- 2020年12月30日 19:08
全世界からの新規入国の停止の誤解
新型コロナの第三波によりGo to トラベルの停止、営業自粛要請や移動を控えるよう国民に呼びかける中、なぜ海外からの入国を止めないのかという声が多数寄せられています。
そうした中で、政府が「全世界の国・地域からの新規入国を停止する」というニュースが流れました。「遅い」というご批判の中、それでも「やっと止めたのか」と思っていたら、実は特定国からの入国はその対象に入っていないとのこと。
1.ビジネストラック・レジデンストラック
2.在留資格を有する外国人の本邦再入国
3.全世界の国・地域からの新規入国を可能にする措置
4.日本在住の日本人及び在留資格保持者のビジネス目的の短期出張からの帰国・再入国
となっていて、今回の措置は上記3.の仕組みを一時停止するというもので、「全世界からの新規入国」を停止するのではなく「全世界からの新規入国を可能にする措置」を一時停止するにすぎないということです。

役所の理屈ではそうだとしても、一般の人が聞けば、「それは全世界から停止とは言わないだろう」と思うのが普通ではないでしょうか。
以前より、危機管理においてはリスクコミュニケーションが重要であり、国民の不安や誤解を招かないよう、わかりやすく正確なメッセージを積極的に発信するよう求めてきました。12月28日に急遽開催された外交部会であらためて、感染症による不安が広がっている中、自分達だけしかわからないような説明ではなく、誰でもわかるように情報発信をするよう改善を求めました。
その上で、新型コロナの変種に関し実態が解明されていないという状況を踏まえ、危機管理上、ビジネス・レジデンストラックについても一旦停止した上で、実態解明の進展を踏まえて順次戻すという対応をとるよう求めました。