「説明すべき方がきちんと説明をしていくことがきわめて重要」
宮内庁の西村泰彦長官は12月24日の定例会見で、秋篠宮家の長女・眞子さま(29)と婚約が内定している小室圭さん(29)の母・佳代さんと元婚約者男性を巡る金銭トラブルについて、12月10日の会見に続いてあらためて見解を示した。

西村長官は「もし誤った情報があるのならば小室さん側が正しつつ、金銭トラブルに関してこれまでどのような対応をしてきたのか、わかりやすく説明を行うことで、国民の皆さまに事実関係を正確に理解していただくことができるのではないかと考えています」として、小室さん側の代理人弁護士とも認識を共有していると述べたという。
西村長官による前回の定例会見は「異例の苦言」とも報じられ、今回はより慎重な表現にとどめながらも、宮内庁としても眞子さまのご結婚問題を前に、困惑し対処しかねている様子がうかがえる。
紀子さまが和歌に込められた思い
「花梨の木のうへに浮かびたる白き雲青空とほる風をおもへり」
2020年12月に発行された学習院女子中・高等科の同窓会である常磐会の機関誌「ふかみどり」には、この紀子さまの御歌(おうた)が収録されているという。
学習院女子部を卒業された皇族方の中には「ふかみどり」に御歌や御俳句、御近況を記されている方もいらっしゃる。収録する御歌は皇族方から賜るもので、紀子さまはお写真も掲載されている。爽やかで青々としたカリンと思われる木の上に、白い雲が浮かんだお写真だ。カリンの花言葉のひとつは「唯一の愛」。この歌に紀子さまはどのような思いを込められたのだろうか。
この機関誌には、「望月に月の兎が棲まふかと思ふ心を持ちつぎゆかな」という眞子さまが今年の歌会始で詠まれた歌も掲載されている。小室圭さんは眞子さまを月にたとえ、眞子さまは小室さんを太陽にたとえて見つめ合い、幸せの絶頂だった婚約内定記者会見を彷彿とさせると話題になった。
“リンクコーデ”に現れた「皇嗣家としてのふさわしさ」
紀子さまは、眞子さまのご結婚について「共感したり意見が違ったりすることもありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ、長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」と文書で述べられた今年の誕生日に際してのご近影でも、赤坂御用地のカリンの木の前に佇まれていた。
カリンの実については上皇さまが「秋篠宮の誕生日に、皇后がその日庭で採ったよい香りのするカリンの実を持って行って悠仁に見せたところ、悠仁はその重い実を大事に抱えて、行く先々へ持って行く姿がとてもかわいらしく見えました」(2010年の誕生日会見)と述べられたことがあり、上皇ご夫妻と秋篠宮ご夫妻、悠仁さまのご交流を思い起こさせるエピソードでもある。
私は、紀子さまが皇嗣家としての格を重んじられ、皇嗣妃としてのふさわしい為さりようを心がけられているように拝察している。今年の秋篠宮さまの誕生日に際してのご近影では、ご一家揃っての“リンクコーデ”が注目を集めたが、これもそうしたお心構えの現れの一つなのではないかと思う。
秋篠宮さまのジャケットと紀子さまのお召し物は同系色で、眞子さまと次女・佳子さまはジャケットをブラウン系、トップスやワンピースをワインレッドでお揃いにされている。そして秋篠宮さまと長男・悠仁さまのネクタイは深みのあるパープルだ。ご一家でボルドー系を差し色にされて、デザインや色合いまで、完璧なリンクコーディネートだった。
令和3年(2021年)版の皇室カレンダーには、7月~8月のページに秋篠宮ご一家のご近影が収録されている。優しい色合いにトーンが統一され、明るいアイボリー系のお召し物を秋篠宮さま、眞子さま、悠仁さまが、落ち着いたベージュのワンピースを佳子さまがお召しになり、紀子さまはアイスブルーのスーツをお召しになっていた。
一見、クールな紀子さまのお召し物が際立っているような印象を受けたが、実は秋篠宮さまのシャツの色をアイスブルーで合わせられていて、一体感を演出されていた。
紀子さま「小室さんの優しいピアノの音色を聴きながら」
2017年11月、紀子さまは秋篠宮さまの誕生日会見で、小室圭さんに対する印象について「初めの印象についてですが、初めてお会いし、話をしましたときに、丁寧で穏やかな印象を受けました。そして今も、同じような印象を持っております。
先日になりますが、小室さんのピアノを聴きたいと話をしましたところ、快く応じてくださり、小室さんの優しいピアノの音色を聴きながら、私たちは心和むひとときを過ごしました」と述べられ、眞子さまとともに人生を歩むお相手として、ふさわしい人物だと信じられていたことだろう。
ティアラをお召しになった紀子さまのご表情
12月25日、天皇陛下や皇族方は皇居・皇霊殿で「大正天皇例祭の儀」に臨まれた。秋篠宮ご夫妻も装束に着替えられ、拝礼されたという。11月8日に「立皇嗣の礼」を終えられた秋篠宮さまは今後、宮中祭祀において、陛下と同じ宮中三殿の殿上で拝礼されることになる。
強く印象に残っているのは、「立皇嗣の礼」の「朝見の儀」を終えられた秋篠宮ご夫妻が皇居を後にされた際のことだ。ローブデコルテの上に、これまではあまり取り入れられてこなかった立ち襟風のジャケット、そしてティアラをお召しの紀子さまのご表情からは、緊張感よりも堂々とした自信が感じられ、沿道の人々へ手を振られていた。
「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と痛切な思いを綴られた眞子さまの文書公表に対し、秋篠宮さまは誕生日会見で「結婚することを認めるということです」と述べられた。小室圭さんが自身の言葉で、金銭トラブルなどについてしっかりと説明を果たす日はやってくるのだろうか。
(佐藤 あさ子/文藝春秋 digital)