23日午前、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が記者会見を開き、開閉会式について、狂言師の野村萬斎氏が総合統括を務める7人(野村氏、川村元気、栗栖良依、佐々木宏、椎名林檎、MIKIKO氏、山崎貴)の演出企画チームが退任する一方、クリエイティブディレクターの佐々木宏がエグゼクティブ・クリエイティブディレクターとして統括する新体制に引き継ぐことを明らかにした。
野村氏は今後、組織委員会のアドバイザーとして引き続き文化的意義付け等について支援するという。
会見で武藤敏郎事務総長は「国民の理解と共感を得られる大会のあり方を模索してきた。簡素化するとともに最大の課題であるコロナ対策を踏まえ、準備の見直しを進めてきた。
開閉会式の演出企画についても、社会状況の変化、簡素化等の観点からゼロベースでの見直し、再構築を進めてきた。限られた時間で、より迅速、より効率的に進めていくため、新たな体制構築が必要だという結論に至った」と説明。
野村氏は「即時の判断を求められることが多くなってくるだろうし、効率を上げることが最優先だと思う。簡略化した構造、佐々木さんが引き受けられることに賛成する。
お一人で背負われることは大変なことだが、それでも私達が辞任するのがシンプルだし、後は佐々木さんの差配でやっていただくのが、この局面を乗り切る一つのあり方だと思う。私達が今まで積み上げてきたもの、日本から世界に発信するものを受け取って、十分に発揮してくださると思う」とコメント。
佐々木氏は、開催そのものについても様々な意見が出ていることを踏まえつつ、「“コロナに打ち勝つ”といった言い方をせずに、コロナがあったからこそ新たなアイデアが生まると思うし、日本の伝統をしっかり受け止めた上で、華美な演出や驚かすような、今まで大きくなってきた式典をガラッと変えるチャンスになるのではないか。
それよりもやることがあるだろうという声も聞こえてくるが、やってよかったということにどうやったらたどり着けるかを考えたい。何か希望の先に見えるものを表現したい」と述べた。(ABEMA NEWS)
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