記事

「携帯値下げ」戦争 さよならau、誤算の楽天 “既得権益”NTTドコモが一人勝ち - 「週刊文春」編集部

 NTTドコモが12月3日に発表した新プラン「ahamo」が業界に衝撃を与えている。データ容量20ギガバイトで、月2980円という低価格設定。多くの利用者にとって恩恵が大きいプランだ。

【写真】この記事の写真を見る(2枚)

「ただ、ドコモはahamoを当初、サブブランドとして提供しようと考えていたようで、メインブランドと異なる面も少なくない。例えば、ドコモユーザーでも他のプランから移行する場合、本人確認書類が必要で、継続利用期間もリセットされる。乗り換え手数料などは無料ですが、手続きは面倒です」(携帯アナリスト)

 それでも、武田良太総務相は「実に6割強の値下げだ。期待している」と絶賛。大胆値下げに舵を切れたのは、豊富な資金力を持つNTTによる完全子会社化が大きい。“先祖返り”とも言えるNTT肥大化にソフトバンクやKDDIは「公正な競争環境が確保されない」と不満を示したが、

「“NTTのドン”澤田純社長は、官邸や公正取引委員会へ周到に根回しを済ませていました。11月27日にはドコモの井伊基之次期社長を連れ、菅義偉首相と面会。首相も『ドコモは値下げに応じる』とご満悦でした」(首相周辺)

 一方、菅首相の怒りを買ったのはKDDIだ。10月下旬、サブブランド「UQ mobile」の格安プランを発表したものの、武田氏から「サブブランドだけの値下げは問題」と非難された。

KDDIの新プランは『さよならau』と炎上

「これに対し、高橋誠社長は日経(11月26日付)で『国に携帯電話の料金を決める権利はない』と反論。『(高橋氏は)何も分かっていない』と憤った首相は、武田氏に『同じ会社の別プランに移行するのに、なぜこれだけの手数料(最大1万5500円)を取るのか』と批判させたのです」(同前)

 政府の攻撃と、ドコモの攻勢に焦ったKDDI。12月9日、乗り換え手数料の無料化を発表するとともに、あわせて新プランもお披露目したのだが……。

「Amazonプライムがセットで、月3760円からと強調しましたが、条件の厳しい割引を駆使した上での話。実際は9350円のプランです。ahamoに比べ、割安感は乏しく、『さよならau』と炎上しました」(経済部記者)

NTTが一人勝ち ©iStock.com

 新興勢力の楽天モバイルも悲観的な状況だ。

「楽天モバイルは通信環境こそイマイチですが、月2980円の低価格がウリでした。ところが、その価格でドコモに追いつかれた。菅首相と近いと言われる楽天の三木谷浩史社長ですが、『携帯値下げ政策はむしろ逆風だ』と周囲にこぼしています」(楽天関係者)

「携帯値下げ」戦争は、“既得権益”の象徴のようなNTTが一人勝ちだ。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年12月24日号)

あわせて読みたい

「ドコモ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    独身でいる理由 男女の5割で共通

    ニッセイ基礎研究所

  2. 2

    コロナ春に収束向かう? 医師予想

    シェアーズカフェ・オンライン

  3. 3

    高額ギャラ原因?芸能界リストラ

    渡邉裕二

  4. 4

    詐欺横行の英国でワクチン接種へ

    小林恭子

  5. 5

    理にかなった皇居の関西移転論

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  6. 6

    ラブリから性被害 女性が告発

    文春オンライン

  7. 7

    二階氏に「引退して」と批判殺到

    女性自身

  8. 8

    医師が日本のワクチン報道に嘆き

    中村ゆきつぐ

  9. 9

    五輪中止なら湾岸タワマン暴落か

    NEWSポストセブン

  10. 10

    荒れるYahooコメ欄 仕方ないのか

    たかまつなな

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。