- 2020年12月29日 18:31
私がNHKの暴露本を出さない理由。
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私は今年の7月にNHKを辞めた。
およそ2年半で辞めた。
思えば、毎日辞めたいなと思っていた気がする。
ずっとずっと相談に乗ってもらっていた人がいる。
元NHKのアナウンサーの堀潤さんだ。
堀さんは NHKを辞めたばかりのとき、私は大学2年生だった。
ニッポン放送で宇野常寛さんの番組の作家見習いをしていた。
宇野さんが親友として、堀さんを応援していた姿が印象的だった。
それから1年後、私は日本テレビのお笑いの大会で優勝した。
お嬢様芸人として、芸能界というテーマパークに入園した。
「お笑いを通して社会問題を発信したい」という私のインタビュー記事をよんでくださったスタッフさんからお声がかかり、私は堀さんが司会の番組に出演した。
外務省が初めてバラエティ番組を制作し、それをテレビで流すというもの。
私はリポーターとして、バングラデシュにいった。

現地で家事使用人として働く少女たちの取材をした。
衝撃的だった。
そこから私は開発教育や SDGsというものに興味を抱くようになる。
https://www.amazon.co.jp/dp/4774330949/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_63pnFb9EPT42S

それから紆余曲折あり、お嬢様芸人ではなく、社会問題をよりディープに取り上げられる芸人になりたいと思うようになる。
18歳選挙権が導入され、笑下村塾という会社を起業し若者と政治をつなぐ活動をはじめた。
全国の学校に出張授業にいくようになり、選挙特番のパーソナリティに起用されたりするようになった。
そこで政治家にのらりくらり質問をかわされたり、フリーの政治ジャーナリストの人のポジショントークにうんざりしたり、ジャーナリストとしてもっと腕をあげたいと考えるようになった。
自分が憧れる人の出自を調べると、大手メディアでジャーナリスト経験がある人がおおく、大手メディアで修行をつむのもありだと考え、ダメ元でNHKをうけた。
うかった。まじか。
自分の会社を閉じてまで NHKに入るつもりはなかったので人事と相談した。
その最中に、文春砲にあい、NHK内定がYahooのトップニュースいりして大変だった。
NHKに入るか悩んでいたときに、堀さんがご飯につれていってくださった。
「NHKに絶対に入るべきだ。NHKでしか学べないことがたくさんある」
NHKに恨みがあるとおもっていたので、堀さんのアドバイスは意外だった。
辞めた人がいうんだから間違いないだろうとおもい大きな後押しとなり、私はNHKに入った。
はいって早々、大組織ゆえのいろんなことの歯痒さがあり、やめようと思った。
内部で知り得たことは書けないので、ここでは詳細はのべない。
堀さんに相談した。
「せっかく北朝鮮にはいったんだから、取材し続けて」満面の笑みで、焼肉をご馳走してくださりながら、堀さんはそう話す。
「え?この人、北朝鮮だとわかっていて、私に入ることをすすめたの?ひどい!」
とはおもったが、気持ちを切り替えることにした。

またしばらくたって、つらくなったときに堀さんの本を読み返して、堀さんに質問した。
「堀さん、もっと NHKでひどいこと、つらいこと、恨みはたくさんありますよね?なんでそれを本にかかないんですか?」
「そういうことを書いても意味がない。だったら、別の新しいメディアをつくり、こういうことをやってくださいということを示したい」というようなことをおっしゃった。
めちゃくちゃかっこいい。
辞める時、いろいろ思うところがあった。
怒りや不満がないかといえば嘘になる。
視聴者や日本のためにNHKがはたすべき役割はもっとあるしへんな忖度や政治的なことにうんざりしたこともいっぱいある。
でも、私はそれを全部飲み込むことにした。
NHKをかえることが私の活動のゴールではないからだ。
それにNHKの中でたたかう人はたくさんいる。
そういう人たちを信じたい。
世の中を変えるため、NHKで一緒にたたかった仲間や尊敬する先輩方と一緒にまた番組をつくったりメディアをこえて連携したい。
そして、辞めた今も、わたしを応援したり、
叱咤激励してくださる先輩がたくさんいる。
そんな堀さんと先日1年を振り返るというライブ配信を実施した。
すごくすごく楽しかった。
https://youtu.be/MDEmJw6QdpA
こんな新しいメディアの形がありますとどんどん提示していけたらと思う。
堀さんを見て、やめるときに暴露本を出すのではなく、時事YouTuberになる決意がつき、クラウドファンディングを始めることができた。
実際に、619人の方からご支援いただき、605万円あつまった。
https://camp-fire.jp/projects/view/229341
新しい形の、既存のメディアでやっていない形の
ジャーナリズムを提言できたらと考えている。
実際、今年は28人の人と対談させてもらった。

たかまつななチャンネル
ニュースを身近に 時事YouTuberのたかまつななです。 お笑いジャーナリストとして 社会風刺ネタをしたり 現地に取
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- たかまつなな
- お笑いジャーナリスト・株式会社 笑下村塾 取締役
1993年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科、東京大学大学院情報学環教育部修了。フェリス女学院出身のお嬢様芸人としてデビューし、日本テレビ「ワラチャン!」優勝。また「朝まで生テレビ」「NHKスペシャル」などに出演し、若者へ政治意識の喚起を促す。
笑下村塾ホームページ
https://www.shoukasonjuku.com/