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新型コロナウイルスの変異

2019年末に中国武漢で初めて確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、2020年1月に国内で初めて感染者が確認されました。

この新型コロナウイルスの変異速度は、24.7塩基変異/ゲノム/年、(1年間で平均24.7カ所の変異が起こる)と推定されています。

当初は武漢由来の系統の新型コロナウイルスが日本に流入しましたが、その後消失しました。

また、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の乗客、乗員を起点とするウイルス株も現在、日本では検出されておらず、終息したものと思われます。

3月下旬に、欧州系統の新型コロナウイルスが日本国内に流入し、さらにそれが300を超える系統に分岐、派生しましたが、5月下旬頃には収束へ向かいました。

その後、6月下旬に欧州系統から6つの塩基が変異した系統が、国内で確認されました。

この系統と流入してきた欧州系統との直接のリンクとなったウイルス株は発見されていませんが、新型コロナウイルスは1ヶ月間で2塩基変異すると考えられているため、3月からの3ヶ月で6つの変異は、考えられている変異速度と符合します。

おそらく軽症者もしくは無症状陽性者が保有していたウイルスがこのリンクをつないでいたと専門家は考えています。

現在、国内で検出される新型コロナウイルスは、欧州系統から分かれた2つの系統に集約されてきたと推定されています。

12月11日現在、全国から報告されている陽性者から検出される新型コロナウイルスの多くがこの2つの系統に属します。

日本国内で流行しているこの2つの系統は、614番目のアスパラギン酸がグリシンに変異したSpike: D614Gと言われる欧州系統の特徴を持ち、ワクチンのターゲットであるスパイクタンパク質に影響する変異は無いと言われています。

これまでの新型コロナウイルスの変異の多くは中立的で、ウイルスの性状に大きな変化を起こしていないと言われていました。

しかし、最近、ロンドンを含むイングランド南東部で増加している症例が、新しい単一の新型コロナウイルスの系統に属していることが確認されました。

この新規変異株は、これまでの新型コロナウイルス株よりも感染性が高い(再生産数を0.4以上増加させ、伝播のしやすさを最大70%増加させる)ことが示唆されています。

この新規変異株は、武漢株と29塩基異なり、いくつかのスパイクタンパク質が変異しています(deletion 69-70、deletion 144、N501Y、A570D、D614G、P681H、T716I、S982A、D1118H)。

このうち感染性に最も影響があると言われているのはN501Yの変異です。

この新規変異株は、1人の患者が新型コロナウイルスに長期的に感染した結果、免疫を回避するような変異の蓄積が加速度的に起こった結果であるという仮説が提唱されています。

アメリカで、自己免疫疾患を患い、免疫抑制剤を投与されていた男性が、最初に新型コロナウイルス感染症と診断されてから2度再発し、5ヶ月後に死亡したケースが過去に報告されています。

ゲノム解析の結果、この男性は複数回感染したのではなく、ウイルスが体内で速いペースで変異を起こし、体内で勢いを盛り返していたと考えられています。

つまり、新型コロナウイルスは、このように体内で免疫を回避する変異を起こす可能性があるといわれています。

イギリスの変異株が、人間から動物に感染して変異し、その後、動物から人間に再感染した変異株である可能性は低いと言われています。

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