記事

FacebookとYahoo!は検索で提携するか?

1/2
株価がさえないながらも着々と進化を続けるFacebook、大きな課題の一つがGoogleが検索サービスで確率しているような高収益広告を展開できるかです。その一つが自らも検索サービスを取り込み、同種の検索広告サービスを展開することですが、以前からMicrosoftのBingを買収するのではという話は常に出ていますが今回はYahoo!との提携について考えてみた記事をサーチエンジンランドから。 — SEO Japan

画像を見る

世間は、フェイスブックが独自の検索エンジンを導入し、グーグルから検索エンジンのチャンピオンベルトを奪い取って欲しいと願っているように思えてならない。数年前から、世間はこの噂に胸を躍らせてきた。そして、今回、ヤフー!とフェイスブックがタッグを組もうとしている。このタッグチームの結成によって、ビングは言うまでもなく、グーグルを叩きのめすと信じている人達のために、今回は現実をチェックしていきたいと思う。

レポート: ヤフー! & フェイスブックが検索について話し合う

まずは、今回の提携の可能性を明らかにした様々なテックブログが報じた最新のニュースを確認しよう。

テレグラフは、匿名のソースの言葉を引用しており、ヤフー!のマリッサ・メイヤーCEOとフェイスブックのシェリフ・サンドバーグCEOが話し合いの場を持ち、とりわけウェブ検索を中心として、さらに緊密に連携を行う点を確認したと報じている。以下にレポートの一部を掲載する:

ソースは、サンデーテレグラフに対して、ヤフー!のCEOを務めるマリッサ・メイヤーが、フェイスブックのCOOのシェリル・サンドバーグと緊密な連携の実現について話し合ったと述べた。


インターネット大手の2社は既に様々な小規模の事業で提携を結んでいる。例えば、ヤフー!ニュースのフェイスブックでの共有もその一つである。また、両社は、先日、特許に関する長期化していた訴訟を和解することで同意していた。しかし、両社の経営陣は、ウェブベースの検索を基に、今よりも遥かに実質的なコラボレーションに結びつく話し合いを期待している。


このレポートの内容は基本的にこれで全てである。ヤフー!の重役は、フェイスブックがヤフー!と“ウェブベースの検索”において同社の協力を求めていると信じているようだ。

楽観的な推測の誤り

記事の残りは推測の連続である。恐らく情報源の人物に焚きつけられた記者が予想したのだろう。

一見したところ、ヤフー!-フェイスブックの検索提携に対する主張は、筋がしっかりと通っているように思える。しかし、ウェブ検索業界に精通している人の前では、この主張は瞬く間に音を立てて崩れていくだろう。

フェイスブックには既に検索のパートナーがいる: ビング

まず、ヤフー!がフェイスブックの検索を改善すると言うアイデアに関する部分を以下に掲載する:

ヤフー!との提携を強化することで、フェイスブックは検索において大幅に前進し、検索をユーザーの生活の中心に今後も据えつつ、広告のターゲティングをさらに効率よく実施することが出来るようになるだろう。


本当だろうか?その理由を聞きたい。ヤフー!との提携によって、なぜビングとの既存の提携がまだ実現していないことが実現されるのだろうか?

覚えているだろうか?ビングがフェイスブックのソーシャルデータを結果に統合し始めた、2010年に立ち上げられた提携のことだ。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、ビングとの提携についてこのように話していた:

「次世代の検索を構築する上で、ビングよりも優れた提携相手は考えられない。」


まだ2年しか経過していないが、ビングはこの次世代の検索を実現する上で十分に取り組んでこなかったのだろうか?フェイスブックは、ビングで検索をするユーザーを招待して、フェイスブックでも共有を呼び掛けるソーシャルサイドバーを含むビングのデザイン変更が気に入らなかったのかもしれない:

画像を見る

実際には、フェイスブックがビングと既に実現した以上のことはヤフー!には実現することは出来ない。ビングはヤフー!よりも遥かに検索における人材を抱えており、ヤフー!を遥かに凌ぐ検索技術を持っている。現時点で、ヤフー!が2010年からビングにウェブ検索をアウトソースしている点を考慮すると、ビングはヤフー!よりも検索での経験を積んでいる。

スケールの神話

次にこのような推測が登場する:

一方、主要な検索エンジンの一つとしてスタートしたものの、ライバルのグーグルに大きくリードを許したヤフー!は、フェイスブックが誇る10億を超えるユーザーのメリットを受けれられるだろう。


検索エンジンを動かすコンピュータのコードは、多くのユーザーが利用することでパワーを増すため、別のより人気の高いサイトの助けがない状態では、ヤフー!がカムバックを果たすのは難しい。


検索エンジンを動かすコンピュータのコード – つまりアルゴリズムは、検索エンジンを利用するユーザーが増えても力を増すわけではない。賢い人が巧みにプログラミングを行うことで強くなるのだ。利用者が増えるだけでプログラムが自然にパワーアップするなら、ヤフー!は検索業界を今でもリードしているはずであり、グーグルが台頭することはなかったはずだ。

また、モデル化することが可能な実際のデータを多く持っている場合、賢いプログラマーが、アルゴリズムを改善する上で確実に役に立つ。ここで“スケール”の領域が登場する。これは、2009年にヤフー!とマイクロソフトが何度も検討し、データが多ければ、最終的にグーグルに勝つことが出来ると主張していた領域である。

しかし、米国内の検索の10%を得ているなら、モデル化するためのデータを大量に得ているはずである。とてつもない量である。最新のcomScoreのスタッツ(日本語)によると、ヤフー!は10%を超え、12%のデータを既に持っていることになる。ヤフー!は、ビングとの提携を結んでいるため、さらに多くのシェアを獲得している可能性がある。ちなみに、ヤフー!は、マイクロソフトと手を組むまでは、さらに高いシェアを維持していた。

また、非常に規模の小さい検索エンジンのブレッコのマーケットシェアは、comScoreのレポートに反映しないほど少ないにも関わらず、検索結果を頻繁に改善しているように思える。10%の検索シェアが足りないのではなく、米国の検索シェアの1%、あるいは0.5%でも得ているなら、検索エンジンを改善する上で役に立つデータを十分に獲得している。グーグルがほとんどシェアがない状態から、ここまで発展してきた事実を思い出してもらいたい。大量の検索データは、問題を解決する魔法ではないのだ。

この点を考えても、ヤフー!は穴を埋めるためにフェイスブックユーザーの大軍を必要としているわけではない。ちなみに、フェイスブック自身が、フェイスブックで検索を行うユーザーの主な目的はフェイスブックで人を見つけることだと指摘している。そのため、ウェブ検索の質を改善するためにこのソースから多くの情報が得られるとは思えない。

フェイスブックはヤフー!での仕事を活気づける!

次にヤフー!を鼓舞する“フェイスブックの要因”を示唆している:

フェイスブックとの提携により、ヤフー!はこのソーシャルネットワークのブランドの名声を巧みに利用し、一流のコンピュータプログララマーをリクルートすることが出来るようになるだろう – これは多くの重役を雇っては解雇する間に、この2年でヤフー!の大きな問題になっていた。


はっきりさせておきたい。ヤフー!がフェイスブックと提携を結んだら、「フェイスブックってスゴイよね、それなら僕たちもスゴイんじゃないの?」と言う動機だけで、コンピュータプログラマー – 恐らく検索エンジニア – を魅了することが出来るようになるのだろうか?

もし、これが本当なら、ヤフー!よりもビングにさらに有利に働くはずである。検索エンジニアを生業としており、フェイスブックの優秀な若いスタッフ達と提携を結んでいることを就職の条件に挙げているなら、ヤフー!-フェイスブックの提携によって、ヤフー!の検索エンジンが復活することに賭けるのではなく、ビングで働くべきである。

また、曇りの多いワシントン州ベルビューのビング本社で働く気になれなくても(実際にはそこまで曇っていない)、ビングはシリコンバレーにもオフィスを構えている。このオフィスは、最近までは、ヤフー!と呼ばれる弱小企業からビングにやって来たショーン・サクター氏が率いていた。

ヤフー!は与党?グーグルは野党?

ここまで私が指摘してきた誤りは、テレグラフの記者の推測だったように思うが、これから指摘する誤りは、ヤフー!のスタッフ(恐らく重役の1人)による推測の可能性がある。この人物は、この提携がいかに素晴らしいかを次のように表現している:

フェイスブックとヤフー!の提携はグーグルに大きな脅威を与え、世界のテクノロジー企業の序列を変えるだろう。ヤフー!の重役は、絶対多数政党の存在しない議会の少数派のようなものであり、別の政党と提携を結ぶことで、影響力を持つことが出来るようになる。


ヤフー!が与党?低迷を続け、検索テクノロジーを持っていない企業が、フェイスブックを – 恐らく検索において – グーグルに大きな脅威を与えるサービスに変えるとでも言いたいのだろうか?

思わず笑ってしまった。本気なのだろうか?次はモバイルの分野でAOLがマイクロソフトの勢いを取り戻す上で貢献するとでも言いだすのだろうか?

ヤフー!はマイクロソフトを見捨てるかもしれない(ただし、フェイスブックと提携を結ぶためではない)

間違い探しはこれで最後にしたい:

シリコンバレーの専門家は、マリッサ・メイヤー氏が元勤務先のグーグルに運命を委ねる可能性があると推測していたが、代わりに、こちらも元グーグルの重役であるサンドバーグ氏と力を合わせて、ライバルに立ち向かうと見られている。

しかし、フェイスブック-ヤフー!のタッグチームの脅威を受けるメジャーなテクノロジー企業はグーグルだけではない。ヤフー!とマイクロソフトとの関係も危うくなる可能性がある。


確かにヤフー!はマイクロソフトには満足していない。やむを得ない理由もある。ヤフー!はマイクロソフトと手を組むことで大金を得られると得意げに考えていたが、残念な結果に終わっている。

あわせて読みたい

「Yahoo!」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    <止まない炎上>小室禍と東京五輪エンブレム騒動の類似点

    メディアゴン

    05月08日 08:13

  2. 2

    ネット署名 『人々の夢と希望をつなぐため、東京五輪の開催を支持します』立ち上がる

    和田政宗

    05月08日 21:34

  3. 3

    コロナワクチン打てば大丈夫?専門家すら反応を示さない風潮に疑問

    自由人

    05月08日 09:08

  4. 4

    菅さんじゃ駄目だとなっても、安倍さんがいいということには絶対にならないし、そうさせてもいけない

    早川忠孝

    05月08日 08:26

  5. 5

    出口治明さんが語る「35年ローン」で家を買ってはいけない理由

    幻冬舎plus

    05月07日 09:04

  6. 6

    コロナ対策で目立つ責任回避「国全体が緩んでいるようで不安」

    深谷隆司

    05月08日 17:31

  7. 7

    菅首相は何度同じ失敗を繰り返すのか

    鈴木しんじ

    05月08日 20:51

  8. 8

    「ダブルスタンダードになる」国民投票法改正案可決で立民が見せた“国対政治”に苦言

    BLOGOS しらべる部

    05月08日 08:03

  9. 9

    「鬼滅の刃=Demon Slayer」米国では炭治郎の耳飾り“旭日旗”問題は?

    文春オンライン

    05月08日 14:48

  10. 10

    撤退する飲食店、益々予約が取れなくなる飲食店

    内藤忍

    05月08日 11:38

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。