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- 2021年01月09日 10:07
【アルバートソンズ】、ピックアップロボット実験!ネットスーパー需要に間に合わない?
アルバートソンズがネットスーパーで行っているカーブサイド・ピックアップの「ドライブアップ&ゴー(Drive Up & Go)」や宅配サービスに役立てる。
生鮮品などをコンタクトレスで受け取ることができ、冷蔵・冷凍食品にも対応することで待ち時間なくストレスフリーでピックアップを提供する。
アルバートソンズ傘下でシカゴにあるジュエル・オスコに設置されたピックアップロボットはエストニアのロボット開発企業クレヴァロン(Cleveron)が開発した「クレヴァロン501(Cleveron 501)」。
ウォルマートのピックアップタワー(正式名は「クレヴァロン401」)も開発しているクレヴァロンのピックアップロボットはコンテナにATMが付いた自販機のような形となっている。
クレヴァロン501の特徴は生鮮品など注文品が入ったクレートを冷凍と冷蔵で保管できることだ。
このピックアップロボットはネット注文時にオプションにある「ピックアップ・キオスク(PickUp Kiosk)」で利用可能となる。
ピックアップでは屋外にあるピックアップロボットの操作パネルでスマートフォン・アプリに表示させたピックアップ用QRコードをスキャンさせる。
スキャン後、操作パネルの両脇にあるピックアップ窓口まで注文品が運ばれる仕組みとなっているのだ。ガラスのドアが自動で開くことで利用者がクレートから袋にはいった注文品をピックアップすることになる。
クレヴァロン501では注文品を最大120のクレートで保管でき、スキャンからピックアップまで50秒程度で終わらせるという。
ピックアップ窓口が2つあるのは生鮮品などの冷蔵品の他、アイスクリームなどの冷凍食品を同時にピックアップするためだ。
なお店のスタッフが注文品をピックアップロボットに入れる時も注文品が入ったクレートにあるラベルのバーコードを操作パネルの下にあるスキャナーに読み込ませ、注文品を入れていく。その際に冷蔵もしくは冷凍で保管されることになるのだ。
アルバートソンズでは近いうちにサンフランシスコにあるセーフウェイでも同ピックアップロボットのテストを開始する。
食品スーパー約2,250店を32州に展開するアルバートソンズは昨年10月も、冷蔵・冷凍機能のついたピックアップロッカーのテスト展開を発表している。
ハードウェアメーカーのベル&ハウエルが製造した非接触型ピックアップ・ロッカーは温度管理されたボックス型モデュール方式が特徴だ。
ロッカーをボックスのように縮小・拡大でき屋内外に設置できるようになっている。同ロッカーもセーフウェイやジュエル・オスコの一部店舗でテスト導入されている。
アルバートソンズではドライブ・アップ&ゴーや宅配サービスを1,400店近くまで拡大。アルバートソンズの第1四半期決算(4月~6月)ではネットスーパー売上が前年同期比で276%の大幅増となり、第2四半期(7月~9月期)も同243%の増加となっている。
コンテナ型で自販機のようなピックアップロボットは取り付けが簡単で拡大もしやすい。新たなピックアップオプションとしてアルバートソンズの強みになりそうだ。
トップ画像:アルバートソンズが先月からテストを開始したコンテナ型ピックアップロボット。ウォルマートのピックアップタワー(正式名は「クレヴァロン401」)も開発しているクレヴァロン社のピックアップロボットはコンテナにATMが付いた自販機のようだ。
2019年1月1日 - 【ウォルマート】、最新・最先端IT店舗は生鮮品等のピックアップをオートメーション!
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。利用者にとってカーブサイド・ピックアップの課題は受け取るまでの待ち時間です。食品スーパーでカーブサイド・ピックアップを利用するとき、生鮮品から冷蔵品、さらにアイスクリームなどの冷凍食品までネット注文していると冷蔵・冷凍等の一時保管先が複数になります。
スタッフが冷蔵庫や冷凍庫から注文品を取り出して、運び出すまでにどうしても時間がかかってしまうのです。エントリー記事にあるアルバートソンズのピックアップロボットなら待ち時間なくコンタクトレスで受け取れるのです。注文品も冷蔵と冷凍に分けて保管され、取り出し口も2つあることでスピーディにピックアップできます。
ウォルマートは数年前からダラス郊外にあるスーパーセンターでピックアップをオートメーション化しています。店の脇の施設で、一度に5人の利用者が受け取れますが、巨大施設の設置にコストや時間がかかってしまいます。コンテナ型のピックアップロボットなら設置も簡単でコスト安。複数台おけますね。
ただコロナ禍のネットスーパー需要は旺盛すぎて、120のクレート保管では間に合わないかもしれません。なぜなら入り口と受け取り口が同じだからです。スタッフが入れている時、利用者がやってきてピックアップなんてことになりそうですから。