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「今年の税制改正、国民の負担増はない」自民党税制調査会幹事片山さつき参議院議員

ⓒJapan In-depth編集部

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth編集部(油井彩姫)

【まとめ】

・住宅ローン減税は、住宅を持って投資してくれた人への生活支援。

・コロナで税収が厳しくても、国民に負担させない。

・デジタル化、カーボンニュートラルに予算を割いていく。

今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」では、元内閣府特命担当大臣で現在自民党税制調査会幹事の参議院議員、片山さつき氏を迎えた。

片山氏は、元大蔵省の官僚である。12月10日に与党税制改正大綱が提出予定であることを踏まえ、政治ジャーナリストの細川珠生氏が税制改正について聞いた。

細川氏は、コロナ対策やカーボンニュートラルにつながる新たな税制が注目されていると述べ、今年の税制改正のポイントはどこになるか、聞いた。

片山氏は、今年は消費税、所得税、法人税の税率が変わるようなことはないとしつつ、国民に身近なものとして、住宅ローン減税を挙げた。

昨年の消費税増税を受け、2019年10月1日~2020年12月31日までに入居した人に限り、控除期間が10年から13年になった。この入居期間の条件が、コロナ特例で延長することが成立したと片山氏は説明した。

その上で、「前からおかしいと言われていた」50平米という基準も、40平米へと対象を拡大すると述べた。

片山氏は、住宅ローンの控除率の1%を下回る借入金利で住宅ローンを借りている人が8割、78.1%になっていることを挙げ、「この不況の中では、住宅ローン控除は、金利をないことにするためのものではなく、住宅を持って投資してくれた人への生活支援だ」と話し、改めて金利は1%据え置きだが、対象は拡大するという決断をした背景を解説した。

また、片山氏は、この制度で多くの利益を得る人は所得の高い人だといった議論があることを挙げ、それでも、「実際住宅ローンを利用している人の中でこの控除はかなり大きい。その分手取りが増える。従って、今これを縮めるようなメッセージは出せない」と述べた。

また、「50平米か40平米かで、場所によっては価格が500万円から1000万円も違う」ことがあるとして、「『手に入りやすいものしか無理』という方々にボーナスをあげる(という形の)方が、より困った方への支援になる」と述べ、従来やろうとしてできなかった事がようやく出来る、と述べた。

次に、法人税についてどうなるのか、細川氏が聞いた。

片山氏は、「今年は法人に関する租税特別措置として、優遇税制になっているものはほぼ全部援助したので、厳しくしてるところはほとんどない」とした。

一方で、菅政権がデジタル化に舵を切り、2050年にカーボンニュートラルにすると発言したことに触れ、研究開発における問題点を挙げた。

片山氏はこれまでは「オープンクラウドのソフトウェアを自分で開発したり購入したりした時、経費で落ちなかったので、ベンダー・ロックインという形で(特定ベンダーに)任せてしまっていた」問題を挙げ、今回の税制改正で、きちんと経費として取得価格を参入させることで、ほとんど異論がなかった、と述べた。

▲写真 ⓒJapan In-depth編集部

細川氏は、菅政権のデジタル化推進の方針が後押しをしたと述べて、評価し、次にグリーン税制について、聞いた。

片山氏は、「自動車重量税のエコカー減税で、次世代自動車の2030年基準達成度合いがどうか、EVが普及してきたこと、クリーンディーゼルをどうするか」等の課題を挙げ、「クリーンディーゼルについてはごく一部負担が増えるが、急に負担が増えることはしない。コロナ禍では自動車に増税なしという原則をほぼ守る形でやれる」との見方を示した。

細川氏は、コロナにおけるあらゆる経済対策で巨額の財政出動を行っている点を挙げ、「税収という意味で厳しい面もある」との懸念を示した。そのうえで、「国家財政はどこかで持たなくなってしまう。国民に新たな負担を求めず、やりくりで国家財政が維持できると思うか」と述べ、片山氏が今の国の財政全体を見てどう考えるか、聞いた。

片山氏は財務省に23年勤めており、そのうち主計局、理財局を合わせておよそ3分の1の期間は財政をやっていた。その過去に触れ、「その頃に比べて今の国の借金の額はケタ違いだ。GDPに対する債務残高の比もここまで来ることは想定していなかった」と述べた。

さらに、片山氏は、「金利は全く上がらないことから、超少子高齢化で人が消費を抑制すると、投資についてもよほど大きなイノベーションがない限り増えない。そうなると、資金が余るのでゼロ金利、マイナス金利まである。つまり、国債が出せる」と現在の財政の状況について説明した。

一方で片山氏は、「日本は海外から借金をほとんどしていない」ことを挙げ、「国内で借金してるうちは、国債も財投債も財投機関債も出せるし、地方債も事実上国の保証だから、出せてしまう」ことを挙げた。

その上で、「節度なしはだめだ。プライマリーバランスの目標がいいのかどうか、諸説あるが、債務残高を少しずつでも減らしていく中長期目標が必要だ」と述べた。

片山氏は、「需給ギャップが30兆円程ある」とし、「みんな萎縮して使わないか、あるいは国や自治体が外出するなとお願いしている。GoToキャンペーンも出したり緩めたりになってしまった。そうするしか感染と経済の両方のバランスが取れないから、仕方がない」と述べた。

「ワクチンができて、新型インフルの時のように急に収まってくれればよいが、あと半年は分からない。その間はストップ&ゴーで、注意して丁寧な(財政)運営をしていくということだが、それはもう出来ている」と評価し、細川氏の懸念に対しては、「私達もそのつもりで一つ一つの歳出を見ているから、心配しないでいい」と述べた。

細川氏は、来年の税制改正には大きな目玉が出てくるか聞いた。

それに対して、片山氏は、「デジタル化がやりやすいように、中小企業減税の後押しをする」ことや、「予算で、エコ関係、カーボンニュートラル基金を作る」こと、さらに「デジタル予算も1500億とか2000億円ほど作る」こと等を挙げた。

また、「車だけではなく、発電のやり方、あらゆるエネルギー、住宅関係もある。これまでそんなにお金を取ったことはなかったが、全体の社会全体を変えていくところに予算も合わせ技でやっていく」と述べた。

(この記事はラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」2020年12月3日放送の要約です)

「細川珠生のモーニングトーク」

ラジオ日本 毎週土曜日午前7時05分~7時20分

ラジオ日本HP http://www.jorf.co.jp/index.php

細川珠生公式HP https://hosokawatamao.com

細川珠生ブログ http://tamao-hosokawa.kireiblog.excite.co.jp/

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