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「大同小異」の政治~「『小異』の政策をだれが担うのか」のための第三極なのか

「橋下徹大阪市長が代表を務める日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事が率いる太陽の党は17日、合流を正式に決めた。代表は石原氏、代表代行に橋下氏が就く。党名は『日本維新の会』で、太陽は解党して維新に加わる」

第三極の核となる「日本維新の会」と「太陽の党」の合流が決定した。「太陽の党」は立上げから僅か5日目で役割を終え、燃え尽きてしまった。その是非はともかくも、新しい「日本維新の会」が誕生したことで、第三極の核は出来た。しかし、それは有権者に「新しい選択肢」を与えるというよりも、「新しい悩み」を提供するものに過ぎないのかもしれない。

「維新と太陽は合流の前提として8項目の政策で合意。(1)消費税の地方税化と税率11%への引き上げ(2)環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加(3)道州制の推進――など維新の主張に沿った政策を盛り込んだ」

注目された「政策合意」は、ほぼ「太陽の党」が「日本維新の会」の主張を丸呑みする形となった。こうした「政策合意」のありかたは、「太陽の党」にはもともと達成したい政策がなかったことを匂わすもの。

しかも、消費増税に関しては、「地方税化」や「税率11%」という「小異」はあるものの、「消費増税」という点においては、民主党、自民党と同じであり、第一極から第三極まで「大同」。

TPPに関しても、自民党の安部総裁が、従来の慎重姿勢を修正して参加の可能性を示唆ことで、第一極から第三極まで、「交渉参加」方向でまとまり、ここでも「大同小異」。

「太陽」と「維新」で意見の食い違いがあった原発に関しては、維新が掲げていた「2030年代までにゼロ」との目標は明記せず、安全基準などのルールを確立する方針を示すだけにとどめ、第一極、第二極が得意として来た従来型の「玉虫色」決着を踏襲した格好。

第一極、第二極との違いは「道州制」ということになるが、これが今の日本停滞の大きな原因であり、日本の困難を解決する決め手となり得るのかは定かではないし、有権者の関心からは外れたところにある。

結局のところ、第一極、第二極、第三極ともに、政策的には「大同小異」というのが現実。第三極が訴える第一極と第二極との違いは、有権者の目には映りにくい「中央官僚制度の打破」というもの。石原新代表は、かねてからこの「大同」のために「小異」をすてることを主張して来た。しかし、これとて、具体的に打破すべき「中央官僚制度」を明示できないのであれば、全員が「政治主導」を掲げる中では、こうした主張も「大同小異」でしかない。

野田総理の「自爆解散」によって時間が足りないという現実があることは確かだが、今回の「太陽の党」の「日本維新の会」への合流は、やや乱暴。結果的に、石原新代表の「総理の椅子」に対する執念が浮き上がってしまうのは、非常に残念である。

「われわれは『決める政治』をずっと掲げてきたので、決める政治を考えれば決定権者は一人の方がいい。石原氏は最強の党のリーダーだ。誰がどうみても石原氏以上の代表はいない」。

その石原新代表に関して、代表代行に就いた橋下氏は、記者会見でこう述べている。気に掛かるのは「決める政治を考えれば決定権者は一人の方がいい」という部分。この発言が「日本維新の会」のみに向けられているのであれば問題はないが、「国政」に向けられているとしたら、議会制民主主義を否定し、独裁者を認めるようにも取れる、極めて危険な主張である。

発信力が強いと言われる石原新代表と橋下新代表代行。両者の特徴は、開き直りを簡単にできるところ。今回の「太陽の党」と「維新の会」の合流記者会見でも、その特徴がいかんなく発揮されていた。

「『野合』とは、違う意見を持つ人間を一つの組織にすることだが、民主党だって自民党だってそうだ。人のこと言えたものではない」

石原日本維新の会代表は会見で、野田総理の「野合」批判に対してこのように述べた。しかし、この発言は、「野田総理に言う資格はない」というだけのもので、日本維新の会の「野合」を認めたものでもある。つまり、「政権を取る」という目的、「大同」を達するために、「政策」という「小異」は捨てたということ。

本来、どの政党が政権を取るかによって、その国の「政策」は変わって来るはずである。しかし、誰が政権を担っても政策面では「小異」しかない今回の選挙で、有権者は何を判断基準に行動をすればよいのだろうか。「政権を取る」という「大同」のために「政策」が軽視されつつあることは、極めて残念である。

「政権を取る」という「大同」のために「政策」が軽視されていることに加え残念なことは、世間は「第三極」「第三局」と騒いでいる、今の「極」が、「政策」的な対立から生じているのではなく、政治家個人の好き嫌いから生じているように見えてしまっていること。

「小異を捨てて大同につく」と言いつつ「小沢とは組まない」と明言したり、一旦決めた減税日本との合流について「一緒にやろうと思っているが、ネーミングが粗雑だ」と意味不明の理由を挙げて白紙撤回したりと、今回の合流には、「好き嫌い政治」「政権を取るための結集」が露骨に表れている。

政策的に「小異」となると、結局は「政権争い」「好き嫌い政治」になってしまい、有権者も「好き嫌い選挙」に追い込まれてしまう。橋下が好き、嫌い、石原が好き、嫌い、野田が好き、嫌い…。日本が失われた20年から脱却が出来るか否かを決めかねない大事な総選挙で、有権者が「好き嫌い選挙」に追い込まれるのは悲劇である。

新日本維新の会は、みんなの党や減税日本との提携等々を模索しているようだが、消費増税という「政策」において正反対の主張を掲げている両党には、日本維新の会と安易な提携は、何としても慎んでもらいたいものである。今日本に必要なのは、「『小異』の政策をだれが担うのか」ではなく、「どのような政策で日本を復活させるのか」という「政策的大異」であるのだから。

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