グローバリズムかナショナリズムか?
日本が海外起業家に乗っ取られる?
『国際金融都市』という言葉に対して、かなりネガティブに捉えているネット発信をしばしば見かける。コロナ禍にあって、菅内閣が発足当初に政府一体となって取り組むことを示したことも、今現在の状況と相まって影響しているのかもしれない。
いち早く国際金融都市の実現に向けて動き出した東京に加えて、菅総理は、大阪や福岡においても国際金融都市としていく可能性に言及をしている。
関西においても積極的に、前向きに、実現に向けての動きを進めていくべきであると考えている。
マスコミ報道では、菅内閣が国際金融都市実現によって「海外人材の呼び込みや市場活性化を期待する」旨が記載されているが、「国際金融都市を目指す」理由は、人・企業によっても、自治体によっても、異なるかもしれない。意識は同じではない。
正直、私自身も国際金融都市について熟知していると言える状態ではない。しかし、大阪というより寧ろ関西として実現を目指していくことには、大きな意義があると考えている。一番の理由は、元来の関西の潜在力に依拠した中小企業の育成・発展につなげていけると考えるからだ。海外から人材・投資を呼び込むことは従来の関西の企業を衰退させることになるのではないかという反論があるだろう。
大阪や関西の持てる土地や知財といった資産が、海外とりわけ中国に乗っ取られてしまうのではないかという心配の声も聞かれる。そうした懸念を現実のものとならないような方向性を手繰り、目的を実現できるようにすればいいのだ。中小企業の育成・発展につなげていかなければならない。
幸いにも大阪のみならず、関西には、様々な研究機関がある。東京への本社移転が止まらないとは言え、進取の気質をもった企業は数多く存在している。京都では、京都本社にしっかり根を生やした企業も少なくない。海外との窓口となる阪神港がある。農業・漁業・林業といった一次産業についても、新たな新技術と融合して次代を創り上げることも考えられる。
堂島米市場が世界の先物取引の先駆けであるという歴史的な素地もある。
ハイリターンを見込んで、ハゲタカファンドが暗躍するような印象が金融という言葉にはついて回るが、街づくりや産業育成につなげていくという視点を持ち、自治体が地域の特性に応じたハンドリングをすれば、人材・投資の呼び込みによって実りは得られるはずだ。

今現在は、表層的な言葉でしか表現できないが、今後、学びを深めて、関西に適応した国際金融都市の軌道を示すことができればと考えている。
(本日、記載の自民党大阪府連の大阪成長戦略本部においても、来年の初回勉強会のテーマとして、国際金融都市が設定されている。)