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台湾紙が見た民主党政権と総選挙

 『中国新聞網』が台湾の『中国時報』を転載する形で、今回の日本の総選挙に関する記事「台媒:日政界闭塞造就“新瓶装旧酒”政治闹剧 」を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。
 日本の民主党政権は多分12月16日の衆議院総選挙で、たった3年4ヶ月間で政権与党の座を降りることとなり、おそらく自民党が政権与党に返り咲く。

 2009年8月、民主党は308議席を獲得し、自民党の119議席を遙かに上回ったが、今回の解散時には、かろうじて過半数を超える244議席となっている。

 衆議院が解散となったのは、民主党の執政の失敗だけでなく、「小沢派」「反小沢派」等、冷戦後の反自民党勢力の力を集めきれなかったことにある。強靱な生命力を誇るドジョウに自らをなぞらえた野田政権も、瓦解する党内の現実にも抵抗できず、短命内閣となった。

 小沢一郎を切り捨ててから、基盤が弱くなった野田内閣は参議院で数的に優位な自民党・公明党と協力し、国政の最後の道を探った。しかし、政権に返り咲きたい自民党は日本版「財政の壁」を使って野田内閣を追いつめ、首相は特例公債発行法案と衆議院の制度改革と引き替えに衆議院を解散した。

 野田内閣の1年余りの内政・外交は国民の支持を受けておらず、支持率は2割を切っていた。ただ、今回の選挙で自民党が勝ったとしてもそれは選挙民の支持を得ているとはならず、有権者のどうしようもない中での選択の結果だ。

 3年前に、日本国民は「日本を失落」させた自民党の長期政権にかわり、民主党の「変化」に期待を寄せた。しかし、民主党は現代の問題に対応することができなかった。日本は80年代に栄華を誇ったが、冷戦後国際情勢が変わる中、保守的な体制の制限を示すこととなった。

 グローバル化の波は日本にも押し寄せたが、文化的に鎖国をし、一方方向にしか向かわない日本の政界のどたばたは「古い酒を新しい器に移した」だけで、保守的な政治の外に、日本には「変化」はなく、民主党の「change」はただの選挙のスローガンだった。

 そのため2009年8月の政権交代は、「55年体制」の崩壊ではなく、型の変更にすぎず、民主党のは「新自由主義」の旗印を掲げているが、依然として保守的な体制を脱却できていない。

 石原慎太郎の「太陽の党」と橋下の「日本維新会」は合併し、第三局を作り、民主・自民の二大政党を打倒し、彼らに替わって、日本を改革しようとしている。

 石原の主張は戦後続いてきた官僚主導の政治を根本から変え、政治家主導の「大日本主義」を創立することで、この政治的雰囲気は、大久保利通が暗殺された明治時代と似ている。しかし「政治家主導」が「官僚主導」を打破することが日本再生の方法となるかは不明だ。

 ただ戦後の日本は、明治維新の日本とは、異なっており、保守派の「浪人」や「第三局」が総選挙でどうなるかは疑問だ。しかし日本が「軍国主義」の過程にあるかどうかは、日本が「右傾化」を選ぶかどうかで、日本の選挙の結果が鍵となる。

 安倍晋三が首相に再登板となれば、これは戦後初めてのことだが、日本政界の人材の枯渇を表していると考える。

2 個人的感想

 以前も『中国新聞網』に掲載された総選挙に関する論調を紹介したことがありますが(日本の政界の動きについて自意識過剰な中国)、台湾の日本に関する見方は、やはり多少異なっているというのが最初に浮かんだ感想です。

 今回の見方を前面的に支持するつもりはなく、個人的には間違いなく、かなり大きく変化していると思っておりますが、確かに政治の停滞などをみると、外部からはそう見られても不思議ではないのかもしれません。

 ただ、この記事では民主党も一貫して「保守的」としているようですが、明らかに鳩山政権時代と野田政権時代の外交スタンスは異なっており、鳩山政権時代の外交は良いか悪いか別にしてここで言う「保守」とは全く別の方向を目指していたのは間違いないと考えます(徐敦信前駐日大使インタビュー)。

 斯様に、一口に「民主党」といってもこの記事でも指摘している様に、かなり考えが違う方々の集まりで、正直同じ党にいるのが不思議という方もいるのが問題かと思っております。
 
 ただ、これは何も民主党に限った話ではなく、政権与党に属していたいと考える政治家には、自民党時代からそうしたいたわけで、そうしたよくわからない議員の存在が日本の政治をわかりにくくしている最大の要因ではないでしょうか。

 そのため有権者も政党間の違いがわからず、特に比例代表ではどこにいれたら、どのような政策をやってくれるのかという話になるのも当然ではないでしょうか。そのため私は本気で内政(TPP、消費税)外交(親米、反米)などで政界再編をして、分かり易い政治を目指すのもありかと思っております(どこまで政策が違ったら、同じ政党して行動すべきか?)。

 ただ、そうなると新しい争点ができる度に政界再編を繰り返すのかという話になるかもしれませんが、ある程度考え方の似た人達で、政党を結成するようになれば、そんなに大きな再編の必要性が出てくることはないと考えます。

 今回与党にいるメリットがなくなった途端に、離党する者が相次いだことに典型的に現れている様に、政権与党だけにいたいが故に、かなり考え方に差があるものが同一の政党に所属している、私はこれこそが日本の政党の最大の問題であると考えております。

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