「ペンス氏、大統領職務停止の手続きせず 書簡で意向」(朝日新聞2021年1月13日)
トランプ氏は、米国議会で新大統領の承認手続きを行っているところへ、支持者を乱入させたという張本人です。米国の権威を失墜させ、世界に恥をさらした危険極まる人物に成り下がりました。
そうした中で、米国憲法修正25条の発動を求める声が大きくなっていましたが、私は、米国憲法に詳しくはないのですが、違和感しかありませんでした。
職務ができないときに閣僚過半数で罷免できるというのは、意思能力がなくなってしまった、など実際に何もできないような状態、但し、存命なので大統領ではあり続けているような場合を想定しており、そうではなく単にその大統領が危険だというだけで閣僚の過半数で罷免できるなんて、どう考えても変です。

2021年1月10日撮影
もともと閣僚は大統領が指名した人材であり、上院の承認手続きが必要だとはいえ、大統領が上位に位置づけられているのは間違いありません。
それを過半数で罷免できてしまったら、下克上のごとく副大統領が代行するということになってしまい変です。
もし本当におかしな行動でどうしても罷免しなければならないということであれば議会がその手続きを行うべきで、奇策のような抜け道で対処すべき問題ではないように思います。
それはトランプ氏が破廉恥であることと同じ誤りを犯すことになります。
トランプ氏だから罷免されていい
感情論では誠にそのとおりですが、しかし、そうした「先例」を作ることの恐ろしさも考えておかなければなりません。そうした手法は誤りです。
その意味では、ペンス副大統領の判断はしごく冷静なものだったと言えます。