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【読書感想】社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?

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社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか? (講談社+α新書)
作者:池上 彰
発売日: 2020/11/20
メディア: 新書





Kinlde版もあります。

社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか? (講談社+α新書)
作者:池上彰
発売日: 2020/11/19
メディア: Kindle版

「場違いな発言や行動をしてしまう人がいるけれど、いったいどうして?」「仕事がうまくいく人といかない人の違いは何?」「すぐ人と打ち解けられる人はどこが違うの?」などなど……その答えは「読解力」。池上先生が、人生でいちばん身につけたい生きる力=「読解力」のつけ方を伝授。

間違っているのか正しいのかわからない情報が日々、押し寄せてきます。だからこそ、自分で正しい答えを出す力が必要。社会に出たらこの力こそ最大の武器です。

世界79ヵ国・地域の15歳の若者を対象に行われるPISA(ピザ・学習到達度調査)。「21世紀に必要となる資質・能力」として読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーがテストされます。読解力はそれほど重要な力なのです。

池上流ファクトフルネス! 「何がいちばん大事か」見抜く力がつくと、自分もみんなも幸せになります。

 テストの問題文が読めない(意味を読み取れない)子どもたちが増えている、という話は、近年、けっこうよく耳にしていたのです。

fujipon.hatenadiary.com

 いまの子どもたちが、本を読んでいないかというと、学校に「読書の時間」ができたこともあって、以前より本を読んでいる時間そのものは小中学生では長くなっているそうなのですが。
 
 そもそも、「読解力」とは何か、というのは、なかなか難しい問いではないか、と思うのです。

 さてこの「読解力」、訓読みをすれば「読み解く力」ですが、これはそもそもどんな力を指すのでしょうか。

「小説を読んで登場人物の気持ちを想像する」「評論を読んで著者の主張を考える」といった、国語の授業で問われていたことを思い浮かべる方が多いかもしれません。

 それももちろん「読解力」で、学びの場で重視される力です。しかし私は読解力というものを、もっと広義にとらえたほうがいいのではないかと考えています。

 読解力は、国語の授業中だけではなく、生きていく上で常に必要となる力です。日常生活においても、住宅や携帯電話の契約書、税金や保険の手続き書類、友人とのメールやSNSでのやりとりなと、正しく理解すべき文章は身の回りにあふれています。

 仕事でも、上司や同僚、取引先からのメール、企画書、仕様書、発注書、契約書など、さまざまな文章を読む機会があるでしょう。それらを読んで理解する力がないと、思わぬ誤解を招いたり、コミュニケーションがとれなかったり、仕事自体が立ち行かなくなったりしています。

 文章だけでなく、会話にも読解力は必要です。「回りくどい言い方をしているけれど、この人の本音は違うな」「説明が下手だけれど、要するにこういうことを言いたいんだな」などと、相手の意図をこちらで察するということです。

 たとえば「大丈夫」という言葉は、状況次第でさまざまな意味にとれるため、読解力がいる言葉だと言えるでしょう。転んだ子どもに「大丈夫?」と聞いて、相手が笑顔で元気よく「大丈夫!」と答えたら、「そんなに痛くなかったよ」だとか「問題ないよ」とかいった意味になるでしょう。しかし元気がなく口数が少なくなった同僚に「大丈夫?」と聞くという状況では、相手がいくら「大丈夫です!」と言ったとしても、それは心配させまいという気遣いだったり、強がりだったりで、本当は大丈夫ではない、と読み解くほうが自然でしょう。

 この本のなかで、池上さんは「読解力」=「文章の意味を正しく解釈できる」だけではなく、「他者の気持ちを察する、世の中の隠れたニーズを見つける力」として話をされているようです。

 実際のところ、学生時代に国語の成績が良かったからといって、「人の気持ちがわかる」とは言い難いし、「人格者になれる」わけでもないんですよね。

 スティーブ・ジョブズは世の中の人々が何を求めているか、という潜在的なニーズを見つける力があったけれど、プライベートでは実の娘との関係がうまくいかなかったり、アップルの社員にパワハラ的な仕打ちをしたりもしています。

 正直、この本を読んでいて、「なんでも『読解力』にしているんじゃない?」と思うところもあったんですよ。

 回転寿司の「無添くら寿司」創業社長の田中邦彦さんは、1984年に回転寿司業界へ参入しました。開業当初からネタにこだわった寿司を1皿100円で提供していましたが、店に来るのはサラリーマンばかりでした。

 そこで、田中さんの奥さんが「どれだけ食べたか、隣の人や板前さんに全部わかるなんて、女性には抵抗がある」とつぶやいたことをヒントに、女性客の需要を読み解き、回転寿司に初めてファミリーレストラン型のボックス席を取り入れました。また、寿司皿を回収ボックスに入れてもらうことで5皿ごとにゲームを楽しめる「ビッくらポン!」システムを開発するなど、先進的な取り組みで急成長を遂げました。

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