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「自分が、自分が」で汗をかかない……自民党・下村博文政調会長が機能しないワケ - 「週刊文春」編集部

 自民党の下村博文政調会長(66)が「まったく機能しなかった」と永田町で話題になっている。

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安倍政権では文科相、選対委員長などを歴任

 75歳以上の医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる対象をめぐる与党協議のこと。支持者に高齢世代が多い公明側は、引き上げ対象を少なくするため年収240万円以上を主張。菅義偉首相は「若い世代のために高齢世帯も負担をさせたい」と年収170万円以上を譲らなかった。本来なら首相官邸と与党の調整役になるべき下村氏は「首相は譲るつもりはない」と繰り返すのみで、「下村氏はガキの使いか」と揶揄する声が上がった。

 最終決定は12月9日の党首会談。首相と公明党の山口那津男代表が「年収200万円以上」で歩み寄った。ただこの会談は、偶々(たまたま)セットされていた「忘年会」。席上、山口氏がぼやいた。「こんな政策をいちいちトップ会談で決めていては大変ですよ。もう少し党にお任せしたらいかがですか」。首相は苦笑いを浮かべるしかなかった。

「第二次安倍政権で官邸によるトップダウンの政策決定が確立した。族議員もいなくなり、政策を下から積み上げて調整する政調会長の存在感は薄まった」(政治部デスク)

所属する細田派での評価は?

 かつては亀井静香、麻生太郎、与謝野馨、中川昭一、谷垣禎一の各氏らが就き、政調会長を足場にさらに力を高めたが最近はさっぱり。高市早苗、稲田朋美、茂木敏充、岸田文雄の各氏らは安倍晋三首相(当時)に近く、官邸の意向を押し通す役しか果たせなかった。特に前任の岸田氏は「首相候補」とされながら、コロナ対策での現金10万円支給をめぐる迷走で逆に評判を下げた。「政調会長は、今や存在してもほとんど機能しない“盲腸”のようなものだ」(同前)。

 下村氏は、保守的思想が近い安倍氏の信頼が厚く、安倍政権では要職を歴任。政調会長就任も安倍氏から菅首相への推薦があったという。ただ、人望はいまいち。「自分が、自分が」と目立ちたがり屋で汗をかかない。本人は「首相になりたい」と繰り返すが、所属する最大派閥の細田派でも広がりを欠く。細田派に今も影響力が強い森喜朗元首相と関係が悪いのも有名だ。

「桜を見る会」を巡る東京地検特捜部の捜査で安倍氏の「再々登板論」が消える中、細田派は最大派閥でありながら強い宰相候補を持たない。政治部記者は「下村氏がいくら『自分がなりたい』と言っても、派閥の仲間に無視されていれば如何ともしがたい。存在しても機能しない盲腸と同じような総裁候補だ」という。盲腸と化した政調会長のイスに座る、盲腸のような“自称”宰相候補。低評価を覆す道程の先行きは見えない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年12月24日号)

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