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「おまけ」と「ソーシャル」で売上を伸ばすECサイト「Diamond Candles」

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Diamond Candlesは米国のノースカロライナに暮らすDavid Cayton氏(以下、デビッド)が妻のBrenda(ブレンダ)と友人のJustin Winter氏(以下、ジャスティン)とチームを組んで開設した、米国産大豆を原料とするアロマキャンドルのECサイトである。

以下では、このサイトがオープンからわずか1年で売上100万ドルを達成した秘密に迫る。

30年前に「妻への愛」から芽生えたアイデアがビジネスのもとに

デビッドとブレンダが出会ったのは、1978年、二人が高校生の時である。ブレンダに一目惚れしたデビッドは初デートから2年後にプロポーズ。高校卒業とほぼ同時に二人は結婚する。

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建設業で働き始めたデビッドは、結婚記念日に妻に素敵なプレゼントしようと節約に励み、ダイヤの指輪を購入する。帰り道、妻の大好きなアロマキャンドルも目に止まり、一緒にプレゼントすることにした。

片手にダイヤの指輪、もう片方の手にキャンドルを持って店を出たデビッドの頭にアイデアが閃く。「キャンドルに指輪を埋め込んだらどうだろう? きっと売れるはずだ

2010年、長引く不況で建設業の将来に不安を感じたデビッドは、30年前のビジネスアイディアを思い出す。マーケティングとスタートアップの支援を専門とする友人のジャスティンを誘い「Diamond Candles」のECサイトを立ち上げた。

2000円のキャンドルのオマケが、40万円の指輪?

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「Diamond Candles」を一言で言えば、指輪が埋め込まれているアロマキャンドルだ。燃やして取り出すまでどんな指輪かわからない。「おまけ付きキャンドル」というアイディアは悪くなかった。

しかしデビッドたちは顧客をもっとわくわくさせたいと考える。そこで定価約10ドル、約100ドル、約1,000ドル、約5,000ドルという4つの価格帯の指輪を入れることにした。キャンドル1個の値段は24.95ドルなので、100ドル級以上が当たればラッキーだ。

もちろん大多数の製品に入っているのは約10ドルの指輪なのだが、製品の購入にくじを買うような楽しみが加わり、「すぐ次が買いたくなる」「一度Diamond Candlesを買うと、他社のキャンドルでは物足りない」と感じる顧客を増やすことにつながった。

サイトには、「指輪の値打ちを見分ける方法」として、

  1. リングの内側に「14K」などの文字があれば、100ドル以上の指輪なので、宝飾店に行って100ドルなのか、1,000ドルなのか鑑定してもらうことをお勧めします。
  2. リングの内側に「Thailand(タイ)」などと国名が掘ってある場合は、10ドル程度の指輪です。

という説明がある。

FacebookとYouTubeでは、1,000ドル以上の指輪にあたった幸運なユーザーの投稿も見かけるが、同社のECサイトでは、10ドル級の指輪の画像だけを1つのページに集めて掲載している。

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このページには「10ドルの指輪でもこんなに綺麗なのね」というユーザーからのコメントがついている。これらの画像を見てキャンドルの購入に踏み切る人も少なからずいるだろう。

米国の女性は、アロマキャンドル好きが多い。しかし、景気も良くないから、キャンドルを灯す時間も節約しがちかもしれない。だが「Diamond Candle」にはそれは通用しない。中身が気になり、普段以上に灯したくなってしまうことだろう。良い香りが印象に残り、キャンドルの買い足し時期も早まって、一石二鳥の商品だとおもうのは僕の考えすぎだろうか。

ソーシャルメディアをフル活用したマーケティング戦略

同社のECサイトはソーシャルプラグインを導入しており、Facebook、YouTube、Pinterest、Twitterなどなど、ソーシャルメディアに全包囲対応している印象だ。

同社がマーケティングで特に重点を置いているのは、クチコミを促進するために、製品を購入した顧客に次の2つのことをするように誘導することである。

  1. キャンドルに入っていた指輪の写真を撮影して同社のFacebookページにアップする
  2. キャンドルを取り出す過程の動画を撮影してYouTubeにアップする
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開設当初はキャンドルを無料で配布してレビューを依頼したり、投稿してくれた人に割引クーポンを贈ることに上記の2つを頼っていたが、現在では、商品を購入した顧客が自分で進んで投稿するケースが増えている。

また、日本のオープン懸賞にあたるスイープステークスやPinterestでのピンボード作成コンテストも頻繁に行って常にクチコミを刺激するように努力を続けている。

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商品とソーシャルメディアの相性を考える

アロマキャンドルも指輪も見た目が綺麗で、Pinterestを始めとする画像共有SNSとの相性は抜群だ。アロマキャンドルの顧客層とPinterestのユーザーはかなり重なるとも思われる。

Diamond Candlesは、ソーシャルメディアとの相性が良い「キャンドル+指輪」という商品を販売して成功を収めているが、ストーリーから推察するに彼らは意図的にソーシャルメディアとの相性が良い商品を選んだのではないだろう。

しかし、これからeコマースをはじめるのであれば、「自分の商品はソーシャルとの相性が良いか?」を一度問いかけてみてはどうだろう。相性が良ければ、Diamond Candlesと同様、短い時間で成功を手にすることができるかもしれない。

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