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新生日本、再起動。― ピンチをチャンスに転換しよう!

 令和3年は、コロナ禍の厳しい幕開けとなりました。

 皆さまのご健勝を心よりお祈り申し上げます。

 依然としてコロナ禍が全世界で猛威を振るっています。

 振り返れば、人類史は感染症との闘いの歴史といえます。

 古くは天然痘やペスト、100年前はスペイン風邪、最近でもSARSやMARS、エボラ出血熱など。人類はそのつど恐るべきパンデミックを克服してきました。新型コロナも決して例外ではないでしょう。

 問題は、国民生活がそれまで持ちこたえられるかどうかです。

 コロナ禍は、業種や地域を超えて日本経済に深刻な打撃を与えています。GDPの6割を占める個人消費が活力を取り戻さない限り景気の本格的な回復は見込めません。しかし、生活困窮者の激増は深刻です。解雇の半数は非正規労働者です。非正規は、所得が低いだけでなく保障がありません。

コロナ禍は、現状のセーフティネットが機能していないことを白日の下にさらしました。

 私は、この危機を脱するため、「定額給付金」のような一時的ではなく、恒久的に政府が国民一人一人に最低限の所得を保障することを真剣に検討すべきだと考えます。

 ベーシック・インカム(BI)の導入です。

 原田泰早稲田大学教授や鈴木亘学習院大学教授らの試算によれば、たとえば月額7万円(未成年5万円)を全国民一律に給付するとして約100兆円かかる計算ですが、同時に全国民から一律3割の所得税を徴収すれば、BIによって不要になる生活保護や基礎年金、各種所得控除などの廃止と相まって、十分な財源が確保できます。

 一つの目安として、年収600万円以下の方々は、納税額を差し引いたとしてもBIの恩恵が受けられるのです。

 何よりも、BIの導入によって社会保障制度改革が断行できるというメリットがあります。年金財政の危機は周知のとおりですが、たとえば、日本の生活保護制度は、支給額は欧米に比べ2-3割も高い上に限られた人しか対象とされません。

 失業給付制度も、職を失うことの少ない正社員には手厚いにもかかわらず、職を失うことの多い非正規はその制度に入っていません。最低賃金で月160時間働いても生活保護水準に満たない現行制度は、明らかにいびつです。

 橘木俊詔同志社大学教授によれば、生活保護水準未満の所得で暮らしている人のうち、実際に生活保護を受けている人はわずか1.6%(約207万人)だといいます。現行のいびつな社会保障制度は、直ちに構造改革が必要です。

 日本経済を立て直すためには、BIが「守り」の戦略だとすれば、ピンチをチャンスに変える「攻め」の方策としての経済成長戦略が不可欠です。方向性は、既に菅政権で明確に示されています。

 それは、DXとGXです。すなわち、デジタル(Digital)とグリーン(Green)のトランスフォーメーション(X=仕組みや利便性の革命的な変化)です。二つを合わせて「第4次産業革命」と呼ぶこともできます。

 AIやビッグデータ、IoTを駆使して社会の隅々までデジタル化すると同時に、あらゆるモノを極限まで電化することにより脱炭素社会を構築するのです。この革命は、先に実現した者がすべてを制するのです。

 たとえば、電気自動車(EV)。日本はガソリン車で世界を制しました。しかし、いつまでもその成功体験に拘泥していれば、デジタル技術の活用に乗り遅れ、世界市場から取り残され、高額の外国製品を購入したり特許料の支払いを強いられることになるでしょう。

 国民負担のみならず国内産業の空洞化で雇用が失われてしまいます。

 すでに、世界は2050年ゼロ・カーボン(脱炭素)に向かって全速力で走り出しています。すでにDXやGXが企業価値を決し始めています。日本には、世界と戦える十分な技術力があります。CO2排出削減の特許出願数で、日本は世界一。

 しかも、2位の米国の1.7倍にも上るのです。官民が本気になって取り組めば、30年後の世界で再び「ジャパン・アズ・ナンバーワン」となることも決して夢物語ではありません。

 成功の秘訣は、「人の力」です。

 技術革新も社会改革も人の力で成し遂げられるものです。人の力こそ国力そのものです。まさしく「人は石垣、人は城」(武田信玄)なのです。ですから、人をより良く育てた国や社会が世界をリードできるのです。

 そこで、私はこの10年、子ども子育て政策に全力で取り組んできました。

 一人の子どもも、一つの子育て家庭も、決して置き去りにしない。

 なぜなら、どんな家庭状況に生まれてきた子どもにも等しく無限の可能性があるからです。

 そして、コロナ禍が浮き彫りにしたのは、脆弱な我が国の子育て環境です。とくに、相対的貧困率で世界最悪の54.7%とされる「ひとり親家庭」の逼迫は想像を絶するものがあります。

 苦しくても頼れる身内が近くにおらず、行政が提供する支援の書類に目を通す時間も気力もない「孤立」を深める子育て家庭が、コロナ禍で激増しています。そこに虐待の要因が潜んでいるのです。家庭内の混沌の中で、命を落としたり、進学を諦めたり、多くの可能性の芽が摘まれてしまっています。

 そこで、私は、昨年から仲間の議員とともに、「こども宅食」推進議連を立ち上げ、アウトリーチ型の子育て支援の普及に取り組んできました。

 妊娠から産前産後、せめてお子さんが小学校へ上がるまで、孤独になりがちなひとり親家庭を中心に子育て家庭への手厚い見守り事業を全国に展開して、一人の子どもも置き去りにしない「未来に誇れる日本」を実現していきたいと決意を新たにしております。

 さあ、感染症を撥ね返す、逞しい「新生日本」をつくる年の始まりです!

 すべては、将来世代のために。

 本年も、どうぞよろしくお願いします。

 令和3年辛丑元旦

 衆議院議員 長島昭久

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