テレビ東京系の報道番組「ワールドビジネスサテライト」(WBS)の18日の放送で、スタジオの大江麻理子キャスターらがマスクを着用して登場した。ネット上の受け止めは、「『原則マスク着用を』と視聴者に訴える姿勢は歓迎されて然るべき」と概ね好意的だ。

「緊急事態宣言を受けて」マスク着用の理由は
大江さんは冒頭のあいさつではマスクをつけていなかったものの、新型コロナウイルスに関するコーナーが終わると、日本経済新聞編集委員の滝田洋一氏とともにマスクを着用した大江さんの姿が映し出された。
大江さんは、スタッフのマスクとフェイスシールドの着用や、ソーシャルディスタンスの確保などスタジオでの感染防止対策を紹介。続いて、「スタジオ内でトークをする場合には、お互いにマスクを着用することにした」と述べ、「緊急事態宣言を受けて、より一層感染対策を強化することが必要と考えての決断」と背景について説明した。
この日ニュース原稿読みを担当した同局の田中瞳アナウンサーは、大江さん、滝田氏と十分な距離をとっていたことからマスクは着用していなかった。テレビ東京広報局は取材に対して、「市中の感染が拡大する中、より一層、スタジオの感染対策を強化することが必要だと考え、キャスター同士がトークをするような場面ではマスクを着用することにした」としている。
元アナウンサーも取り組みを評価
放送のプロフェッショナルはどう見ているのか。SNS上では次のようなツイートが見られる。
広島東洋カープの熱狂的ファンで元フジテレビアナウンサーの山中秀樹さんは「これを見た他局の反応はいかに。それにしても、マスクをしていても声がくぐもらない大江さんに感心」とスタジオでの大江さんのパフォーマンスを評価。タレントで元TBSアナウンサー・小島慶子さんも次のように好意的に受け止めている。
テレ東 #WBS ワールドビジネスサテライト。音声も違和感なく聞き取れるし、安心して見ていられますね。どの現場でもマスクを当たり前にしてほしいです。まだ一部にマスク姿に抵抗のある制作者もいるようですが、出演者の安全と視聴者への影響を考えたら、マスク着用を渋る理由がわかりません。 pic.twitter.com/BPShDFzjcY
— 小島慶子 (@account_kkojima) January 18, 2021
視聴者とみられるアカウントからも、「ついにテレ東が先陣を切った」「他の番組は見習ってね」「マスクをしていても、全く聞きづらさがなく、ハキハキと話しているのが素晴らしい」などと好意的な投稿が目立つ。一部、「美しい笑顔が見られないのが残念」とマスク着用を惜しむかのようなツイートもあった。
WBSでは前回の緊急事態宣言時、大江さんがスタジオに登場したのに対し滝田氏はリモートで出演するなど、ノーマスクながらも確実な感染防止対策をとっていた。
今回、リモートを採用せずにマスクを着用した2人が同時にスタジオに臨んだのは、視聴者への「マスクは感染防止のための常識」という強いメッセージなのかもしれない。同局は今後も試行錯誤を続け、最善の策を探り続けるようだ。
19日の放送も午後11時から。スタジオでのマスク着用が定着していくのか注目される。
◆「しらべて欲しい」情報や疑問をお寄せください
BLOGOSしらべる部では読者の皆さまからの情報や疑問を募集中です。普段の生活やニュースのなかでしらべて欲しいと思ったことを、記者が取材します。
以下のアドレスにご連絡ください。
dl_shiraberubu@linecorp.com