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サウジ、イエメン撤兵へ【2021年を占う!】中東

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フーシ派が収容所として使っていた大学へのサウジ主導連合軍による空爆で多数の死傷者が出た。(イエメン南西部ダマル 2019年) 出典:flickr; Felton Davis

文谷数重(軍事専門誌ライター)

まとめ】

・サウジはイエメン撤兵を検討する時期に入っている。

・戦況は不利、原油価格低下、国際情勢もサウジに有利ではない。

・国内情勢から皇太子指導体制の力量は低下。体制への不満も。

サウジアラビアはイエメンから撤兵するのではないか。

サウジがイエメンに介入してから6年が経過しようとしている。内戦で親イランのフーシ派が勢力を拡大する。それを回避するため15年3月にUAEと共同で軍事介入した。

だが、介入はうまく行っていない。サウジはフーシ派を駆逐できず封じ込めもできていない。それ以前に戦場での勝利も得られていない。

サウジはこの介入を今後も続けるのだろうか?

継続困難であり撤兵を検討する時期に入っている。その理由の一つめは戦況不利、二つめは国際情勢の悪化、三つめは国内事情悪化である。

■戦局好転の見込みはない

イエメン介入の継続は困難となりつつある。

その一つめの理由は戦況だ。サウジは決定的な勝利を得られていない。最近ではむしろ押されている。この戦局を改善する見込みはない

サウジはイエメンに強力な軍隊を送った。いずれのイエメン軍事勢力と比較しても装備優良な戦力である。

だが、成果は芳しくない。フーシ派の勝利は阻止できたがそれだけだ。支援する暫定政府の力も扶植できていない。

去年からは逆に戦況不利が目立っている。

陸戦では2019年9月28日の大規模投降だ。最新の米式装備で固めたサウジ・暫定政府軍がサンダル履きのフーシ派に敗北したのだ。しかも場所はサウジ領内であった。

同月14日には石油精製施設も破壊された。イエメンからの無人機攻撃で2つの製油施設が操業停止に追い込まれた。短期間だがサウジの石油供給能力は半分に減った。

▲画像 サウジアラビアの製油所への攻撃 出典:VOA(Public domain)

今年には紅海側でのタンカーへの攻撃が始まった。被害は3月頃から出始めている。最近では20年11月25日と12月14日に攻撃が行われた。

なによりも改善の見込みが立たない。

この6年間、サウジは汚い戦争も厭わなかった。

例えば海上封鎖である。飢餓やコレラが流行してもお構いなしに封鎖を続けた。

また都市爆撃も実施した。病院や学校への命中被害や非戦闘員の死傷が生じても継続してきた。

だが、それでも勝てていない。むしろ戦況は不利となっている。

つまりサウジにはもう手がない。できることはすでにやっている。それでいて勝てないのである。

▲写真 イエメン難民 出典:赤十字国際委員会(A.Zeyad/ICRC)

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