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アングル:旅客機を貨物機に、コロナ禍の貨物増で「改造機」活躍


Jamie Freed Ari Rabinovitch Allison Lampert

[シドニー/エルサレム/モントリオール 14日 ロイター] - 航空会社や航空機リース会社は、新型コロナウイルス流行で中古航空機の価格が暴落する中で旅客機の貨物機への転換(P2F)を急いでいる。新型コロナ禍により今後も電子商取引の拡大が続くと見込んでいるためで、P2F事業を手掛ける企業にとっては大きなビジネスチャンスが生まれている。

P2F企業にはシンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング(STエンジニアリング)やイスラエルのエアロスペース・インダストリーズ(IAI)、米エアロノーティカル・エンジニアーズなどがある。

分析会社シリウムは、全世界のP2F件数が2021年には前年比36%増の90機となり、22年にはさらに109機に増えると見込んでいる。市場分析部門の責任者、クリス・セイモア氏は「売却の大半は来年で、少なくとも40%が2022年になる」と予想した。「ボーイング737-800やエアバスA321、A330など新型機で転換が増えているが、米アマゾン・ドット・コムがこの数年間で自前の航空貨物部門を整えたことがけん引役となり、ボーイング767のような古い機種に対する需要も引き続き強い」と言う。

航空機関連情報を手掛けるイシュカによると、15年落ちの航空機は機種によって評価額が年初から20%ないし47%下落し、P2Fは事業としてのうまみが増している。

エア・カナダはボーイング767数機について貨物機への転換を検討しており、ロシアのS7航空はリース会社GECASからボーイング737-800の貨物転換機を初めて購入。リース会社CDBアビエーションは、STエンジニアリングとエアバスの合弁会社EFWにエアバスA330の貨物機への転換を発注した。

新型コロナ流行では多くの航空会社が旅客機の座席を取り外して貨物の輸送能力を増やすなど一時的な貨物機転用を図ったが、P2Fでは旅客機に徹底した改造がほどこされ、恒久的に貨物機となる。

貨物機への恒久的な転換が行われている背景には、消費者が電子商取引に流れ、新型コロナ流行前に低迷していた航空貨物需要は今後数年、好調を維持するとの読みがある。航空業界は、旅客輸送が2019年の水準に回復するのは2024年以降と見ている。

ただアナリストは、貨物市場は変動が大きいことで知られ、これまで長引く低迷に苦しんでおり、貨物輸送能力は不足状態が簡単に過剰に転じ得ると警鐘を鳴らしている。

世界の貨物は通常、全体の半分程度が旅客機の貨物室で運ばれているが、旅客需要が落ち込んだため、専用貨物機での輸送が増えている。

CDBアビエーションのパトリック・ハンニガン最高経営責任者(CEO)は「2020年は貨物機の稼働率が過去最高となっている。新型コロナ流行で、電子商取引の需要増加に向けた長期的な構造的シフトが加速するとみている」と述べた。

ボーイングは新型コロナ流行に絡む旅客市場の混乱により、貨物事業のイールド(距離当たりの単価)が9月までに40%上昇。今後20年間に納入される貨物機の60%余りを、ボーイング777のようなワイドボディの貨物専用機ではなく、転換機が占めるようになると予想している。ナローボディの貨物機はほぼすべてが旅客機からの転換だ。

P2Fブームは、航空機の整備や修理などを手掛ける企業が旅客機の運用減少で失った仕事の一部を穴埋めするのにも役立っている。

STエンジニアリング・エアロスペースのジェリー・ラム社長によると、P2Fは通常、機体分に加えて数百万ドルのコストが掛かり、改造に3カ月から4カ月要する。同社は生産能力を増強しており、将来的には年間処理能力を今年の1桁台から25-30機に増強する計画。来年はエアバスA321を少なくとも18機転換する予定だという。STエンジニアリングはリース事業に貨物転換機を加えることも計画している。

IAIのボーイング767の転換能力は年18機で、アマゾンが利用する貨物機の大半はIAIが手掛けたものだ。IAIの航空グループの幹部、ヨセフ・メラムド氏は「市場の需要に応じるため多大な努力を払っている」と述べた。

米エアロノーティカル・エンジニアーズのロバート・コンベイ上席副社長も転換機への需要が大幅に増加していると述べた。旅客機の運航停止が増えて、転換される航空機の製造年がどんどん新しくなっているという。

航空機の整備を手掛けるカナダのKFエアロスペースのグラント・スティーブンス副社長によると、P2F需要の増加が整備需要の落ち込みを埋めるのに役立ち、雇用の大半が維持できているという。

(Jamie Freed記者、Ari Rabinovitch記者、Allison Lampert記者)

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