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橋下徹日本維新の会代表代行について共同通信からインタビューを受けました

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 先日からご連絡あった、共同通信の記者さんがうちの事務所に見えられ、橋下市長をどう見るかと言うインタビューを受けました。BLOGOSをチェックなさっていて、目をつけていただいたそうです。私みたいな無名の人でも、いまやブログで拾い上げられる時代なんですねえ。

 さて、私も90分ほど話しまくったのですが、私の直前に同じ神戸であの内田樹先生に2時間インタビューされてきたということでした。無名ブロガーとしては、偶然とはいえ何千万回もアクセスされているブロガーとしても著名な大先生に続いて話を聞いていただいた、ということで記念になりました。 

 このインタビューは、たぶん総選挙後から始まる橋下氏に関する連載のための取材で、今、橋下氏の何が問題なのか、識者の皆さんに訊いているということでした。あの橋下氏と一緒にテレビに出られた北海道大学の山口二郎教授もインタビューをこれからするそうです。なんだか、私がそういう大学者の方々と混じって、「識者」とされるのがものすごく面映ゆくて困ったのですが、引き受けた以上もう仕方ありません。

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 ちなみに、内田先生は橋下氏が「父権」的なものに反感を持つということを強調されたそうです。国民には自立を求めるべきだ、あまり保護主義的になるべきではないということですね。

 記者さんから、憲法でも個人の自立は大切にされているのではないですか、と突っ込まれたので、個人の尊厳というのは必ずしも個人の自立ではない。一人一人の個人は失業していたり、障害があったり、高齢だったり、いろんな状況にある。その人それぞれの条件に応じて、その人らしく生きられるというのが憲法の個人の尊厳で、だから生存権はおめぐみではなく、権利なんだという話をしました。

 内田先生と私の話で共通していたのは、なぜ橋下氏が文楽を目の敵にしたかと言うことで、それは彼の成育史ではなかった教養や文化に対する反感ではないかという点だと記者さんに後で言われました。私は、ほとんどの人が知らない文楽を叩くことは内田先生や山口先生のようなインテリ・学者を叩くことと同様、大向こうの受けを取れるから執拗にやっただけだと言いました。

 また、橋下氏は最初に文楽を観に行ったときにつまらないと言ってしまって教養がないと叩かれたのがすべての始まりで、補助金行政云々というのはあとから付けた理屈なのだが、彼は賢いのでその理屈が一応理があるように見えるのだ、という話をしました。

 橋下さんが持ち出しているアーツカウンシル(芸術評議会)もまともなものだったら、世界無形文化遺産の文楽より大阪城モトクロスを優先するということになるわけがないということも言いました。

恥をかいたから補助金を凍結したというのがすべて 浪速のタリバン橋下市長vs文楽問題を総括する

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 さて、インタビューでは、私が橋下氏に関して最も気になることは民主主義をはき違えていることだというお話をまずしました。

 そもそも民主主義がどうして統治の原理とされているかと言うと、選挙で選ばれた代表は有権者と同質だから、人権を侵害しないだろうと信頼されるからです。つまり、民主主義は自由と人権を守るための手段で、立法も行政もできるだけ人権を侵害しないように行使されることが期待されています。

 ところが、橋下市長は思想調査アンケートや君が代条例が人権侵害ではないかと問題にされるときに、それは後から司法が判断を下すのだと言ってしまいます。行政の段階でできるだけ人権を侵害しないようにしようという配慮が全くないのです。彼には司法で救済されるまで人権が侵害されっぱなしでいいのかという視点がないということを指摘しました。

 そして、橋下さんの言っている民主主義は多数決民主主義で、少数者の人権まで保障する本来の立憲民主主義と違う上に、彼は選挙で多数から選ばれればあとは白紙委任と言ってしまう。たとえば、原発に関する住民投票もデモもむしろ邪魔者扱いする。つまり、民意の反映こそが民主主義の根幹なのに、民意を反映することはむしろ拒否する。つまり、多数決や民主主義は口実で、ただ自分のやりたいようにやりたいというだけのことだと言いました。

 そこで、記者さんから、橋下さんが君が代を公務員が起立して斉唱するのは、企業で社歌を社員が歌うのが当たり前なのと同じだというのは、一般市民にはわかりやすいのではないかと突っ込まれましたので、私は、では、普通の会社で思想調査アンケートのようなことができるかと言えば、それは許されないしどこもやっていない。橋下市長は「民間ではあたりまえ」と言う言葉を都合よく使い分けしているのだと答えました。

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 また、橋下氏が一国の指導者としてどういう世の中にしたいのかが見えないという話もしました。

 たとえば、今、日本と言う国が直面している最も大きな問題に少子化問題がある。少子化問題をそのままにすれば日本の経済が右肩下がりになっていくのは必然だから、デンマークやフランスに学んで少子化に取り組むというような大きな課題の展望を示す政治家が求められているのに、橋下さんはそういうことは言わない。彼には指導者に必要な、日本はかくあるべき、こういう方向に持っていきたいという将来像が全く見えない。

 もし、逆に日本が右肩下がりと言うことになれば、苦しい時代をともに乗り切る許しや寛容などが大事になるけれども、橋下さんにはそういう部分がかけらもない。

 さらに、大阪経済を良くすることが最も求められているのに、彼が言うのは手段でしかないはずの行政改革である大阪都構想ばかりで、経済政策と言えばいまだにカジノや大阪城モトクロスや道頓堀プールしか出てこない。これでは、どんな大阪にしたいのかがはっきりしない。以前言っていたように、本当に大阪を猥雑な街にしたいのかと思ってしまう。

 大阪をどうしたいのか、日本をどうするのか、そういう夢を彼は語れない。

 彼にはリーダーに必要な、将来への展望や希望を示すという資質に欠け、破壊する話しかなく、破壊の次に何を創造するかと言うビジョンがない。つまり、代案を出せという彼こそ、今の社会に対する代案、対案が実はないのだという話をしました。

「ちっちゃい頃からギャンブルを」という橋下維新の会のカジノ誘致 大阪経済活性化は八策どころか無策

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 またこういう話をしました。

 そもそも、彼は権力を握りたいということだけがあって、その権力を使ってどうしたいということがないのではないか。生い立ちに恵まれなかったため、その反発から、自分が目立ち、人の上に立つ、人を支配するということ自体が目的になってしまっているのではないか。

 その手段として、世間に受ける公務員叩きや公務員の中でもさらに入れ墨をしている職員を叩くということになってしまっている。大向こうには受けるが。職員の綱紀粛清と言う意味では小さな小さなところに入って行ってしまっている。

 人権侵害の思想調査アンケートをしなくても、野村特別顧問らの個別質問でかなり問題点は出てきている。橋下氏には人権の制約は必要最小限度にして効率の良い方法を取るという発想がなく、受けることばかり狙っている。本当に綱紀粛正するなら、内部調査室のようなものを作って日常的に内偵すべきなのに、打ち上げ花火だけでそういう地道な努力をしない。

 また、大阪市の職員労組の腐敗に切り込むならエセ同和の問題に切り込むべきなのにそれははっきり言わず、入れ墨調査をするだけ。逆に、政治家なら、お子さんを守るために部落差別そのものと闘いますと言うべきなのに、家族が被害者だという問題に矮小化してしまう。

 同じことを書かれても週刊文春や週刊新潮の時より週刊朝日を大きく問題にしたのは、親会社の朝日新聞に対する取材拒否と言う手が使えるから。そして、本当にあの記事でお子さんが社会的に抹殺されると思ったのであれば、出版差し止めを求める仮処分申請をすればいいのに、それはしない。連載一回目は出版させて待ち構えていたように猛烈に批判する。それなのに事後の損害賠償請求もしない。

 それでは、低下しつつあった支持率回復のために問題化するために、朝日も、自らのお子さんも利用したということではならないか。

橋下市長が本当にお子さんを守りたいなら、ケンカの相手と仕方を間違っている

 また、橋下さんは公務員などは叩いても、財界は叩かない。せいぜい関西電力までで経団連批判はしない。他の新聞は叩いても日本経済新聞の批判はしないということも言いました。

 ちなみに、この記者さんとは週刊朝日の記事の感想や、「慰安婦」問題で橋下市長とやりあった阿久沢悦子記者の話も出たのですが、橋下さんは良くも悪くも朝日新聞を特別に意識していることが感じられるということでした。

 また、記者から見て、橋下さんの人気の秘密は言うことがワンフレーズでわかりやすい、見出しにしやすいこと。常に自分がどう見えるか、どう見せるかを意識していることが感じられるとおっしゃってました。

橋下徹大阪市長もその気迫にビビって逃げた! 朝日新聞阿久沢悦子記者頑張れ!

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 さて、このインタビューで私が面白かったのは、記者さんと話す中で、マスメディアと橋下氏の関係が少しわかってきたことです。

 私は記者さんに、彼が指導者として信用できないのは、はっきり約束をしない、約束しても破ってしまう、破った時に嘘と言い訳で誤魔化してしまうことだと言いました。

 その典型が脱原発で、最初は原発ゼロと言っていたのに、いきなり大飯原発再稼働を容認し、しかもそのとき夏だけだと言っていたのにいまだに大飯原発の停止を求めず、とうとう石原太陽の党との合流にあたっては原発ゼロも脱原発も捨ててしまった。

 そして、それを、基準つくりをしっかりすればおのずと2030年には限りなくゼロに近づくのだから問題ないと誤魔化す。基準をしっかり作れば30年に原発をゼロにできるのなら、そう公約すればいいのです。それができないくせに、理屈をつけて誤魔化してしまう。こうやって、約束の中身はあいまいで、約束しても破ってしまい、それを言い訳して誤魔化しても恥じない。

 これは、組合が政治活動をしていたという文書が捏造だとわかった時でも全く同じでした。そして、過ちを絶対に謝らない。約束を破っても恥じないのだから、これでは、指導者として信用できないという話をしました。

大阪市ねつ造リスト職員は維新政治塾に応募 最低なのは市議会ではなく過ちを謝れない橋下維新の会

 すると、記者さんが、「確かに原発のことを我々メディアも質問しませんねえ」とおっしゃるので、なぜですか?と尋ねると、今、そういう流れではないと思ってしまう、今更、原発のことを橋下さんに聞いても仕方ないと考えてしまうのだということでした。そういう空気ではないという感じになるのだそうです。

「でも、今回の太陽との合流で、脱原発をなくしたことが野合と言われているのですから、今の問題ではないですか?」

「市政記者クラブでは原発は管轄外という感じもあります(凄い縦割り!)。で、結局、何日の何時にどこで演説しますかというような話になってしまいます」。

 しかし、話していてそれはさすがにおかしいと記者さんも思われたそうで、

「それではいけないので、今度自分なりにまとめて、原発のことは質問してみます」

と約束してくれました。楽しみですね。

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 だったらと私が、彼が平日の執務時間にもツイッターすることを言い訳して、記者会見の延長だとしていたのに、今は平日でも平気で選挙運動している、今日も高槻市や茨木市を選挙カーで回っているのはおかしいのではないか、市職員は10分喫茶店に行っても懲戒処分になるのに、という話をしました。

10分喫茶店に寄った大阪市職員は懲戒処分なのに、平日でも選挙運動する橋下市長と職務専念義務の関係

 すると、記者さんは「それは非常に質問しにくいですね」と言うのです。なぜですかとお尋ねすると、「橋下さんもそのツイッターの件は矛盾がありすぎて答えられないでしょうから。市長のリアクションが激しそうです」とおっしゃるのです。

 最初は週刊朝日の一件があっても、橋下市長に突っこみにくいということはないという話だったのですが、彼が答えにくいと質問できないというのはおかしな話です。それで「答えにくい質問はできないものですか」と尋ねると、「記事になりにくいので、質問しづらいです」ということでした。

 やはり斉藤貴男さんがおっしゃっていたように、マスコミも商売なので、売れる記事を書きたい、だから、記事になるような答えられる質問しかしない、ということになるようです。

斉藤貴男氏ご講演速記録 「原発と知る権利」  兵庫県弁護士会憲法市民集会 2012年11月17日

 今回は、インタビューを受けたこと自体より、記者さんにいろいろ逆質問して、どうしてネット上で普通の市民が疑問に思うようなことを、記者さんたちが橋下さんに尋ねないのか、その理由の一端がわかったのがとてもよかったです。

 まだ記事の連載も始まっていないのに、いきなりこんなに書いてしまってよかったのかな。共同通信さんが橋下さんに目をつけられて、いじめられないといいのですが。

 ま、ブロガーとわかっていてブログに書かないでくださいねとも、まるで言われませんでしたし、内田先生もインタビューを受けた後はよくこういう記事を書いておられるので、良しとしますか!

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