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【読書感想】フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

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あけましておめでとうございます。
本年もよろしくおねがいいたします。

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
作者:田中宏隆,岡田亜希子,瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
メディア: 単行本(ソフトカバー)



Kindle版もあります。

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義
作者:田中宏隆,岡田亜希子,瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
メディア: Kindle版

内容紹介
2025年までに世界700兆円に達すると言われる超巨大市場「フードテック」--。
あなたの食体験はどう変わり、どんなビジネスチャンスが生まれているのか?

本物の肉のような「植物性代替肉」「培養肉」、
食領域のGAFAとも言われる「キッチンOS」、
店舗を持たないレストラン「ゴーストキッチン」、
Amazon Goに代表される「次世代コンビニ」・・・・・・。

With&アフターコロナ時代の「食」在り方を探索し、
世界最先端のフードビジネスを徹底解説する日本初のビジネス書が、ついに刊行!

食品メーカーから外食、小売り、家電、IT、不動産まで、
あらゆる業界を巻き込み、「食×テクノロジー」を起点とした新ビジネスが勃興する。
この世界で、日本のプレーヤーが、再び輝きを取り戻すための秘策とは--。
グローバルの変化を深く理解しながら、日本の現状とよりよい食の近未来を考える、
「次のアクション」につながるビジネスのヒントが満載!

 とりあえず、安くて美味しいものをお腹いっぱい食べることができれば幸せ!まあ、身体のためには、野菜とかもなるべく採るようにしなくちゃな……
「食」に対する僕の意識なんて、そんなものなのです。

fujipon.hatenadiary.com

 『FACTFULLNESS』という本を読むと、世界から「餓死の危機に陥っている人々」は時代とともにどんどん減ってきているようなのですが、この『フードテック革命』を読んでいると、いまの時代の「食」の最先端は、こんなに「意識が高く」なっているのか……と驚かされます。

 日本ではあまり実感が湧かないかもしれないが、世界でフードテックがどれほど盛り上がっているのか、まず確認しよう。米PitchBook(ピッチブック)の調査によれば、2014年からフードテック領域でのベンチャーキャピタルによる投資が一気に増えていることが分かる。19年の総投資額は150億ドル(約1兆6050億円)に達し、14年のおよそ5倍に迫る勢いだ。

 投資が活発な領域としては、植物性代替肉にような新食材から食料品デリバリーサービスやロボットレストラン、食のパーソナライゼーションにいたるまで様々。米アマゾン・ドット・コムによるホールフーズ・マーケットの買収は大型案件として話題にはなったが、それ以外にも、代替プロテインとして植物性代替肉や培養肉といった新食材領域も活発だ。

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も培養肉スタートアップなど、「未来のプロテイン」に対して積極投資をしている。一方、欧州家電メーカーのエレクトロラックスが、低温調理器スタートアップの米Anova(アノーバ)を買収したり、米グーグルがハンバーガーロボットのCreator(クリエーター)に出資したりと、大手企業によるスタートアップ投資も活発になっている。

 米国では、フードテック分野を扱うベンチャーキャピタルが200を超えると言われ、最も投資が盛んな植物由来の代替プロテイン分野を専門とするところもあるほどだ。

 フードテック領域への投資は、デバイスや食品、デジタル技術やサイエンスなど、あらゆる専門性とビジネスの特性が入り交じるために、非常に難しい。特許だけで何とかなる世界でもなければ、ネットビジネスのように簡単にスケールできるものでもない。

 19年の米SKSで投資家4人のパネルディスカッションが行われたが、その中でフードテック専門のベンチャーキャピタリスト、Brian Frank(ブライアン・フランク)氏が、「難しいからこそ投資をするし、やりがいもある」と述べていたのが印象的だった。

「食」に関する技術、フードテックは、いまや、世界のビジネスのなかで、もっとも注目されているジャンルであることが、この本を読んでいると、伝わってくるのです。

 どんなにテクノロジーが進化しても、いまのところ人間は、食べないと生きていけません。

 そして、「お腹がいっぱいになること」は、もはや「前提条件」でしかなくなっていて、「代替肉」や「その人の健康のためにカスタマイズされた料理」など、環境や健康のための「より機能的な食事」が追求され、大きなビジネスになってきているのです。

 いわゆる「マックジョブ(マニュアル通りに動くだけの低収入の仕事)」で、公的扶助を受けている人たちが、「ビーフ100%」のファストフードを食べている一方で、富裕層は、高いお金を出して、代替肉をオーダーし、ヘルシーな料理を選んでいるという世界の現実についても考えずにはいられなくなるのです。

 そして、日本という国は、これだけ「食」へのこだわりがある国であるのに(あるいは、こだわりがあるから)、「フードテック」というジャンルに関しては、いまのところかなり世界の最先端からは遅れていて、「伝統的な食習慣や食文化にとらわれている」とも言えそうです。

 実際、食の新しい価値を実現しようとするフードテックスタートアップが出てきている。ここでは、その例をいくつか挙げていく。

 米Hestan Smart Cooking(ヘスタン・スマート・クッキング)の「Hestan Cue(ヘスタンキュー)は、フライパンや鍋自体と、IHバーナー双方に温度センサーが搭載されており、常にフライパンや鍋が何度に熱せられているかを正確に把握できるIoT(モノのインターネット Internet of Things:I様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み)調理器具だ。セットで、約400ドル(約4万3100円)で販売されている。

 Bluetoothでタブレットのレシピアプリと連動しており、温度センサーの状況を検知しながら加熱時間が自動で調整される。アプリ内にはミシュラン星付きレストランのシェフがヘスタンキュー用に作成したレシピが収録されており、食材の下ごしらえからフライパンでの加熱のプロセス、盛り付け方法に至るまで、プロのシェフの調理プロセスが動画で見られるとともに、フライパンはそのレシピのアルゴリズムに沿って温度の上げ下げを自動制御する仕組みだ。

 ユーザーは料理が焦げ付いたり生焼けになったりする失敗から解放される。筆者も体験してみたが「焦げ付く恐れ」が完全に取り除かれたとき、急に心に余裕が生まれることを実感した。その一方で、自動調理とは違い、自ら食材を準備し、鍋に入れ、かき混ぜたりひっくり返したり──、大部分の調理作業は自分の手で行うので、料理をした充実感はある。

 料理の失敗に一番結び付きやすい火加減は自動調節なので、かなり高い確率で失敗しない。細かく鍋の温度が変わっていくのをアプリで見ていると、料理とはこれほど科学的で精緻なものなのかと改めて気づく。

 ヘスタン・スマート・クッキングのスタッフいわく、子供でも安全に調理できるので、ヘスタンキューを活用して親子で料理を学ぶケースが非常に多いそうだ。

 同社の科学ディレクターであるJohn Jenkins(ジョン・ジェンキンス)氏は、「1つのメニューを3回程度つくれば、4回目からは通常のフライパンでも上手に料理ができるようになる」と話す。便利なだけでなく、調理スキルの向上にもつながるのがこの製品のポイントであり、Food for Well-beingのあるべき姿をうまく体現している。

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