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菅首相が五輪開催をしたい本当の理由は… “強行開催”唯一の解決策は「森漫談」の中にあった? 「神様がどれだけ味方していただけるかだ」 - プチ鹿島

『米でも悲観論 東京五輪「中止の可能性」』

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 日曜日のスポーツ報知一面(1月17日)である。

 ニューヨーク・タイムズ(電子版)や通信社が相次いで五輪中止の可能性に言及してきたという内容。報知の五輪担当記者は昨年の延期決定の時と流れが似ていると指摘。


いよいよ東京五輪にも暗雲が… ©JMPA

 では世論はどんな感じなのだろう? 13日発表のNHKの世論調査では五輪・パラリンピックを「開催すべき」は16%で、「中止すべき」と「さらに延期すべき」をあわせるとおよそ80%。世界や世の中がまたしてもザワザワしてきた。

 そんななか菅首相は五輪開催について現時点でどう考えているのか。開催するという意思が固そうなのは伝わってくるが、どんな「根拠」に基づいているのか。

 すると同じ日の報知の社会面にとても興味深いインタビューが載っていたのだ。

「菅首相とも親交がある」と紹介されている選挙プランナー・三浦博史氏の「展望」である。これがすごかったので紹介したい。

五輪は選挙と政権浮揚のため…?

 三浦氏の評価によれば菅氏は「仕事師」だという。

 菅政権誕生以降は、

「コロナ対策や景気対策に徹し、一切の政治的空白を作らないという強い信念を感じます」

 高評価です。ならば解散の時期はいつか。三浦氏は五輪開催にこぎつければ大会後に衆院解散となる可能性が高いという。

「大会が成功裏に終われば、与党は負けない情勢になります」

 さらに、

「大会を成功に導いた首相の顔は後世に残るものです。その勢いで衆院選を戦えば、与党が圧勝する可能性も高いですね」

 いかがだろうか。ここまで五輪が選挙や政権浮揚のためだけに考えられているのかと感心してしまう。さすが選挙プランナーである。

 注目すべきはこの方は首相就任の翌日に菅氏と朝食を共にしていたと「首相動静」で報じられていたこと。つまり菅首相も三浦氏の考えを共有している可能性が高い。

 なんとしても五輪を開催して「感動」の余波で政権の支持率をアップ。世論が半信半疑のなか政権が五輪をどうしてもやりたい理由が見えてきた。アスリートに寄り添う発言が聞こえてこないのも納得だ。

 政治利用の話になんだか気分転換をしたくなった。こんなときは森喜朗先生の漫談に限る。

「私の立場では、今年難しいとは口が裂けても言えない」

『森喜朗会長 世論に嘆き「私の悪口ばかり。菅さん以上。森内閣もこんなに酷くなかった」』(デイリースポーツ1月12日)

 待ってました森漫談!

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の年頭挨拶と講演会から。

「うちの家内がスマホばかりみているんですが、私の悪口ばかりだったそうです。『森は何を考えているのか、バカじゃないか』と。菅さん以上に悪口ばかり。こんなのは長い人生で初めて。森内閣でもこんなに酷くなかった」

 菅さん以上に悪口が多いという余計な一言が年明け早々に炸裂。

 それだけじゃない。「森内閣でもこんなに酷くなかった」。これに対し日刊スポーツのコラム「政界地獄耳」(1月16日)は、

《それはそうだ。森内閣でITインフラを整えたので、当時はネットで国民の声があふれることはなかった。》

 ああ、やめてあげて。

 たしかに森内閣のときにSNSがあったらどれだけ炎上していたのだろう。どなたか専門家にシミュレーションしてほしい。

 さらに森漫談は続く。

「私の立場では、今年難しいとは口が裂けても言えない。言えば、夕方のニュースから明日の朝刊に、“弱気”“難色”って出るだろう。それが世界中に広まる」(デイリースポーツ1月12日)

 もうそれ「難しい」と思ってるということですよね。森漫談は本音もポロリだからたまらない。

 ではここからはギョッとする現実をあげていく。

 東京五輪の開催経費は招致時の計画では総額7340億円だった。しかし昨年末に『五輪予算案1.6兆円承認 関連経費含め3兆円に 組織委』(朝日2020年12月23日)。

 経費の総額は3兆円を超えることになった。

《その原資は多くが税金だ。開催決定から今まで、巨額のお金を出すことへの説明責任を国や都が果たしているとは思えない。》(同)

 これが「人類がウイルスに打ち勝った証し」の正体である。

 アスリートの視点に立てば『緊急事態宣言 五輪へ強化ピンチ』(読売1月9日)という問題もある。

《競技団体は新型コロナウイルス感染防止に努めながらの強化活動に苦慮している。約半年後の開幕に向けて強化を加速させなければならない中で、合宿の中止など計画を練り直す団体もある。》

「五輪決行」のための唯一の解決策とは…?

 五輪を決行するには課題が多すぎる。一体どうすればいいのか。解決策がひとつだけあった。

 昨年12月24日の森漫談にあったのである。

「無観客となるのか、どれだけのお客さんが入るのか、無制限で行けるのかは天との勝負。神様がどれだけ味方していただけるかだ」(日刊スポーツ12月24日)

 では「政界地獄耳」師匠にツッコんでもらおう。

《当時から今まで森が頼るものは神様だということに変わりはないことだ。国民の批判は神頼みではなく合理的で科学的な政策判断だ。》(1月16日)

 森喜朗先生は漫談家ではなく漫才コンビだったのかもしれない。相方は国民。以上、今週の新聞読み比べの発見でした。

(プチ鹿島)

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