- 2012年11月25日 18:19
公務員バッシングは社会を壊す-憎しみ増殖させる生贄社会は誰もが生きづらく社会の多様性を失う
1/311月19日の「夜な夜なカフェ」(AIBO応援企画) で、辛淑玉さん(人材育成コンサルタント)と藤田和恵さん(ジャーナリスト)によるトーク「公務員バッシングで誰が得するの?」がおこなわれました。コーディネーターは、湯浅誠さん(反貧困ネットワーク事務局長)です。トークの中で私が重要だと思ったところだけのメモですが以下紹介します。(※あくまで私が理解した文脈メモで逐条起こしではないこと御了承を。m(_ _)mby文責ノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)
「公務員バッシングで誰が得するの?」
辛淑玉さん×藤田和恵さん×湯浅誠さん(※以下敬称略)
辛淑玉 私は以前から「公務員バッシングを続けると社会が壊れる」と言ってきました。疑問に思うのは、バッシングの対象となる「公務員」と一口で言っても、霞が関のキャリア官僚もいれば、それぞれの県庁や基礎的自治体で働く地方公務員もいて、それこそ東大法学部卒のエリートから現場で額に汗して働く現業の人たちもいるわけです。保育士さんとか、ごみ収集の方とか、いろいろな仕事をしている公務員のどこに対してバッシングしているのかと、いつも思います。
藤田和恵 霞が関のキャリア官僚から地方自治体の職員、それに私は非正規公務員を加えたい。いま地方自治体の職員は3人に1人が非正規労働者です。そしてその8割が女性です。賃金は、正規公務員と同じ仕事をしていても非正規公務員は2分の1とか3分の1程度しかありません。それにもかかわらず、いまの公務員バッシングは、非正規公務員もバッシングの対象になっていて、いま加速している公務員賃下げは、低賃金の「官製ワーキングプア」の状態に置かれている非正規公務員にも襲いかかっています。私もいいとは思っていませんが、霞が関のキャリア官僚の賃金が1割2割カットされるのと、「官製ワーキングプア」の非正規公務員が公務員バッシングで同じように賃下げされてしまうのはまったく別の次元の問題です。そういう意味でも、いまの公務員バッシングは上から下まで、とにかく公務員ならバッシングだという見境のない乱暴なものです。
辛淑玉 公務員バッシングが、政治家のストレス発散と、人気取りになっている。公務員を叩けばすぐに周りがちやほやしてくれるし、票も集まるし、どうしてこんなことになっているのでしょうか?
湯浅誠 民主党が政権を取ったときも官僚主導打破でした。さかのぼれば、公務員バッシングは、土光臨調など1980年代からずっとやられていると思うのですが、2000年代の公務員バッシングはあの頃より進化しているような気がします。
辛淑玉 政治家のストレス発散だけじゃなくて、政治家と国民が共同した形でのストレス発散、はけ口のターゲットに公務員がなってしまっている感じがします。国民の側の生きづらさというのは、公務員バッシングというストレス発散、はけ口を求めるのではなくて、社会的に抑圧された人たちがなんとか生きていくために社会の資源とつながっていかなくちゃいけなくて、その社会の資源が公務なわけで、そこを公務労働者がサポートしてきているのが事実なわけです。社会的に抑圧された人たちは、いかに公務という社会的資源を担う公務労働者とつながっていって、生きづらさをくいとめるのかが課題なわけです。そして、こういう貧困が広がった社会で、生きづらさをサポートする側にある公務員が健康でしっかり働いてもわえるような体制をつくらないと社会はあやうい気がするのです。
藤田和恵 そのあやういことをいちばん露呈したのが東日本大震災で大きな被害を受けた東北でした。
辛淑玉 いまの公務員バッシングの中で、被災地の公務員が自分自らも被災者なのに、「誰の税金で食っている」という言われ方をして、どれだけひどい目にあっているか。被災地復興を住民と一緒にやりとげていくのが公務員なのに、いまの公務員バッシングは最初から公務員に対して「死ね」から入ってきて、「お前、まさか公務員なのに寝てないだろうな」というひどい言われ方までしています。もう何をやっても怒られるという、感情のはけ口、ゴミ箱になっているような状態で、そんなですから具合が悪くなる公務員が多くなっています。クレーム処理のために公務員が存在するような状況になって、どんどん、どんどん、メンタル不全など体調不良が多くなって仕事ができなくなってしまう公務員が増えてしまう。やらなければいけないことがいっぱいあるのに、それにもかかわらず、公務員バッシングして、ますます仕事ができないような状態にしてしまっています。
藤田和恵 公務員削減で、もともとギリギリのところで業務が回っていたのに、震災という非常事態になると回るわけがないのです。不眠不休で公務員が働いているというのをマスコミは美談のように言いますが、私は違和感があります。
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