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香港任侠映画に見る中国ビジネスのリスク

私が大学生から社会人成り立ての頃、今で言うと「社会起業家」というのでしょうか・・「アジア留学生ネットワーク」なる団体の事務局をしていたことがあります。

各地の留学生会館にポスターを張って日本の大学や大学院に通う留学生を募集し、彼ら彼女らを各家庭や企業に母国語を教える「語学教師」として派遣するといったビジネスでした。

当時はソウルオリンピックの影響もあり第1次韓国語ブームでしたのでそれなりの需要はありました。一方教師としての応募は中国の方が圧倒的に多かったです。

ある中国の方は、本国では大学教授(確か40代でした)でしたが日本の大学院で「車の塗装技術の勉強をしている」とおっしゃっていました。

私が、「塗装の技術はそんなに違うのですか?」と聞くと「50年は遅れている。多分一生追いつけない」と。

私の中国人の印象は当時の優秀で真面目な留学生の印象が殆どなのです。

しかし、今回の「尖閣諸島」の問題は「まあ、広い国だから色々な人がいるからな・・」では済まされない何とも言えない違和感が強く残りました。

そこで、現地に取材に行く訳にもいかないので、ブルース・リーの映画を除いて今まで見たことがなかった香港映画なるものをここの所、集中して見てみました。

「孫文」の伝記映画も見ましたが、一番興味深かったのが、日本で言う所の「ヤクザ映画」です。

香港版ヤクザ映画(というか警察映画)は、時々私を混乱させました。

殆どのシチュエーションは、ヤクザ組織に何年も潜入捜査している警察側のスパイ役の主人公が出て来るパターンが多いのですが、この日本で言えば鶴田浩二や高倉健役の主人公の行動に思わず「え~~!!!」と声を漏らさずにはいられない場面が時々出て来るのです。

例えば、自分をスカウトした新進気鋭のボスから、かつて長く仕えたギャングのボスを、「俺の信頼を得たいならば、俺の目の前で、奴を殺せ!」と機関銃を渡される場面がありました。主人公は苦渋の表情を浮かべ年老いたボスを見つめます。

そのボスは死を覚悟して主人公に 「俺は任侠の世界に入った時から、何時かこういう日が来ることは覚悟していた。どうせ殺されるなら、俺はお前に殺されたい!」と任侠的な泣けることを言うのです。

そこで機関銃を渡された主人公は、その銃をもって180度振り向いて新興のギャング達を皆殺し・・・・であれば、我々が見慣れた高倉健であり鶴田浩二なのですが・・・

なんと主人公は、旧知のボスや兄貴や舎弟を機関銃で皆殺しにしてしまうのです。

「あれれ~~~??」

別の映画でも全く同じ様な場面で、今度は「実の弟」を殺せとギャングのボスから迫れるケースがあるのです。そこでも、「あれ?まさか!!あれ~!??」と、何と弟を撃ってしまうのです(この時、弟は一命を取り留めますが・・)

また、別の映画では、ギャングの本部に潜入した刑事達とギャングが戦争のような大銃撃戦を演じるのですが、その銃撃戦の中で、主人公が仲間の刑事を誤って射殺してしまう場面があるのです。

お互い「あっ!」と見つめ合った瞬間に誤って射殺してしまうのです。 ここでも主人公は苦悶の表情をして苦しむのです。しかし、数分後には何も無かったようにまた撃ち合っているのです。

「この映画にこの場面は必要なのか??」と日本人の私は根本的な疑問をもってしまうのです。

これはいったい何なのだろうか?何かが違う・・・。

映画の中でも「仁」とか「義」という言葉が親分の口から出てはくるのですが、やはり中国人と日本人の「感性」や「仁」、「義」というものに対する解釈が違うのだと。

(勿論、共通点も沢山ありますが)

以前、「日本の演歌の詩や曲調に韓国人は共感し涙することがあるが、中国人にとって日本の演歌では泣けないらしい」といったことを聞いたことがあります。

ざっくり言えば、中国では、「大いなる目的を達成する為には、兄弟や同僚の命を奪うことも、(大きな苦しみを伴うが)やむなし、涙を押さえて前に進むべし!」といった感があるのです。

その深い悲しみを超えてこそ男なのだということでしょうか・・・。

そこには、中国の「侵略と革命」という過去の歴史に培われたものがある様にも感じました。

よく華僑の方々と商売されている日本人の書いたものに「華僑(中国人)と商売する上で重要なことは、彼らのファミリー(身内)に入ることだ。一度身内に入れば彼らは絶対に裏切らないものだ」といったことが書かれています。

私は、映画を見て果たして本当だろうか!?と強く感じてしまいました。お互いに儲かっている時は良いのでしょうが・・・・。

大いなる目的がお互いの利益である内は良いのでしょうが、「自分だけの利益」に変わった場合、それは、恐ろしいことになるようになるような。

中国ビジネスにおいて「義兄弟」とか「親子も同様」とか「一生の友人(パートナー)」などという甘い言葉は通じないのではと感じた次第です。

戦後太平の世の中を謳歌した日本人に対して、文化大革命や天安門事件等々の「死ぬか生きるか」といった体験を近年においても経験した人々は「そんなに甘くない」というのが私の見解です。

僕の個人的なビジネスの要諦は「最悪のことを想定しながらヘッジして最良の人と付き合い、自分はほどほどの利益でよしとする」なのですが、これがこの国の人にも果たして通じるのかと。

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