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人をいじめるチャンスがあると、どうしてもそれを見逃すことができない人~「内田樹の研究室」から

今はイジメ劇場のことを「政局」と呼ぶのでしょうか。

橋下氏がどうしても河村氏を仲間はずれにしたいことをこちらで触れましたが、「減税」の党名まで捨てていい、とさえ懇願する河村氏をなおも橋下氏は突き放します。「減税」の党名を捨てたらもはや党の同一性がなくなると思うのですが・・。

橋下氏「党名変えても駄目」、減税との合流否定(2012年11月19日09時01分 読売新聞

なんだかんだ理由をつけてクビを縦に振らない橋下氏がなんだか楽しそうに見えてしまうのは気のせい?
だいたい、ガチガチの原発推進派の石原氏と組んで「脱原発」(もっとも「なんちゃって」でしたけど)の看板を下ろした橋下氏のどの口が「政策が違うから組めない」なんて言うのか、本日の「おまえが言うな」のコーナーです。
河村氏は「あなたの言うことなら何でも聞くわ!あなた好みの女になります!」的な懇願をするありさま。
河村さん、プライドはないのかしら・・・
もし万が一仲間に入れてもらえたって、せいぜいパシリ扱い、いいように使われて再び惨めな捨て方をされるって想像がつかないのかな・・・。
(と言っても河村氏に同情する気はさらさら無いのですが)

私には橋下氏が落ち目にあがく河村氏をいじめているようにしか見えません。


これが今の日本のでは「政局」と呼ばれ、連日飽きるほど報道されるのですから、嘆かわしいです。
同様のことを内田先生も書いてらっしゃったので、お持ち帰りさせていただきます。

◆内田樹の研究室

幼児化する政治とフェアプレイ精神

(引用開始)
この二人(※橋下と河村)を見ていると、級友にいじめられて、「パン買ってこい」とパシリに使われている中学生が、それでも「オレはいじめられてなんかいないよ。あいつら、オレの友だちなんだから。みんなオレのマブダチなんだ」と言いながら、だんだん目がうつろになって、しだいに狂ってゆく・・・という姿がオーバーラップする。
橋下徹という人はほんとうに「いじめ」の達人だと思う。
どうすれば、人が傷つき、自尊感情を奪われ、生きる意欲を損なわれるか、その方法を熟知している。
ある種の才能というほかない。
減税日本とみんなの党の「いじめ」方をみていると、それがよくわかる。
人をいじめるチャンスがあると、どうしてもそれを見逃すことができないのだ。
たぶんこれがこの人に取り憑いた病なのだろう。
テニスで、相手がすべって転んだときにスマッシュを控えるのは英国紳士的な「フェアプレイ」であり、これができるかどうかで人間の質が判断される。
テニスの場合、強打するか、相手の立ち上がりを待つかの判断はコンマ何秒のうちに下される。政治的思量の暇はない。
フェアプレイ精神が身体化されていない人間にはそういうプレイはしたくてもできない。
だから、英国人は「そこ」を見るのである。
テニス技術の巧拙や勝敗の帰趨よりも、そのふるまいができるかどうかが、そのプレイヤーがリーダーとしてふさわしいかどうかのチェックポイントになるからである。
(略)
今の日本の政治システムが劣化しているのは、システムのせいではない。
人間の質が劣化しているのである。
だから、制度の改変や政策の適否について、百万語を費やしても無駄である。
政治的公約や連帯の約束を一夜にして反古にすること、「勝ち馬に乗る」ことを政治家として生き残るためには「当たり前」のことだと思っているような人間たちばかりが政治家になりたがっている。
統治者になるための訓練を受けたことがない人間たちが統治システムに群がっている。
中学生的な「いじめの政治学」には長けているが、「フェアプレイ精神」については聴いたこともないという「こども」たちが政治の世界に跳梁している。
日本の政治は12月の総選挙で少しは変わるのだろうか?
私にはわからない。
これ以上政治が幼児化することがないように祈るだけである。
(引用ここまで)




「人をいじめるチャンスがあると、どうしてもそれを見逃すことができない」という内田先生の橋下評はその通りだと思います。(他人が自分に頭を下げている写真を二回も新聞で誇示するくらい悪趣味です)

おそらく彼は、自分以外の人間は「自分にとって利用価値のある人間」か「自分の敵」か、この二種類しかいないのでしょう。だから昨日までの盟友を一夜にして裏切り冷たい仕打ちができるのだと思います。

幼稚なイジメ劇場は「政局」どころか「政治ごっこ」にも値しません。
日本社会のありとあらゆるところでイジメが蔓延しているのもさもありなんです。

今はほくほく顔の石原さん、渡辺さんや河村さんを見て学習しなくっちゃ。
自分だけは大丈夫、なんて甘いです。
明日は我が身ですよ(笑)


ところで、橋下氏や石原氏に限らず多数の政治家の人間の質が劣化していることはひしひしと感じます。
『 政治的公約や連帯の約束を一夜にして反古にすること、「勝ち馬に乗る」ことが、政治家として生き残るためには「当たり前」のことだと思っている』人間たちばかり。 (選挙直前になって節操なく民主から維新へ、民主から自民へ党籍移すのもこれですよね)
『 中学生的な「いじめの政治学」には長けているが、「フェアプレイ精神」については聴いたこともないという「こども」たち』ばかり


どうしてこんな質が劣化した人間しか政治の世界に送れなくなってしまったのでしょうか。
政界に送る人間を選ぶのは私たちなのに、納得いく人をを政治の世界に送れないのは何故なのでしょうか
選挙の時にはよく「入れたい人がいない」という言葉を聞きます。

金銭面で旨味を吸えるカラクリのある世襲議員の増加
民意の正確な反映を妨げる小選挙区制と比例削減
高すぎる供託金
趣旨不明の禁止条項だらけの公選法
ポピュリズムを煽り大本営発表に甘んじるマスコミ
そして、有権者のメディアリテラシーの不足や、
誰を選んでも選ばなくてもどうせ変わらないという学習生無力感と無関心と「自由からの逃走」・・

どうすれば、選挙市場がせめて「入れたい人がいる」状態に改善できるのでしょうか。

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