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あなたのECサイト、実はモバイル対応出来ていません。

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海外のeコマース支援ソフトShopifyが35,000件のECサイト(主に欧米)を調査したところ、今年のクリスマスに行われるECサイトでの購買のうち25%がモバイル(スマフォ+タブレット)からのものになり、来年は43%に到達する。また、平均購入金額(AOV)はタブレットが47ドル、スマフォが39ドルで、ECサイトでの購入に使われているタブレットのほとんどがiPadだった(Androidは5%)。

この調査からわかるように、欧米ではモバイルからの購入(モバイルコマース)が急上昇している。当然日本でも同様の傾向が確認されている。

しかし、こんな話を聞かされなくても、あなたはECサイトをモバイル対応するべきだということはわかっているだろうし、すでに対応しているとも感じるだろう。しかし多くのECサイトは「本当のモバイル対応」ができていない。最近のモバイルコマースの動向などを紐解きながら、それをご説明しよう。

モバイルコマースの動向

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上で紹介した調査結果の概要は以下になる。モバイルコマースを検討する際に参考にしてほしい。

  • 現状(2012年9月)、モバイルからのECサイトへのトラフィックは全体の10%程度だが、一年後には40%にまで増加することが見込まれている。
  • 現状、タブレットからの購入額の平均は47ドルで、スマートフォンの39ドルを上回っているが、71%のECサイトはモバイルへの対応準備が出来ていない。
  • 米国ではモバイルコマースの市場が2011年から2012年にかけてほぼ2倍近い成長を遂げており、2015年には市場規模は310億USドル(約2兆5000億円)になると予想されている(ちなみに、2010年の日本のモバイルコマース市場は1兆85億円だった)。
  • 2012年のクリスマス商戦においてはeコマース全体の25%がモバイルからの購入になり、一年後には二倍の43%になると予想されている。

この調査で注目すべきは、成長が見込まれているモバイルコマースであるが、71%のECサイト(主に欧米)がモバイルへ対応出来ていないということである(おそらく日本でもこれに近い結果が予想できる)。

この状況で日本のECサイト運営者は、モバイルコマースへの対応を前向きに検討する必要があるだろう。

モバイルコマースで抑えるべきポイント

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米Googleのモバイル部門のエバンジェリストJonathan Pelosi氏がモバイルコマース戦略をQuoraで語っていて非常に参考になるので、以下に要点を紹介する。

1. モバイル対応のウェブサイトを作る

モバイル対応の成功例として花のeコマースで有名な1-800 flowersがある。同サイトはモバイルに対応したサイトを作った結果、モバイル経由の売り上げを9900%も増加(前年比)させることができた。

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モバイル対応のサイトを作成する際、Googleが新たに開始したサービスを利用して、サイトがモバイルでどのように見えるかをチェックすると良い。利用方法は簡単で、トップ画面の左下にあるPUT YOUR SITE TO THE TESTをクリックし、サイトのURLを入力するだけだ。

ちなみに、ネットコンシェルジェのサイトは以下のように表示される。
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2. 時間限定のセールを検討する

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モバイルコマースで最も売上高が高いのは、米国のオークション・ショッピングサイトのeBayである。同社のモバイル経由での売り上げは2010年にはおよそ20億ドルだったが、2011年には50億ドルへ急成長をとげた。そして2012年には80億ドルを超えると予想されており、この数字は全売上のおよそ12%になる。

一方でAmazonの2010年のモバイル経由での売り上げはおよそ10億ドルとなっており、全体の売り上げの3%にとどまっている。両者とも幅広い商品を扱い、優秀なアプリとサイトを備えているが、なぜこのように大きな差が出ているのだろうか。それはeBayはオークションであるがゆえ、締切という時間的制約があるということだ。好きな時に買い物を出来るAmazonとは違い、eBayでの買い物は緊急性があるため、出先からモバイルでの購入といった行動に繋がりやすい。

時間限定セールとモバイルコマースとの親和性の高さは、つまるところモバイルユーザーは機器を常に持ち歩いているというところだ。時間限定サービスの場合、家に帰ってから買うという余裕が無い場合が多い。欲しい商品が売り切れてしまう可能性があるからだ。そのため、時間限定セールを行うことによってモバイルユーザーを購入へ促すことができる。

ちなみに、ネットコンシェルジェは6月に藤原ヒロシと共同で24時間限定のモバイルコマース「fragment 24.」を立ち上げ、好評をいただいている。

3. モバイル限定特典を用意する

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すこし応用的ではあるが、モバイルサイトからの購入に対し、何らかの特典をつけることで購買を促すというものである。米国の旅行サービスであるTravelocityであるが、こちらはモバイルアプリからアクセスしたユーザーに対し、通常よりも低いレートを提示するというサービスを展開している。135ドルのホテル予約に対して10ドルくらいの値引きではあるが、モバイル経由での購買が増加しているという。

モバイル限定特典を用意するということは、シンプルだがモバイルコマースがあるということをユーザーに認知してもらう上で、非常に有効な戦略になりうる。他の例としては、送料無料や割引クーポンなど、様々な方法が考えられる。しかし、このような特典をつけてまでモバイルユーザーを取り込む理由は何なのか。理由としては、モバイルユーザーはリピーターになりやすいという傾向が挙げられる。

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上に示したデータは、MMD研究所が発表した「モバイルコマースに関する利用動向調査-第21回-(2009年12月度)」である。2009年12月にモバイルコマースを利用者を対象した調査では購入経路を「いつも利用しているショッピングサイトから購入した」という回答が85.7%となっている。このことからも、モバイル経由で購入をしたユーザーは、その後もリピーターとなる確率が非常に高い。その第一歩として、モバイル限定特典などでユーザーを引き寄せることは有効と言えるだろう。

日本のECサイトもモバイルコマースに対応すべき

冒頭で紹介したように、今年のクリスマスに行われるECサイトでの購買(欧米)のうち25%がモバイル(スマフォ+タブレット)からになり、来年は43%に到達する。この勢いを見れば、日本のECサイトがモバイルコマースに対応しなければならないことは明らかだ。

前述の「モバイルコマースに関する利用動向調査」からも分かる通り、現状ではモバイルコマースにおける購入経路の多くはリピートでの購入となっている。先に触れたような時間限定セールやモバイル限定特典といったモバイルユーザーと相性の良いサービスを企画し、実行することは、今後ますます増えるモバイルコマース対策の「必須科目」といえるだろう。

ネットコンシェルジェにお問い合わせをいただく企業に、モバイルコマースの対応状況を伺うこと、ほとんどが「PCの機能を小さい画面用に直している程度」という状態だ。これでは、本当にモバイル対応したとは言えない。

まだまだ多くのECサイトがモバイルコマースに対応しきれていない今だからこそ、早くにモバイルユーザーを獲得するため、単なる「おまけ」としてのモバイルコマースではなく、本腰を入れてモバイルコマースに対応してみてはいかがだろうか。

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