生活が大きく変わる中で、気付かぬうちにどうにもならない大きなストレスを抱えている人は少なくありません。もう、どうでもいいや! とやけくそになってしまったら、そこからどう立ち直ればいいのでしょうか。精神科医のTomy先生がストレス発散のコツを教えてくれます——。
※本稿は、精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kohei_hara
やけくそになっているときの自分の落ち着かせ方
さて、今回のテーマはやけくそになっているとき。なんだかうまくいかないことが重なって、自分が嫌になって、もうどうでもいいや! と思うことはないかしら? こんなときどうしたらいいかを考えてみたいと思いますわ。
というわけで今回のお悩みはコチラ。
Tomy先生はじめまして。私は看護師をしている33歳の女性です。最近病棟が変わって、環境が一変。仲のよかった同期や先輩もいなくなり、仕事の勝手が違うのでなかなか段取りを覚えられません。
そこそこの年齢なのに、ずっと若い子たちよりも仕事ができずに本当に嫌になります。今日も大きなミスをして、こっぴどく怒られてしまいました。なんだかもう毎日が嫌になってしまいます。
休みにこれといってやることもなく、楽しい予定も特にありません。なんだかもう、どうでもいいや! という気分です。こういうときってどうしたらいいんでしょう。
自分のご機嫌をとる方法を用意しておく
何もかもうまくいかず、いろいろ重なってやけくそになる、なんてことは誰にでも起きるものよ。こういうとき、一番大切なことは、自分で自分のご機嫌をとる方法を用意しておくことなのよ。簡単に言えばストレス発散なんだけどさ、時と場合によって適切なストレス発散方法が違うことってよくあるのよね。
まず、物理的に同じストレス発散ができない場合。「もう、嫌。ストレス発散したい」っていうのが休日の朝かもしれないけど、夜中かもしれないわけよ。自分のご機嫌をとる方法が洋服を買うことだとしたら、夜中に買いに行くことはできないわけじゃない?
あと精神的に同じストレス発散方法が有効じゃないとき。
たとえばさ、あるときは歌を歌うとスッキリするけど、あるときはジョギングしたほうがスッキリするかもしれない。人間って思うよりも気まぐれな生き物だから、いつも同じ方法でうまくいくとは限らないわ。いわゆる「気分じゃないの」っていう可能性も考えておいたほうがいい。
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そうするといろんなシチュエーションで自分のご機嫌がとれるようになっておいたほうがいいというわけなのね。で、自分のご機嫌をとる方法だけど、これはやけくそじゃないとき、つまり冷静なときから探っておいたほうがいいの。それは、自分をわかっておくということ。
自分を理解するための基本事項2つ
世の中には自分をわかるのが得意な人もいるんだけど、苦手な人もいるのよね。そういう人がもうやけくそになってどうにもならないときに「さあ自分のご機嫌をとろう」と思ってもどうしたらいいのかわからない可能性だって充分あるのよ。
では自分のことをわかるためのレッスンやってみましょう。ここで大切な基本事項は、
・頭でっかちにならずに、思いつくものはちょっとずつやってみる
・自分の気持ちが軽くなったのか重くなったのか観察する
の二つだけ。