Barron’s :Higher Inflation Could Take A Toll On U.S. Stocks.
バロンズ誌、今週のカバーは半期に一度行う金融市場の重鎮10名によるラウンドテーブルを掲げる。新型コロナウイルス感染拡大の長いトンネルを抜け、ワクチンの普及により米国は1920年代のような人生を謳歌する時代に入るだろう。ただし、メインストリートの大騒ぎがウォール・ストリートに波及すると予想すべきではない。ウォール・ストリートは2020年にメインストリートの回復を織り込んで米株高に沸いただけに、2021年は退屈な年となりかねないためだ。ラウンドテーブルに参加した重鎮10名の間では、2020年にS&P500は16.3%高を遂げたが、今年は6~8%高、10%以下との見方が優勢だ。バイデン政権下では経済回復を目指す政策が打ち出される見通しでインフラ投資が視野に入る半面、政治的対立や増税なども予想され、米株相場はボラタイルとなる局面もあるという。また、日本についても1名から「労働生産性の改善やコスト削減もあって、上昇気流に乗っている」との指摘が聞かれた。個別銘柄の推奨を含め、詳細は本誌をご参照下さい。
ラウンドテーブル10名のうち常連メンバーは、以下の4名。
1.ゴールドマン・サックスのアビー・コーエン顧問兼シニア投資ストラテジスト
2.ガムコ・インベストメンツのマリオ・ガベリ会長兼CEO
3.デルファイ・マネジメントのスコット・ブラック社長
4.イーグル・キャピタル・パートナーズのゼネラル・パートナーであるメリル・ウィットマー氏
近年加わった参加者としては、以下の4名
5.パルナッソス・インベストメンツのトッド・アールステン最高投資責任者(CIO)
6.アリエル・インベストメンツのルパル・バンサリCIO
7.デュラブル・キャピタル・パートナーズのヘンリー・エレンボーゲンCIO
8.エポック・インベストメント・パートナーズのウィリアム・プリーストCEO兼共同CIO
2020年1月から加わった参加社は、以下の2名
9.フランクリン・テンプルトン・フィクストインカムのポートフォリオ・マネージャー兼CIOのソナル・デサイ氏
10.ベイリー・ギフォードのパートナー兼ポートフォリオ・マネージャーのジェームズ・アンダーソン氏
当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週はインフレ上昇に警鐘を鳴らす。抄訳は、以下の通り。
米国がいま直面する問題に対応するなか、インフレは近い将来上振れも―As U.S. Fights Today’s Problems, Tomorrow’s Inflation Starts to Stir.
宝くじと同様に、勝者となるには勝負に出なければならない。最近ではペニーストックへの投資やオプション取引、さらに仮想通貨(暗号資産)のほか、米国では15億ドル近いメガミリオン宝くじが勝者となる上で話題だ。
シティグループのパニック・ユーフォリア指数が過去最高に接近し、コール・オプションの取引高が過去2番目の高水準を遂げたように、市場は強気センチメントに傾いている。中小型株指数ラッセル2000がシーザーズ・エンターテイメントやペン・ナショナル・ゲーミングなどが主導し過去最高値を更新するなか、誰がギャンブルに賭けるだろう?
オプション取引になだれ込んでいるのは、ロビンフッドに代表される手数料無料のオンライン・ブローカー顧客だ。とある機関投資家も20代の息子が景気刺激策で得た現金給付600ドルを支出にまわさず、株式投資にまわしていたと指摘する。
オプション取引やペニーストックより、最も投資機会を与えているのはビットコインなど暗号資産だろう。ビットコインは8日に4万ドルの大台に乗った直後、7日に3万1,000ドル台への急落を経て、15日に3万5,000ドル台へ戻した。ビットコインが決済に使用できる通貨として価値があるか、価値保全の役割を担うかは別として、こうした価格変動は市場参加者を増やしたに違いない。
チャート:米国はFRBの超緩和策も手伝い、過剰流動性の状況が加速
