ち向かいながらも一時期の不安をかき消す手腕を見せています。早ければ今夜にも決まるギリシャ支援に対しても市場は前向きに期待している状況です。

それに対してイギリス中央銀行は比較的目立たない存在であったことは事実です。では、外国人総裁を招くほどマークカーニー氏がスター的存在であったか、という点については私は知るところではわかりませんが、金融手腕についてはカナダという金融小国というポジションを十分認識し政策会議のステートメント上は国内経済の強さに対して世界の金融市場の不安定感の中という微妙さをうまいバランス感覚で乗り切り、今日に至ったと思っています。

さて、一方、日本を見てみますと次期首相候補の安倍総裁は日銀が決める金融政策に対してある意味、他人の家に土足で入り込んで好き勝手言いたい放題という感じがしてなりません。事実、安倍発言に対してあちらこちらから強い批判の声が出はじめており、安倍氏の選挙対策のリップサービスであるとすればそれは市場を攪拌したと捉えられても仕方がないでしょう。

今回のイギリスの決定は優秀な人材であれば国境を越えて何処からでもお願いするという人材のグローバリゼーションを改めて見せつけられた気がします。我々はモノのグローバリゼーションやそれを支える会社の国境を越えた取引という形は見てきたと思いますが、一国の要となる金融政策の決定を行うトップに外国人を据えるというのは新たなるグローバリゼーションの始まりのような気がいたします。

これからは国家運営すらも国籍を問わず、ということになるのかもしれません。ならば、なお更、我々は自分の能力や人的関係をより磨き上げることが求められるようになるかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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