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泥鰌でも金魚でも鯰でもいいが、筋だけは間違えないこと

改めて2年前のことを振り返っている。あの政権交代とは、何だったろうか。

この2年間に私たちは大きなものを失った。

今年の3月11日の東日本大震災では尊い多くの命を失い、さらには東京電力をはじめ現在稼働中の原子力発電の安全性やわが国のエネルギー政策の無謬性に対する信頼を失った。

3月11日以前においては、民主党が掲げてきたマニフェストに対する信頼や政権交代の大義に対する信頼を失った。

政権交代後に首相の座に就いた鳩山元総理も菅前総理も、結果的に日本の迷走の度を深めただけに終わっている。

私は、菅内閣の治世を不毛の時代と呼んだが、その前の鳩山内閣を含めて政権交代後の民主党内閣は一貫して不毛の時代、と呼ぶのが適当だと思い始めている。

最悪の菅内閣から野田内閣に代わってちょっと国民は目晦ましにあったようだ。それまでの10パーセント台の内閣支持率が今は50パーセントを超えるに到っている。

トップが替わるだけで、何も成果を挙げないでもこれだけ国民の評価が変わるということである。さぞかし民主党の現職の衆議院議員は、今のうちに衆議院選挙をやってもらいたいだろう。

菅内閣時代は民主党がボロ負けすることが必至だから、何のかんの言いながら衆議院の解散だけはさせないように動いてきた。

今は、そこそこに民主党の国会議員が戦えるような状況になっている。今のまま選挙に雪崩れ込めば、民主党の大負けはない。少なくとも私の周りの様子を見ているとそんな雰囲気である。

いつまでこの状態が続くか、ということを選挙に関わる人は皆考えているはずだ。

私の経験では、約半年間はこのままで推移する。来年の4月ごろまでは、現在の状況に大きな変化はない。来年度予算が通るまでは、マスコミも政権批判を手控えするはずだ。頭を低くさえしていれば、当分は凌げる。

これが私の見立てである。

野田総理は、ある意味で強運に恵まれている。2年前の時点で野田氏が内閣総理大臣になることを予測した人はいなかったはずだ。勿論私もしていない。そもそも、私の先読みの対象にも入っていなかった。

政権交代後に野田氏がどんなポストに就いていたか、覚えている人はどのくらいおられるだろうか。菅内閣の財務副大臣である。副大臣が大臣になり、総理になったのである。

一度もこの間選挙の洗礼、国民の審判を受けることなく、副大臣から一国の総理に上り詰めることが出来たというのだから、日本の政治の仕組みは随分変なものだ。

御伽噺の世界である。

如何に現在の日本の政治のシステムがちゃちな細工で出来ているか、この一事で分かりそうなものだ。政権担当能力がないと言われてきた民主党の国会議員が大した修練の場も経ないで政権を担当しているのだから、如何に野田内閣の底が浅いか分かろうというものだ。

金魚ではなく泥鰌だと、野田氏を自分を泥鰌になぞらえた。私は、野田氏の風貌から、泥鰌よりも鯰の方が相応しいと評してみたが、金魚だろうと泥鰌だろうと、はたまた鯰だろうと、弁えておいてもらわなければならないことがある。

それは、野田氏を総理に押し上げることを国民はまだ一度も認めていない、ということだ。

野田氏は出来るだけ早く国民の審判を受けるべきである。第三次補正予算が成立し、来年度予算案の編成が済んだら、なるべく早く衆議院を解散して国民の信を問うべきである。

これが、筋である。筋だけは外さないことだ。

多分自民党にとっては厳しい選挙結果になると思うが、国政に国民の声を反映させるためには、それしか方法はない。

国会議員の定数削減問題や一票の格差是正問題が国政の焦眉の急になり始めているが、与野党間で合意が出来ないから、という理由でズルズルと衆議院の解散時期を先送りし、任期満了まで居座るのはよくない。

如何か。今だったら、野田民主党は大勝はしないが、とにかく勝つことは出来る。

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