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- 2020年12月20日 15:08
【スーパーサタデー】、1日の客数1億5,000万人!逃げ場のない状態に追い込むワード?

■12月19日は今年、クリスマス前の最後の土曜日となるスーパーサタデー(Super Saturday)だ。ブラックフライデーやサイバーマンデーでさえ何も買わず、プレゼント購入を先延ばししていた買い物客がお店やショッピングセンターに押しかけて大変な賑わい見せる日となる。
パンデミックの影響で今年、例年以上にスーパーサタデーの客数が増えると予想されている。
全米小売業協会(NRF)によるとスーパーサタデーの客数は1億5,000万人となり昨年の1億4,780万人から220万人も増えるとの予想だ。2018年の1億3,430万人からは、1,570万人の増加となる。
今年のサンクスギビングデーとなった11月26日から翌日のブラックフライデー、30日のサイバーマンデーまで5日間のトータルの買い物客数が1億8,460万人だった。
このことからもスーパーサタデー1日の客数1億5,000万人がいかに客数が多いかとわかるだろう。
プレゼント購入の先延ばしはブラックフライデーやサイバーマンデーで得られた激安購入の機会損失になっている。1日の売上高も極めて大きくなるのだ。
小売業界向けの調査およびコンサルティング会社のカスタマー・グロース・パートナーズの調べによるとスーパーサタデー1日の売上高は今年、361億ドル(約3.7兆円)にもなり昨年の344億ドル(約3.5兆円)から4.9%の増加となる。2018年の319億ドル(約3.3兆円)からは約13%の増加だ。
スーパーサタデーは今年、先月のブラックフライデーの297億ドル(約3.1兆円)やサイバーマンデー(約1.6兆円)も上回る。
NRFではスーパーサタデーで42%がオンラインのみでショッピングをするとしている。しかしオンラインショッピングによる配達では24日まで間に合わないことも多く、お店に行く必要が出てくるのだ。
つまりスーパーサタデーでネットショッピングを行っても店内で受け取るボピスもしくはカーブサイド・ピックアップになる。
パンデミックの影響により今年のブラックフライデーでは買い物客を避けて店やモールに出かける人は極端に少なかった。
ブラックフライデー(27日)はリアル店舗への買い物客数が前年より37%少なかったのだ。
クリスマスまで1週間を切ってしまっている週末のスーパーサタデーではこれ以上の買い物のペンディングはできない。オンラインショッピングでも間に合わない。
したがってリアル店舗やショッピングセンターに買い物客が押し寄せることになり、小売店側は久々に明るい気持ちになるのだ。
ただしソーシャルディスタンシングなどを行っているため、店内にお客がいっぱいになることはない。モール側も買い物客があふれるぐらいなら入場規制も行わなければならない。
多くの地域ではイートインができないためレストランは指を加えて賑わう買い物客を眺めることになる。
消費者の駆け込み需要でにぎわうクリスマス前の最後の土曜日はコロナの影響で素直には喜べないのだ。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ブラックフライデーやサイバーマンデーが日本でも浸透してきているようにスーパーサタデーも日本で認知されると予想しています。セール日に名前をつけることは大切なマーケティング手法です。セールでもちゃんと共通した名前をつけ多くの店やチェーンストアで大安売りをやると、消費者は買い物をしてもいいんだという口実になるからです。ある状況で、自分の判断より周囲の人たちの判断を頼りにしてしまうという心理原則の社会的証明です。
他人の行動を見たときに、それにつられて自分も同じ行動を取る心理です。「駆け込み需要でにぎわうクリスマス前の最後の土曜日」というより「スーパーサタデー」ともっともらしいワードをつけるとメディアも取り上げやすくなります。メディアが取り上げればさらに行動しやすくなります。ただこれを消費行動にとどめておくのはもったいないとも思います。例えば婚活につかって、クリスマスの夜、なんとしても二人で過ごすための独身者向けスーパーサタデー・パーティとか...
わざわざワードをつけることで潜在的に逃げ場のない心理状態にもなるのでアリだと思うのですが、どうですかね(笑)。