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英政府、ロックダウンの影響受ける事業者に最大約126万円の助成金

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パンデミック対策のロックダウンが英イングランドで始まったのを受け、イギリスのリシ・スーナク財務相は5日、小売やホスピタリティ、レジャー関連事業者について、今春まで経営を維持できるよう新たな助成金を交付する方針を明らかにした。

英財務省は、事業者1社あたりに対する助成金は最大9000ポンド(約125万9000円)規模になるとしている。

スーナク財務相はBBCに対し、「雇用を守り、企業を支援することを重視している」と述べた。

複数の経済団体は新たな助成金は好スタートにつながると歓迎しつつ、多くの企業を倒産から救うにはまだ不十分だと警告した。

英政府は事業税免除や一時帰休計画を4月末まで延長しており、こうした支援策に今回の助成金が追加された。

スーナク氏はまた、助成金の対象から外れる企業を支援できるよう、地方自治体などに5億9400万ポンド(約830億8700万円)を交付すると約束した。スコットランド政府は3億7500万ポンド(約525億円)、ウェールズ政府は2億2700万ポンド(約312億円)、北アイルランド政府は1億2700万ポンド(約178億円)を受け取ることになる。

企業側に助成金の返済義務はない。

スーナク氏は3月3日に発表する新年度予算案の中で、支援パッケージをどのように拡大するか検討すると述べた。

「新年度予算は、これまで導入してきた広範な支援を検証し、次の段階の経済対策を策定するための、絶好の機会だ」

英産業連盟(CBI)のトニー・ダンカー事務局長は先に、新年度予算案を待って追加支援を保留するのは、多くの企業にとって遅すぎる対応になると警告。「包括的な制限には、包括的な対応が必要」だと述べた。

こうした不安には、ほかの企業団体や英商工会議所(BCC)、英小企業連盟(FSB)も同調していた。

BCCのアダム・マーシャル会長は多くの中小企業は支援策の対象にならず、「追加の新たな助成金が自分たちを資金難から助けてくれるのか、苦労し続けるだろう」と述べた。

マーシャル氏はまた、同様に 「(新型ウイルス対策の)制限による破壊的な影響を感じている」他分野の企業に対して支援を拡大するよう求めた。

FSBのマイク・チェリー会長も、助成金は多くの企業の命をつなぎとめることになるとしつつ、「中小企業が直面している危機の規模をまかなうには至っていない」と述べた。

英国ビール・パブ協会(BBPA)は、助成金は企業にとっての「命綱」だが、ビール醸造所などパブと結びつきのある企業も支援を必要としていると指摘した。

<関連記事>

「引き続き慎重に」

スーナク財務相は新たな支援策は「企業が今後数カ月を切り抜けられるよう、支援するためのもの。事業再開が可能になった際に、労働者の復帰に大事な雇用を維持するもの」だと述べた。

新型ウイルス対策のロックダウンで市民が自宅待機を求められていることから、カフェやレストラン、レジャー施設や必需品を扱っていない店舗などは特に大打撃を受けている。

必要不可欠ではない店舗やレジャー施設、娯楽施設は全て閉鎖されている。パブやレストランは食べ物とノンアルコール飲料に限り、持ち帰りでの提供が認められている。

新たな支援策には自営業者への追加支援は含まれていない。

財務省の業務を精査する財務委員会のメル・ストライド委員長は、「これまでの支援策の対象からもれた事業者を忘れてはならない」と、スーナク財務相に警告した。

イングランドのロックダウン措置は2月15日に見直される。一方スコットランドでは、1月末に措置が見直される予定だ。

イギリスでは昨年10月までの3カ月間で失業率が4.9%に上昇し、失業者は計170万人に上った。

また同期間の余剰解雇は過去最高を記録した。

英政府の独立予測機関、予算責任局(OBR)は、2020年の同国経済は11.3%縮小したと予測している。これは過去300年間で最大の減少幅。失業率は9.7%に達するとしている。

「宙ぶらりん」

蒸留所マンチェスター・ジンのオーナー、セブ・ヒーリー氏はBBCに対し、営業再開の目標となる日付が設定されていることが、自分のビジネスには不可欠だと述べた。

「再開予定の日にちに向かって準備しなくてはならないが、今はそれがない。また宙ぶらりんの状態になっている」とヒーリー氏は述べた。スタッフの再教育など営業再開の準備には「3~4週間かかる」という。

ヒーリー氏の蒸留所はマンチェスター地域における制限措置の影響で昨年10月から閉鎖された。新型コロナウイルスで事業が中断された企業に対する融資計画(CBILS)に基づいて資金調達した。

「6月から返済を始めることになるが、それまでに事業を再開できない可能性は高い。なので、(返済猶予期間を)延期してくれないと困る」

政府から支払われた9000ポンドの助成金の大半は、ひと月あたり6000ポンドの年金拠出金や国民保険の未払い分でなくなってしまうという。

(英語記事 Business offered new grants to survive lockdown

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