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維新の会は変質したのか

 大阪市の橋下徹市長率いる日本維新の会が、11月17日、太陽の党との合流を決めたことで、維新の会の主要政策が軒並み変わってしまった。これでは石原慎太郎前東京都知事の知名度が目当ての野合という批判は避けられない。維新の会に何が起きているのか。

 維新の会は太陽の党と合流する2日前の15日にみんなの党と政策合意を結んでいる。その中には脱原発はもとより行財政改革、農業や医療分野を名指しにした規制改革、国税庁を財務省から引き剥がす歳入庁の設置、発送電分離、公務員の身分保障の廃止等々、改革を目指す政党と呼ぶに十分相応しい踏み込んだ改革政策が並んでいた。

 しかし、それから僅か2日後の太陽の党との合流によって、その政策は全く異なるものとなってしまった。「強くてしたたかな日本をつくる」と銘打った政策リストを見る限り、太陽の党とくっついた維新の会は、それまでとは全く別の政党になってしまったかに見える。

 まず、維新の会の、そして橋下氏の重要な主張だった脱原発が政策リストから消えている。そして、歳入庁も発送電分離も農協改革や医師会改革も、公務員改革、企業団体献金の禁止もすべて維新の会の政策から消えてしまった。いずれも明らかに太陽の党への配慮の賜物とみられる。

 大阪市で橋下市長のアドバイザー役を務める元経産官僚の古賀茂明氏は、維新の会はみんなの党との政策合意では官僚機構や既得権益と戦う姿勢を鮮明に打ち出していたが、太陽の党との合流でそれをすべて捨ててしまったように見えると指摘する。

 「太陽の党との連合で、みんなの党との政策合意には入っていた『改革』の文字がすべて消えてしまった」と古賀氏は語る。

 しかし、橋下氏をよく知る古賀氏は、橋下氏は今はまず選挙に勝つことを優先しているが、いざ選挙が終われば、政策面で独自色を出すつもりでいるのではないかと、橋下氏への期待感を滲ませる。そして、その時にまた党内で大変な権力闘争が起きる可能性があるとの見方を示す。

 石原氏の人気と引き替えに、維新の会は変わってしまったのか。政策を捨ててまで選挙に勝つことに、どんな意味があるのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が古賀氏と議論した。

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