記事

経験則に基づく事実の認定も「法と証拠に基づく判断」の範疇に入る

会計責任者と収支報告書作成事務担当者の間に、会計責任者の作成名義で提出する収支報告書の記載内容についてまったく意思の疎通がなかったと認定することは難しい。

まったく本人の了解なく勝手に収支報告書を作成し、かつ無断で会計責任者の判を押して役所に提出したというのであれば文書偽造の類になってしまう。事務担当者と会計責任者との間の結びつきがどの程度のものであったか、普段はどういう事務処理をしていたか、前年はどういう事務処理をしていたのかなどという客観的事実を積み重ねて判断することになるが、会計責任者の名義で作成する文書について作成名義人が何も知らない、などということは通常はあり得ない。

このことを具体的にどう表現するかという文章表現上の巧拙等の問題はあるが、政治資金収支報告書の記載内容が現実の政治団体における金の流れとは異なっていることを認識している以上は会計責任者に収支報告書の不実記載についての法的責任を認めるのは自然の流れだと思う。

これを法と証拠に基づかない推認に過ぎないから絶対に容認できない、と息巻いておられる方々が未だに多いのが私には不思議である。

これは事実の認定そのものだ、というのが私の意見である。事実認定の判断の過程に「強く推認される」という客観的事実や証拠が示されているが、これは一つの事実認定を行うプロセスを説明したものであって、当該事実の認定についての判決文の表現は、「これこれの事実が認められる」という断定的な表現になるはずだ、というのが私の感想である。

私の手元には裁判関係資料が一つもなく判決書すらないのだから、判断資料が乏しいことは重々承知しているが、大筋は間違いないと思っている。郷原氏の手元には色々な資料が届いているようだから小沢裁判や小沢秘書裁判の詳細については郷原氏の方が詳しいことは当然だが、私の意見は当たらずとも遠からず、ぐらいなところだと思っている。

その郷原氏が、この裁判はどこかおかしい、と小沢秘書裁判についての東京地裁判決を批判し、一部のジャーリストの方々がこれに輪をかけて口を極めて裁判批判を繰り返し、さらにはその賛同者の方々が裁判所と検察庁が結託しているなどというデモまで裁判所にかけている、というのだから、私はあえて異論を唱えている。

裁判所と検察庁が結託して政治家小沢氏を権力の座から追い落とそうとしているなどという陰謀説を信じておられる方がいるのが、私には信じられない。小沢裁判はアメリカの虎の尾を踏んだからだ、などというトンデモナイ証明不能の謀略説を撒き散らす人がいるのも、私には信じられない。

そういう思いを私は率直に語っている。これを説得と取るかどうかは皆さんのご自由だが、考えるヒントになればいい、とは願っている。

私の説くところに納得が出来ないということを、実に紳士的に、かつ意を尽くして丁寧に述べておられる上品な方がおられるので、この一文はその方へのメッセージだと理解していただきたい。

トピックス

議論福島第一原発処理水の海洋放出は許容できるリスクか?

ランキング

  1. 1

    毎日の誤報「公正」は口だけか

    青山まさゆき

  2. 2

    NHK「しれっと」報道訂正に疑問

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  3. 3

    JALの旅行前検査 医師が「ムダ」

    中村ゆきつぐ

  4. 4

    橋下徹氏 毎日新聞は訂正すべき

    橋下徹

  5. 5

    鬼滅旋風で頭抱える映画配給会社

    文春オンライン

  6. 6

    タワマン強盗の恐怖を被害者激白

    NEWSポストセブン

  7. 7

    都構想リーク記事に陰謀の匂い

    青山まさゆき

  8. 8

    杉田議員が差別発言繰り返す背景

    文春オンライン

  9. 9

    若者の提案に上司「立場を失う」

    文春オンライン

  10. 10

    精子提供を年間100回 男性の葛藤

    ABEMA TIMES

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。