記事

橋下徹「特措法、感染症法の改正論議で絶対に見逃せないこと」

国会で始まる新型インフルエンザ特措法および感染症法の改正論議。これまで新型コロナ対策を要請ベースで行ってきた日本だが、改正により飲食店や病院、個人に対し行動を強制できる方向へと舵を切る。菅政権に対し「適切な権力行使を」と訴えてきた橋下徹氏は、強制と補償をセットにするための法改正は必要としつつも、今の議論には見逃せない問題点があると指摘する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(1月19日配信)から抜粋記事をお届けします。

国会議員は罰則の意味合いを誤解している

本メルマガ前々号(Vol.230【危機突破のノウハウ(1)】大事なのは「自分の持ち味」。菅さんは適切な権力行使で正面突破を!)において、菅義偉政権は病床逼迫の状況を打開するためにも医療側に権力行使をすべきだと強く論じた。新型コロナへの対応をしていない医療機関や医療従事者に対して、コロナ対応を促す権力行使をすべきだ、と。そのための法律を作らなければならないということも論じた。

橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)
橋下 徹『大阪都構想&万博の表とウラ全部話そう』(プレジデント社)

そんな中、現在、感染症法16条の2という規定は、「厚生労働大臣や都道府県知事は、医療機関側に必要な協力を求めることができる」となっているところ、その規定を改正し、単なる「協力を求める」から「指示と勧告」、そして従わない場合には「施設名の公表」までできるようにすることが検討されているという報道があった。

この流れ自体には賛成だが、罰則として施設名の公表を使うことには断固反対だ。

また、現在コロナ対応に使っている新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)に基づいて、飲食店への休業要請を行うにあたり、それに従わない場合には「店名の公表もあり得る」と、これまた政府は店名の公表を制裁としてちらつかせるが、これにも断固反対だ。

そして、やっと特措法の改正論議が始まり、休業に関して罰則付きの命令を加えて、それとワンセットで補償(支援)も付けるという法改正が進みそうだが、ここでの議論においては罰則の意味合いを国会議員たちが誤解しているように思える。というのは、罰則にどれだけの効果があるのか、という議論が展開されているからだ。

「罰則を付ける」のオンパレードだが、それでいいのか?

さらに、この特措法の改正論議に合わせて、その他の法律の改正論議も噴き出てきたが、「罰則を付ける」のオンパレードだ。特に、入院を拒絶した感染者や保健所による行動履歴の調査を拒否した検査陽性者等に対して罰を加える方向になるらしい。

僕は、有事のときに国民に罰則付きで義務を課すことに賛成だが、今の議論は平時と有事の切り替えをしない前提での議論になっており、非常に不安を感じる。平時も有事も区分けせずに、一般的に入院拒絶や調査拒絶をした者に罰を加えるという法改正なら、これにも断固反対だ。

なんか、弁護士会っぽい主張になっているけど(笑)、僕は弁護士会のような単純な反対論者じゃないからね。

そもそも今の政府のコロナ対応について国民が不満と不安を感じているのは、政府の対応が迷走していると国民が強く感じているからだ。

この点を批判するのは簡単である。単純な批判は多くのコメンテーターや学者に任せておけばいいが、重要なことは「なぜ政府の対応がここまで迷走しているのか」その原因を探り、その対応策を考えることだ。

本来この役目は政治家である国会議員や知事たちが担うものだが、このメルマガでしっかりと論じて、皆さんと日本という国の「欠陥」とその「修理方法」について考えていきたい。

(略)

大事なのは罰則の中身ではない、補償額の算定法だ

確かに金額の算定は難しい。しかし、だからこそこの一番難しいところを決めるのが国会議員なのではないか。

それなのに、簡単に決めることができるが実際はどうでもいい罰則の中身だけを明確に定め、一番難しいが一番重要な補償金額・支援金額の定め方から逃げている今回の特措法改正案は、国会議員が責任を果たしていない最悪の法律改正案だと言える。

(以下省略/全文はメールマガジンでお読みください)

(ここまでリード文を除き約1400字、メールマガジン全文は約1万1800字です)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.232(1月19日配信)の「本論」から一部を抜粋したものです。気になった方はメールマガジン購読をご検討ください。今号は《【権力行使の大前提(1)】なぜ僕は「罰としての店名公表」に断固反対するか》特集です。

▲大好評!橋下徹×プレジデント社による【公式メールマガジン&公式オンラインサロン 】開講中!
学者やコンサルでは伝えられない「本質」が読める、橋下徹公式メールマガジン【橋下徹の「問題解決の授業」】!
橋下徹本人と双方向の意見交換が出来る唯一の公式サロン【橋下徹の激辛政治経済ゼミ】!
今起きている諸問題を題材に、「激動の時代だからこそ」身に付けたい実践力や思考力を一緒に学びましょう!お申込みお待ちしております!

公式メルマガ「橋下徹の『問題解決の授業』」お申し込みはこちら!

橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジン
【ご購読はこちらから→】http://hashimoto.president.co.jp/
橋下徹と直接議論できるサロン『橋下徹の激辛政治経済ゼミ』
【お申込はこちら】→橋下徹の激辛政治経済ゼミ

----------
橋下 徹(はしもと・とおる)
元大阪市長・元大阪府知事
1969年東京都生まれ。大阪府立北野高校、早稲田大学政治経済学部卒業。弁護士。2008年から大阪府知事、大阪市長として府市政の改革に尽力。15年12月、政界引退。
----------

(元大阪市長・元大阪府知事 橋下 徹)

あわせて読みたい

「新型コロナウイルス」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    総務省違法接待は菅首相の報復人事と霞が関幹部私物化が発生源、現場の国家公務員はお茶菓子も食べない

    国家公務員一般労働組合

    02月26日 22:33

  2. 2

    各国が頓挫するなか日本の教育支援が起こした南東欧の国・ボスニアでの「革命的変化」

    BLOGOS編集部

    02月27日 07:05

  3. 3

    スター・ウォーズファンたちが熱狂の『マンダロリアン』 日本のサムライ影響?

    BLOGOS映像研究会

    02月26日 07:09

  4. 4

    政治未経験だったトランプ前大統領が受け、政治家30年以上の菅総理が受けない理由 ~ 50年単位で変遷してきたラジオ時代、テレビ時代、インターネット時代と政治 ~

    青山社中筆頭代表 朝比奈一郎

    02月27日 07:34

  5. 5

    養老孟司が語る「コロナの壁」とは? パンデミックで暴かれた“日本的空気”の問題点 - 伊藤 秀倫

    文春オンライン

    02月26日 19:50

  6. 6

    そろそろ、バブル崩壊はじまるかな!

    澤上篤人

    02月26日 15:50

  7. 7

    致命傷にはならないだろうが、やはり菅さんが受けた傷は深い

    早川忠孝

    02月25日 19:06

  8. 8

    菅首相は山田広報官を更迭せよ ~強権と縁故主義の安倍-菅政治の終焉~

    鈴木しんじ

    02月26日 19:12

  9. 9

    鈴木宗男氏「国会はスキャンダルを取り挙げる場ではない」

    鈴木宗男

    02月26日 17:42

  10. 10

    “接待問題”めぐり東北新社の二宮社長が辞任 菅総理長男は懲戒処分

    ABEMA TIMES

    02月26日 18:52

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。