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人為的二酸化炭素排出より、地球システムの炭素循環の方が大きい?

コロナ渦で、地球温暖化問題は棚に上げられてしまっている感がある。
感染症をコントロールできない人類が、地球規模の環境問題をコントロールできるとも思えない……。
感染症では、人間の敵はウイルスや細菌だが、地球環境問題では、自然界の敵は人間になっている。
立場が逆転するわけだ。皮肉な話。

さて、「人為的二酸化炭素排出より、地球システムの炭素循環の方が大きい」とする、鎌田教授(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)のコラム記事。

鎌田浩毅の役に立つ地学:地球温暖化はCO2排出量増加だけでは説明できない理由 「炭素循環」とは何か | 週刊エコノミスト Online

実は、大気中の二酸化炭素濃度は、地球内部での炭素の循環や、大気と海洋の間での炭素のやりとりなど、複雑な相互作用によって決まっている。

二酸化炭素濃度を議論する際には欠かせない理解だが、あまり多くの人には知られていない。

大気中の二酸化炭素濃度を決めるのは「炭素循環」と呼ばれる現象である(図)。

産業革命以来、人類の活動によって大量の二酸化炭素が放出されたが、地球システム全体で見れば、(C)の循環による影響の方がはるかに大きい。

(中略)

さて、化学的な風化作用が起きる時、一般に化学反応は温度が高いほど速く進む。

よって何らかの理由で大気の温度が上昇すると、二酸化炭素による岩石の風化が速まり、大気中から二酸化炭素が減っていく。

二酸化炭素濃度が低下すると、大気中の温室効果が減少して気温は下がる。

前にも書いたような気がするが、温暖化問題は、ここ100年前後の変化を見ていては視野が狭くなる。地球環境は数万年単位でダイナミックに変化していくので、現在を中心にして、前後5万年、計10万年のスパンで変化を見られることがあれば、20世紀〜21世紀の変化は微々たる誤差の範囲になると思う。
もっとも、5万年後に人類文明が存続しているかどうかは疑問だが(^_^)b

地球の歴史上、過去には現在よりも二酸化炭素濃度が高かった時代はあり、温暖化していた時期があったことは、過去記事にも書いた。
それについてのよい図が、関連記事にある。

変わる大気中のCO2濃度 3億年前の氷河時代と同じ現在 | 週刊エコノミスト Online

100万年という地球の長い時間軸の中では、大気中や海水中の二酸化炭素が炭酸カルシウム(CaCO₃)として固定される速度と、火山活動により二酸化炭素が大気中に放出される速度とが、ほぼ等しくなっている。すなわち、地球全体を炭素(C)が形態を変えながら循環する「炭素循環システム」としてみれば、平衡状態にあると言える。

ただし、細かく見ると平衡状態よりも二酸化炭素濃度が高い時期があり、その時は温室効果によって「温暖期」になる。反対に二酸化炭素濃度が低い時期には「寒冷期」となる。

CO2は恐竜の時代であるジュラ紀〜白亜紀に比べたら、現在はきわめて少ないのがわかる。逆にいうと、温暖化していたから、恐竜は巨体で活動できたともいえる。寒冷では巨体の体温を維持できないからだ。
ちなみに、「恐竜は恒温動物でも変温動物でもなく、両者の中間に位置付けられる存在」というのが、最近の説になっている。

で、前出の記事で重要なポイントは以下。

何らかの理由で大気の温度が上昇すると、二酸化炭素による岩石の風化が速まり、大気中から二酸化炭素が減っていく。
二酸化炭素濃度が低下すると、大気中の温室効果が減少して気温は下がる。

ここ、テストに出ますよ(^o^)
現在の温暖化とされる状況が続き、気温が上がっていくと、二酸化炭素による岩石の風化が速まり、やがて大気中から二酸化炭素が減っていき、温室効果が減少して気温は下がる……ということになる。

つまり、温暖化は右肩上がりに進行するのではなく、ある時期を境に、寒冷化に転ずるということになる。
それを示しているのが、「CO2濃度の変遷と氷河時代の消長」の図だ。
数万年単位のスパンで見ないといけないというのは、こういうことなんだ。

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