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米、肥満でコロナのリスク大

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ファストフード(イメージ) 出典:Pxhere

ファイゲンバーム 裕香(ジャーナリスト)

【まとめ】

・コロナ下でファストフード、ジャンクフード消費増。身体活動は減。

・肥満は高リスク—2021年3月までに米で小児肥満127万人増の予測も。

・健康的な食事と適切な運動への親や大人のサポートが不可欠。

米国国民健康栄養調査のデータによれば、2015年から2018年の間に、アメリカの子どもと、10代の若者の3分の1以上が日常的にファストフードを食べていたという。

メリーランド州ハイアッツビルにある国立健康統計センター(NCHS)の調査によると、2歳から19歳までの子どもと青年の11パーセント以上が、ファストフードから1日のカロリーの45パーセント以上を摂取していたと報告した。

米国疾病予防管理センター(CDC)の調査では、小さな子どもよりも、年齢の高いティーンエイジャーの方がファストフードをより食べていて、白人の子どもよりも、黒人やヒスパニック系の子どもたちの方がファストフード を食べる割合が高いことも分かった。

更に、アメリカでは新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウン中に、多くのファストフードやジャンクフード製品の売り上げが急増し、ホットドッグの売り上げは、今年3月に前年比120パーセント以上増加した。

Insiderの編集者Sophie Kleemanは、ホットドッグは手頃で簡単に用意できて、アレンジしやすく、美味しいため「隔離生活において、最適な食べ物だ」と述べた。ピザチェーン大手のドミノピザでは、2020年第2四半期の売り上げが16パーセント増え、2020年前半の純利益は2億4,000万ドルと、2019 年より30パーセント多いと報告した。

ブルームバーグによると、2020年5月中旬までに、ポップコーンとプレッツェルの売り上げは約50パーセント増加し、ポテトチップスの売り上げも、2019年の同時期と比べて、30パーセント増加した。オレオやその他のスナックメーカーも、パンデミックの初期に、クッキーやクラッカーの売り上げが30パーセント近く伸びたと話す。

アメリカ人が、単にファストフードが食べたいという欲求のせいだけではなく、パンデミックで多くの人が職を失い、栄養価の高い食事をつくる時間とお金も減ってしまったからだ。また、4月から7月にかけて約3.6パーセント上昇した食料品価格も、ファストフード消費量の増加に拍車をかけた。

長引く自粛生活で外出が制限され、在宅中は、だらだらと食べてしまい、家での間食がストレス解消や家族とのコミュニケーションにおいて、大きな役割を果たしていたと言われている。消費者は、通常より多くの塩味のスナックを食べていると、モンデリーズ・インターナショナルのCEO、Dirk Van de Putは述べた。

専門家は、学校の閉鎖により、アメリカでは肥満に該当する子どもたちの数が、さらに増える可能性があると警告している。アメリカでは、以前から子どもの肥満が多く、アメリカで生活する子どもの約3分の1近くが太り過ぎで、糖尿病予備軍で将来の生活習慣病につながると言われている。

ワシントン大学のRuopeng An教授によれば、学校閉鎖によりアメリカの子どもたちは体育の授業や休み時間や放課後のスポーツプログラムなどに参加する機会がなくなっていたり、自粛生活で屋外で体を動かす時間が減っており、小児肥満を誘発する恐れがあると、注意を呼びかけている。今年12月まで学校が閉鎖されたままの場合、「2021年3月までに、新しく約127万人の子どもが小児肥満となるでしょう」とRuopeng An教授は述べている。

2020年3月からアメリカのほとんどの公立学校では、学校閉鎖を実施したが、このような社会環境の変化が子どもの身体活動量を減少させた。大手コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーによれば、幼稚園から高校までの生徒の約60パーセントが2020-2021年度の新学期をオンライン授業のみで迎えたと推定している。

残りの20パーセントは、オンライン授業と対面式クラスがミックスされたハイブリッドモデルを選び、残りの20パーセントが対面式のみを選んだ。(※アメリカでは、各学区が独立しているため、学区によって学校再開の対応やモデルは、異なっている)。

都市部や大規模な学区は、オンライン授業にしているケースが多く、同じ学区の中でもオンラインを選んでいるのは、白人よりも黒人やヒスパニック系の子どもに多いことが分かった。複数の世論調査で、黒人やヒスパニック系の親は子どもたちに対面式の授業を望んでいないケースが多いことも判明した。

肥満や健康促進のためのプログラムを支援する非営利団体 PHIT Americaの創設者Jim Baugh氏は、「コロナ下で、小学校のほぼ半数が体育の授業を提供していない。子どもたちは、未だかつてない程、座っている時間が増えた」と述べた。イギリスのスポーツ医学誌で発表された研究によれば、パンデミック前の調査でも、アメリカは子どものフィトネスにおいて、世界50か国中、47位にランク付けされている。

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