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次世代音楽イベントYOAKEから感じた音楽・コンテンツ業界の夜明けについて

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2012年11月17日の土曜日。音楽シーンの現在を感じ未来を考えるカンファレンス「YOAKE」というイベントに参加して参りました。僕は、2012年10月よりクレオフーガという音楽コミュニティサービスを運営する会社へ取締役として事業立ち上げに関わり始め、音楽業界に何が起こっているかをもっともっと肌で感じる必要があると思い今回のイベントに参加させて頂いたところだ。

このイベントの詳しいところは下記を見て頂きたい。
   
音楽シーンの現在を感じ未来を考えるカンファレンス「YOAKE」レポート | Musicman-NET

www.musicman-net.com/artist/21877-2.html

イベント全体観は上記にお渡しし、今回のイベントを通じて自分なりに感じたポイントを下記に書き残しておきたい。
 

YOAKEと言うイベントのはじまりと田中茉裕さんのライブ


僕がイベントに参加したのは、最初のセッションが終わりかけのところだった。
 
その後に現役女子高生のシンガーソングライターである田中茉裕さんのライブが始まったのだが、とても感動した。
 
実は普段から音楽はさほど聞く方では無いのですが、歌い始めたところから、すごいエネルギーとやさしさと切なさが入り混じったような複雑な気持ちになった。しかしその歌声や世界観を感じさせる雰囲気は普通のアーティストでは無いと感じさせられた。 
 
ぜひこのブログを読んでくれた方は彼女の「小さなリンジー」を聞いてみて欲しい。聞けばわかる。そのくらい特徴があり、素敵だと思っています。このブログの冒頭の動画をぜひ聞いて頂きたい。 
  
(シンガーソングライター田中茉裕さんの「小さなリンジー」)

 
 

次世代音楽のポテンシャルとマッシュアップについて


その後のお話ですが、いくつかこの会でセッションがあり、どれも豪華コンテンツ尽くしといったところだが、何と言っても一番の盛り上がりをさらったのは下記のセッションであるだろう。
 
パネルディスカッション
『リスナーの自由、ミュージシャンの自由』
出演:
谷口元氏(Avex Music Publishing代表取締役社長)
ドミニク・チェン氏(NPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事)
虎岩正樹氏(残響塾塾長)
佐藤秀峰氏(漫画家)
壹貫田剛史氏(文化庁長官官房著作権課)
 

 
業界を代表する音楽出版社の代表である谷口元氏、著作権関係の世界的組織の日本の理事のドミニク・チェン氏、漫画を二次創作フリーにするという新しい概念を提案した佐藤秀峰氏、官僚の身から著作権をどう扱うかについて向き合っている壹貫田剛史氏がパネリストとなり、モデレーターである残響塾虎岩氏の2012年8月に寄稿した記事が話題を呼んだことから、次世代の音楽ビジネスのあり方について議論がスタートした。
 
※ちなみに、残響塾はここに詳しいが、何かをしながらついでに音楽が“聞かれる”状況が一般的になり、音楽や趣味が細分化されているのに流通形態が一向に変化しないためにCDが売れない状況などがあるなか、「もっと音楽というカルチャーを活性化させたい、自立したミュージシャンを育てなければいけない」という思いでからスタートしているという。
 
 
そして虎岩氏の記事である。詳しくは記事を読んで欲しいのですが
 
第32回:違法アップロードを認める権利DrillSpin

www.drillspin.com/articles/view/134

 
 
この記事のサマリーは

・2010年6月にアメリカのケイティ・ペリーというアーティストが「California Gurls」という曲をリリースした。(下記の動画を2010年5月Youtubeへ公開。※リリースは同年6月)

・曲自体はリリース前にも関わらずPV動画を公開し、違法アップロードテイストで歌詞までついたものを公開。

・その後、素人のビデオクリエイター達がこの動画のマッシュアップ動画をYoutubeに公開し、2000万PVとまでなったものまで誕生した。

・そしてこのYoutubeの元の動画をアップロードしたのはケイティペリーの所属するEMI。意図的に「沢山の人にコピーしてもらって二次創作物を作ってもらう」というプロモーション方法を取り、意図的にコピーやパロディが沢山作られるように動線を作った。

・結果、この曲は43年ぶりにビルボードNo.1最短記録を塗り替えるという快挙を成し遂げるまでのヒットをもたらした。

 
ケイティ・ペリー「California Gurls」の元動画

※マッシュアップ動画は上記のDrilLSpinの記事より確認ください。
 
といった内容です。
 
このような事例を見る中で、特に違法ダウンロードなどの取締りが強化される中で音楽業界はどう進んで行くべきかの議論がなされた。
 
 
このセッションには漫画「ブラック・ジャックによろしく」を二次創作フリーにすることにより大きな話題を呼んでいる佐藤秀峰氏も登壇し、出版社とクリエイターのあり方に関しても説明があった。
 
佐藤氏は
・二次利用を自由にしたことで、6年増刷のかからなかった作品で、自分も、それ以外の人も儲かっている
・ブラック・ジャックによろしくのコンテンツを使ったiPhoneのアプリをリリースしたもので100万DLを超えるものになっているものもある
・以前は出版社と一緒に向き合う以外の選択肢が無かったが、WEBやスマートフォンを通じたコンテンツ流通によって力関係が変わりつつある
 

 
このような旨のコメントがあった。コンテンツのあり方に関して渦中の人である佐藤さんが自らこのように語っているのだからそれをどう考えて向き合うべきか考えて行かなければならない。
 
 
非常にアツい議論がなされていたが、
・アーティスト(クリエイター)のプロモーションはどうあるべきなのか
・この業界構造を誰が作るのか
 
などとても大きな変革の可能性について業界を代表するパネリストが議論を交わしていた。
 
 

業界の変革に対する所感


今回のお話を受け、音楽業界そしてクリエイターが関わる業界は大きな変革を求められていると改めて感じたものだ。
 
その流れを作っているのは間違いなく「スマートフォン」と「ソーシャルメディア」である。昔から電子書籍と言う概念や着メロやゲームなどコンテンツとして勝負出来たものはあった。
 
しかし、
スマートフォンやソーシャルメディアによって
-クリエイティブの表現の自由度は増した
-などのマーケットが出来たことによって、誰でも流通チャネルを持てるようになった
-無料で世の中にコンテンツを配信出来るようになった
 
これらはもう、クリエイターとして無視出来ないテーマだ。業界構造が変わる変革であるからだ。

 
そして、もう1つ忘れては行けないのはパブリッシングのスピードが劇的に変わったことだ。
 
ケイティ・ペリーの例もそうだが、新規のコンテンツにおいてリリース前からファンの醸成をしていかなければ行けない。
一方、佐藤秀峰氏のように眠っていた(既存の)コンテンツを回帰させるようなプロモーションのチャネルを作って行かなければならない。
  
ここには必ず強いニーズがあり、それを事業を創るベンチャーキャピタリストとして出来ることを探し、どう落とし込めるかがとても楽しみだ。まだまだこれからだ。より明確なカタチに落として行けるように努力していきたい。
 
 

おまけ


最後に音楽業界の可能性に関しても本当に良いヒントを頂いた思いではありますが、もう一個。もう一個。冒頭紹介させて頂いた田中茉裕さんについてだ。
 
曲が素敵過ぎて驚くのみならず、彼女のtwitterを見て大好きになってしまった。
このアイコンを見て欲しい。彼女は昨日のライブに対して本気だった。
 
リンク先を見る

「11/17恵比寿ガーデンルーム」とはこのイベントの開催場所のことです。こういったことは当たり前のことかもしれないが1つ1つのことを彼女は真剣にやっている。そう思わされるに十分なことだと思う。彼女のようなアーティストがたくさん生まれて来てくれることを願っていて、そういったアーティストがたくさん輩出される土壌作りになる事業やプロジェクトに関わっていきたい。

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