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(本)津田大介「ウェブで政治を動かす!」

Kindleで津田さんの本が安かったので購入。読書メモをご共有です。

「ウェブと政治」を網羅的に扱う一冊

・任官直後の若い官僚と話をすると、エリートで非常に能力が高く、「自分たちで日本を変えてやるんだ」という熱意を持っている人が多い。実のところ、彼らの実務能力と問題を理解する速度は、常人とは比較にならないほど高い。しかし、キャリアを積み30代に近づくと、彼らも役所という組織の壁にぶち当たる。その過程で「去勢」されてしまう人も少なくない。

・これまで、制作に関する議論がオープンにされてこなかった理由について、岸本議員は「結論ありきで、官僚がそこに政策を落とし込むためのプロセスに過ぎなかったため、できればオープンにしたくなかったのだろう」と分析する。インターネット上で否応なく、議事録や各種のデータが公開されるようになれば、その状況も変わっていくはずだ。

・昨今のソーシャルメディアは、そうしたインフラやメディアという役割を超えて、われわれに新たな側面を見せ始めている。政治に直接働きかける「デモ」の端緒としての役割だ。

・2011年7月、筆者はデモが盛んなドイツ・ベルリンを訪れた。大罪最終日、たまたまマンション建設に反対するデモに遭遇したが、第一印象は「なんて楽しそうなんだ」というものだった。先導車のスピーカーからは、大音量のテクノミュージックが流れ、若者たちが踊りながら、それについていく。

・官邸前デモの何が新しかったのか。それは「毎週金曜日18時〜20時」という決められた時間に抗議行動をし、終了後はすぐに解散するという方法論を採っていたことだ。「談ツ原発」というワンイシューのわかりやすさの上、首相官邸前という一等地で、週末の仕事帰り、飲みにいく前のちょこっとデモに寄って政府に対して異議申し立てをすることができる。こうした敷居の低さにソーシャルメディアやクチコミの動員力が組み合わさったことで、日本でもドイツやフランス型の「楽しい」デモが生まれたのだ。

・(國分准教授)「デモとは何か。それはもはや暴力に訴えかけなければ統制できないほどの群衆が町中に出現することである。その出現そのものが「いつまでも従っていると思うなよ」というメッセージである。だから、デモに参加する人が高い意識をもっている必要などない。(中略)デモの本質はむしろ、その存在がメッセージになるという事実、いわば、そのメタ・メッセージにこそある。このメタ・メッセージを突きつけることこそが重要なのだ」

・政治的主張を伴うハッシュタグ付きツイートを多くの人間が行うことは「デモ」と同じ高価が見込めるということも、この一見で明らかになった。「サイバーデモ」の一つの方法論が確立したのだ。

・モーリーは「ニュースの信憑性を犠牲にすることで、情報の量や伝達速度を高めることができる。完全な無謬を求めるなら、ツイッターを見ずに新聞等の報道を待つしかない」と語る。

・どうやら日本人は「信頼する情報のみを流すべきだ」という、旧来のマスメディアに求められていた価値観をインターネットにもそのまま持ち込んでいるようだ。

・まずはわれわれ一人ひとりが関心を持つことができる分野から、政策に対する議論を知り、意見を表明していく——その下地をつくり、”バッジなき政治家”を生み出すことに大きく寄与するのが、ソーシャルメディアを通じた行政のオープン化ではないか。

・これまで国民一人ひとりが政治に直接コミットメントする方法というと、選挙で投票することくらいしかなかった。われわれは、選挙というほとんど唯一の限定された意思表示機械を通じてしか政治家や政策に対する憤りを示すことができなかった。しかし現在では、事業仕分けの議論がすべてネットを通じて公開される。そしてそれを見てさまざまな意見を持つ国民がソーシャルメディアを通じて意見を発表し、議論が巻き起こっていく——その過程そのものが国民と政治との新しい「接点」となった。

・試行錯誤にかかるコストを限りなくゼロに近づけることができる——筆者はこのことをソーシャルメディアが起こした「動員の革命」と並ぶ「トライ・アンド・エラー革命」であると定義している。

・しかし、東日本大震災を契機に、日本のオープンガバメントも少しずつ進歩を遂げつつあるようだ。筆者が最近感心したのは、文部科学省のウェブサイト内にある放射線のリアルタイムモニタリング測定結果のページだ。


デモ、ネット世論、ネット選挙、政治家のソーシャルメディア活用、次世代の民主主義などなど、幅広く「ウェブと政治」について扱った、類書がない良著です。津田さんが作ろうとしている政治メディアが楽しみになる一冊です。

まだまだ「ネットと政治」は距離が遠い印象がありますが、米国の事例を見るかぎり、この距離は早晩縮まり、もはや「ネットと政治」は不可分のものになっていくでしょう。あと何年掛かるかは、僕ら世代がどこまで政治的なコミットを図るかで変わっていくはずです。この分野は疎いので、僕自身も勉強してプレーヤーとして行動していきたいところ。

Kindle版は500円と安価なのでこちらをぜひ。

リンク先を見る ウェブで政治を動かす![Kindle版]

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