
婚活イベントに足繁く通う男女が増えている。婚活イベント最大手・エクシオジャパンの広報担当によれば「特に人気のイベントは『再婚希望&理解者向け』と『60・70歳代編』で今年8月から10月の参加者の割合は前年比169%増です」という。自身もバツイチで再婚を考える本誌・週刊ポストの40代女性記者が、実際に婚活イベントに参加し、コロナ禍ならではの男女の人間ドラマを見た──。
【写真】間接照明のモダンな店でテーブル越しに中高年男女が向かい合う婚活の様子(モザイク処理あり)
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屋外の婚活イベントも活況を呈しているという。開催場所は神社などをはじめとしたパワースポットや東京タワーなどの観光地だ。屋外だから換気を気にする必要もなく、3密を避けて楽しめる。
私が参加したのは、神奈川県屈指のパワースポット・江の島をグループ行動で散策しながら男女で親交を深めるもの。
参加者は男性7人、女性6人で40代後半から50代が中心だ。朝9時に片瀬江ノ島駅で集合し、主催会社の担当者の引率のもと、江の島大橋を歩く。
「いい天気ですね」
「江の島は初めて?」
などと、景色を楽しみながら自然に話題が出てくる点が初心者にも親しみやすい。
「元嫁のところにいる娘とこの前、会ってきたんだけどね……」
「へ~、会えてよかったですね。娘さんは元気でした?」
なんて、少し込み入った話も、爽やかな景色の中で歩きながらだと、つい気楽にできてしまう。
友人と2人で参加したという早見優似の50代女性は言う。
「私とお友達は、7年前に同時期に離婚して、そこから辛い時は励まし合ってきたんです。昨年、子供がそれぞれ成人したタイミングで『新しいパートナーが欲しいよね』って話になって。室内で向き合って話すだけの婚活イベントって何か堅苦しい感じがしていたんですが、前回、パワースポット巡りの婚活イベントに参加したらすごく楽しくて。7年間、仕事と子育てに専念して男性との交流が皆無だったので、学生時代に戻ったみたいでワクワクしました」
このイベントでは、まず参加男女が2グループに分かれ江島神社までのコースを楽しみ、後半は男女がもう1つのグループと入れ替えになり、江の島の洞窟などを散策。まるで合コンの席替えのような気分が味わえる。
全コースを巡った後にマッチングタイムがあるわけではないので、屋内イベントのような“意中の人とマッチングできないかも”というプレッシャーを感じることはなく、皆大人の遠足気分で和気藹々と楽しんでいた。
※週刊ポスト2020年12月25日号