
【映像】菅総理の言葉が「響かない」いくつかの問題点
菅総理は1月4日の年頭会見において、言葉の語尾に「思います、思っています」を計39回使用した。そのことについて文筆家の古谷経衡氏は「『思います』と言われても、経緯はどうあれ私たちの総理大臣なのだからきちんとしてほしい。失言を防ぐため、言質をとられないための話し方だ」と指摘。さらに「官房長官が長かった菅総理の癖。総理は断定してもいいが、官房長官はあまり断定をしてはいけない」と原因を分析する。
では、安倍前総理と比較して菅総理の話す力はどうなのか。元衆議院議員の金子恵美氏は「(安倍前総理は)ときにワンマンや強権的と見られていたが、演説の中に気持ちが入って伝わっていた演説力だった。菅さんはとつとつと話すところが菅さんらしいのだが、国会答弁では数字などの間違いはいけないので官僚の書いたペーパーを読み上げるのはいいが、いまはそういう状況ではないとなれば、もっとシンプルで強いメッセージを無機質ではなく伝えなければならないタイミングに来ている」と述べ、“分かりやすさ”の重要性を説いた。

お笑いコンビTKOの木本が素朴な疑問をぶつけると金子氏は「しゃべり方のスキルより、目線も含めて思いというかパッション。いま政治家に必要なのは情熱だが、そこが足らなくなっている。それが政治への頼りなさにつながっている」と応じた。
一連の問題にニュースを読んでいた経験から私見を述べたのは元TBS解説員で日大法学部新聞学科教授の柴田秀一氏だ。柴田氏は「アナウンサーは最後の語尾は顔をあげるという特徴がある。下を見たままだと『この人は伝えていない』と視聴者が思ってしまう。強い視線を視聴者や国民に与えることによって、自分はこうしたいという意思になる」と話すと、今月7日と13日の菅総理の会見における文尾で、顔を上げた割合は7日が全69回のうち5回(7%)。
13日で全42回のうち7回(17%)であったことを示すと、1月4日の年頭会見の時に29回多用した「思います」については、13日の会見では2回と減少して「改善していた」などと述べる一方「官僚文章ではなく、自分の分かっていることを、自分の言葉で話す。強く表現することが重要だ」とも指摘した。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)