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ジャニーズ事務所が全所属タレントに薬物検査 タッキーの英断か


芸能人による薬物使用事件が増加する中で、真っ先に動き出したのがジャニーズ事務所だった。

同事務所が、所属のタレント全員に対して異例の「薬物検査」を実施したという。「女性自身」が報じたものだが、この行動が芸能界で賛否を巻き起こしている。

所属タレントに厳正な薬物検査

記事によると、薬物検査は先月(11月)末から、所属タレント400人ほどを対象に実施しているそう。しかも、一般的な検査は毛髪、血液、尿のいずれかを検体とするが、同事務所の場合は、そんな簡易的なものではなく「立会人が監視する中で厳正な方法で行っている」などと、広告代理店関係者の証言に基づいて報じている。

言うまでもなく同事務所は、不倫騒動で無期限芸能活動自粛処分中の近藤真彦や少年隊の東山紀之、元SMAPの木村拓哉らを筆頭に、年内で活動休止する嵐、さらにはKing & Prince、SixTONES、Snow Manなどの人気アイドルが多数所属している。

「年間の売り上げはグループ全体で3000億円は下らないと言われています。この売り上げはテレビ朝日と並ぶほどのものですが、芸能プロダクションとしては破格のもので、エンタテイメント業界でも映画『鬼滅の刃』の製作にも関わっているソニー・ミュージックエンタテインメントに次ぐ規模になります」(古参の芸能関係者)

そのジャニーズ事務所が決行したのが今回の薬物検査だったわけだが、そもそも、芸能事務所が薬物検査を行うことについては、これまで「人権的な問題を含む」として捉えられ、どうしてもその実態は伏魔殿的だった。

そんな中で、同事務所が今回、その薬物問題を自主的に解決していこうというわけだから「大英断です」と前出の古参芸能関係者は評価する。

背景にあるのは芸能人による薬物使用の多発だ。

この1〜2年を振り返っただけでも、昨年は3月にコカインの使用で人気グループ「電気グルーヴ」のメンバーで俳優としても人気のピエール瀧が逮捕。5月になるとジャニーズの人気グループ「KAT-TUN」の元メンバーで現在はミュージシャンとして活動中の田口淳之介と女優の小嶺麗奈、さらに7月にはロックバンド「Dragon Ash」の元メンバーだった金子賢輔が大麻所持で逮捕された。

それだけではない。11月には元タレントの田代まさしが覚醒剤所持で、また元五輪代表でプロスノーボーダーの国母和宏も大麻製品の密輸などで逮捕されている。そして極め付けは女優の沢尻エリカが合成麻薬「MDMA」の所持で逮捕されたことだった。

今年に入ってからも2月にシンガーソングライターの槇原敬之、9月には俳優の伊勢谷友介が逮捕・起訴されている。

芸能人の逮捕で発生する多額の賠償金

芸能人の薬物使用が発覚するたびに話題になるのがテレビやCM、映画、舞台の出演、さらにはCDの回収などだ。

「ピエール瀧あたりから映画に関しては、予定通り公開する方向へと変貌しつつありますが、CMやテレビのバラエティー番組、ドラマ、そして舞台については契約解除、放送中止、差し替え、場合によっては撮り直しが避けられなくなります。そのような場合、億単位の違約金、賠償金が発生します。

例えば、沢尻は、出演が決まっていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』を撮り直したため、賠償金は10数億円にも上ると言われました。記憶に新しいところでは、伊勢谷が公判の中で『稼いだお金の大半を提供せざるを得なくなった。今後の生活の見通しも立たなくなって苦しい』と吐露していたことです。大抵は事務所が肩代わりしていますが、どちらにしても当人はもちろんですが事務所も多大な損害を被ることになるのです」

ジャニーズ事務所の場合はタレントの多さから各方面に与える影響が大きい。

例えば、大晦日の「NHK紅白歌合戦」を見ただけでも嵐を筆頭に関ジャニ∞、King & Prince、SixTONESなど7組が出場。実に白組の三分の一を占めている。それだけに何か不祥事が起こったら大変なことになると言うわけだ。

「副社長に就任してタレントの管理に目を光らせているタッキーこと滝沢秀明は万全の体制を目指しています。とは言っても、一人一人を管理するのは大変なこと。異性関係から飲酒、交通事故なども含めると多様です。薬物検査を実施することになったのは、年末の薬物捜査強化のタイミングに合わせたのかもしれません。


もちろん、タッキーの危機感もあるとは思いますが、反社会勢力と関わりの深い薬物に対してジャニーズが厳重に対処していることをアピールしたかったのでしょう。ただ、真っ先にジャニーズが薬物対策を打ち出したことは評価されていいと思いますけどね」(薬物ウォッチャー)

強制的に薬物検査 人権に問題は

しかし、その一方では「やり過ぎ」と言う意見も根強くある。

ある人権派弁護士は「ジャニーズの事情は理解するが」と前置きした上で、

「監視を付けて薬物検査というのは、まるで容疑者扱いのような印象を持たれがちで、ちょっと行き過ぎな感じがします。それに強制的に検査を実施するのも問題が大きい。検査を拒否することも人権面で重要な権利として残しておくべきです。そもそも、検査で陽性となったらどうするのかも含め、事務所の対応は不明瞭で非常に懸念されるところです」

何をやるにしても賛否はあるものだが、現実には評価する声も多いのだが…。

医療に詳しい関係者によると、簡易的な薬物検査の場合は5000〜1万円程度でできるというが、今回のジャニーズの薬物検査は1人当たりおよそ3万円程度がかかるのではないかと見られている。

「当然、医療機関での検査になります。おそらく集団検診のようなスタイルで行われると思われますが、それでも所属タレント全員となれば莫大な金額がかかります。

となれば、中途半端な気持ちで取り組んではいないと思います。賛否はあっても、検査をすることによって薬物の啓蒙になるし、タレントがヤバいと感じたら日常でも下手なことをしなくなります。それにテレビ局やスポンサーなど、使う側にとっても安心感が出てくることはいいことです」

約10年前、歌手で女優の酒井法子が覚醒剤で逮捕された時、所属事務所のサンミュージックは警察庁の指導を受け、「日本DARC(ダルク)」の専門スタッフを招き、全社員と全タレントを対象にした講習会を開いたことがあった。相澤正久社長は「薬物検査まではしませんでしたが、マネジメントの問題点を含め、薬物の基礎知識から危険性、常習性などを指導してもらいました。社内の意識改革にはなったと思います」と振り返っていた。

ジャニーズの検査の結果はともかく、業界内からは、

「芸能界は薬物に対して甘いとか言われる中で、率先して薬物検査を実施したことは、芸能界の悪しきイメージを変える起爆剤になるかもしれません。最近は、コロナの感染拡大で舞台やドラマの現場ではPCR検査を実施していますが、本来なら簡易的でもいいので薬物の検査も行うべきだと思いますけどね」

と言う声も出始めている。

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