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展望2021:中国共産党100周年、経済の中身は大変化へ=AIS 肖氏


[東京 1日 ロイター] - 2021年は中国にとって極めて重要な年だ。共産党結成100周年、かつ第14次5カ年計画の開始年でもある。失敗は許されないが、新型コロナウイルスによる景気悪化からの反動で成長率は大きく回復する見通しだ。しかし、経済の中身は大きく変化するとAIS CAPITALの代表パートナー、肖敏捷氏は指摘する。

──中国経済の回復傾向は続くか。

「2020年の反動で、ほぼ自然体でも8─9%の高成長が期待できるとみられている。しかし経済の中身は、コロナ前とは大きく変化するだろう。これまでは経済の効率に重点を置いた成長スピード重視政策だったが、所得格差を生み出してしまった。今後は公平を重視した政策にシフトする方向だ。効率と公平のリバランスが来年のテーマになる」

──経済の公平はどのように実現するのか。

「アリババなどIT大手に対して政府の態度が冷たくなってきた。これまでは成長のけん引役として期待されてきたが、こうした効率重視のビジネスは必ずしも多くの雇用を生まず、逆に雇用を奪うことが分かってきたためだ。実際、アリババはネットで野菜も売っているが、このために野菜を販売していた露店の多くが倒産の危機に瀕している」

「衣食住といったサービス業は、高成長のけん引役とはなりにくいが、労働集約的で雇用を多く生みやすい。約15億人の人口を抱える中国にとって雇用の確保は、依然として最重要の政策目標だ。医療や教育なども短期的な成長には表れにくいが、手厚くして所得の再配分を図るとみられる」

──新型コロナを抑え込めているのはなぜか。

「躊躇(ちゅうちょ)ないロックダウン(都市封鎖)だ。外出がほとんど禁止される厳格なロックダウンによって感染拡大を食い止め、経済の急速な回復に成功した武漢市のモデルを他にも適用している。最近はわずかでも新規感染者が見つかれば、周辺の地域を含めてロックダウンするほどだ。厄介なコロナは、こうした剛腕的な施策によって、人と人の接触を断ち切るしかないと考えているようだ」

──中国の金融市場の見通しは。

「景気回復を背景にした株高が継続すると予想している。ただ、中国株を含め世界の株式市場はギャンブル色が強くなってきた。年後半ぐらいからは、織り込み過ぎたものが剥落する可能性も大きいとみている」

「その際、日本と米国のマーケットはほとんど一緒に動くため、ヘッジにならない。第3の選択肢として中国株を考える投資家が増えてきている。最近、欧米の金融機関が中国で次々にビジネスを拡大させているのは、そのためだろう」

──米国との関係はどうなるか。

「米中の大きな対立軸は変わらないが、けんかの仕方は変わりそうだ。トランプ大統領はトップダウンでいきなり行動を起こすため対応が難しかった。民主党政権になれば、人権や環境など、中国にとってやりにくいテーマでぶつかり合うとみられるが、外交のプロセスが可視化されれば、対応もしやすくなる」

「重要な役割を担うとみられているのが、米通商代表部(USTR)代表に就任すると目されているキャサリン・タイ氏だ。中国系米国人で、中国の事情にも詳しい。トランプ政権で大きく悪化した米中関係をどう立て直すか注目される」

──日本との関係は。

「中国サイドとしては政府も民間も、もっと日本と仲良くしたいと思っているはずだ。いまはコロナ対応で両国とも内政で手いっぱいだが、コロナで変わる世界のパズルの中で、日本には米中のクッション役が期待されている」

(伊賀大記 編集:内田慎一)

*小見出しの余分な文言を削除し、時制を明確にしました。 

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