[18日 ロイター] - <為替> 米経済対策で与野党の合意が得られるか疑念が出ていることに加え、英国と欧州連合(EU)の通商協議を巡る先行き不透明感が高まる中、安全資産としてのドルに買いが入った。
議会で協議されている9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加景気対策を巡っては、18日中に合意が得られる公算が小さいとの見方が台頭。英国とEUの自由貿易協定(FTA)交渉については、EUのバルニエ首席交渉官が「この協定を1月初めから施行したいのであれば、あと数時間で有意義な交渉を進める必要がある」とし、合意への道は非常に狭いとの考えを示した。
テンパスのシニア外為トレーダー兼ストラテジスト、フアン・ペレス氏は、英国のEU離脱問題は「解決されていない主要なリスク要因」で、これにより世界的な安定が阻害されていることでドルが買われていると指摘。米経済支援策の先行きが不透明なことに加え、世界的に新型コロナウイルス感染による死者が増加していることも、安全資産への資金流入につながっていると述べた。
主要6通貨に対するドル指数は90.0190と、0.21%上昇。前日は89.822まで下落していた。
英ポンドは対ドルで0.60%安の1.3505ドルと、2年半ぶり高値から下落。
ユーロは対ドルで0.25%安の1.2240ドル、対ポンドで0.33%高の0.9060ポンド。
前日に過去最高値を再び更新した暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.24%安の2万2732.78ドル。
<債券> イールドカーブ(利回り曲線)がスティープ化し、長短金利差が2018年2月以来の大きさとなった。投資家は米議会が18日中に9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加景気対策で合意するかを見守っている。
2年債と10年債の金利差は一時82.7ベーシスポイント(bp)と約3年ぶりの大きさに拡大。5年債と30年債の金利差も拡大し12月7日以来の大きさとなった。
今週は景気刺激策やワクチンを巡る楽観論、米連邦準備理事会(FRB)が債券買い入れプログラムの買い入れ規模や年限を維持したことを受けて長期金利が上昇し、イールドカーブがスティープ化していた。
10年債利回りは終盤で1.3bp上昇の0.943%。30年債利回りは1.8bp上昇の1.693%。一方、2年債利回りは0.4bp低下の0.123%となった。
米議会ではつなぎ予算の期限である18日深夜まで合意に達しない可能性が高まっており、代わりに政府機関の閉鎖を回避する予算継続決議(CR)を可決する可能性がある。ただ、この日の米債市場の動きは投資家が合意はまだ可能とみていることを示唆している。
シティグループの米金利ストラテジスト、エドワード・アクトン氏は、英国と欧州連合(EU)の将来の関係を巡る交渉や米議会での協議が週末に合意に達するのは難しいとみられ、米国株は下落したが、米債市場では相関がさほど見られなかったと指摘。この日序盤には長期債が買われイールドカーブがややフラット化したが、すぐに売り戻され、長期債利回りはこの日午後の大半で高水準で推移したと述べた。
また、商いが30日平均の約60%にとどまり、米債市場の動きは乏しかったとした。
<株式> 下落し、ダウ工業株30種は124ドル安で取引を終えた。新型コロナウイルス追加景気対策を巡る不透明感が相場の重しとなった。こうした中、米電気自動車(EV)メーカーのテスラは最高値を更新した。
寄り付き後は主要株式指数がそろって最高値を付ける場面も見られた。これまで相場をけん引したハイテク株に売りが出た。この日は株価指数と個別株の先物、オプション取引が期限を迎える四半期ごとの「クアドルプル・ウィッチング」に当たり、出来高が膨らんだ。
テスラは6%高の695ドル。S&P総合500種指数構成銘柄への採用を来週21日に控え、取引が活発化した。
インバネス・カウンセル(ニューヨーク)のチーフ投資ストラテジスト、ティム・グリスキー氏は、来週以降もテスラ株が値上がりすることはあり得るが、S&P指数への採用が発表されて以降、多くの投資家が買いを入れていることから、利食い売りも出やすくなると話した。
9000億ドル規模の追加景気対策を巡っては、つなぎ予算が切れるこの日までに議会指導部が合意できるか不透明となっており、つなぎ予算の期限が再度延長される可能性もある。
宅配大手フェデックスは5.7%安。17日発表した第2・四半期(9─11月)決算は、料金値上げや配送量の増加を背景に利益がほぼ倍増した。一方、2021年度の予想は示さなかった。
<金先物> 週末を前に持ち高調整の売りがやや先行し、4営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比1.50ドル(0.08%)安の1オンス=1888.90ドル。ただ、週間では2.46%上昇し、3週連続のプラスとなった。
<米原油先物> 新型コロナウイルスのワクチン普及によるエネルギー需要回復を期待した買いが入り、5日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は前日比0.74ドル(1.5%)高の1バレル=49.10ドルと、前日に続いて2月下旬以来約10カ月ぶりの高値水準。2月物は0.70ドル高の49.24ドルとなった。
ドル/円 NY終値 103.31/103.34
始値 103.38
高値 103.47
安値 103.2
ユーロ/ドル NY終値 1.2255/1.2259
始値 1.2255
高値 1.2268
安値 1.2226
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 98*15.50 1.6898%
前営業日終値 98*26.50 1.6750%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.00 0.9446%
前営業日終値 99*15.50 0.9300%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.00 0.3814%
前営業日終値 99*31.75 0.3770%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.13 0.1230%
前営業日終値 99*31.88 0.1270%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 30179.05 -124.32 -0.41
前営業日終値 30303.37
ナスダック総合 12755.64 -9.11 -0.07
前営業日終値 12764.75
S&P総合500種 3709.41 -13.07 -0.35
前営業日終値 3722.48
COMEX金 2月限 1888.9 ‐1.5
前営業日終値 1890.4
COMEX銀 3月限 2603.3 ‐14.8
前営業日終値 2618.1
北海ブレント 2月限 52.26 +0.76
前営業日終値 51.50
米WTI先物 1月限 49.10 +0.74
前営業日終値 48.36
CRB商品指数 166.4534 +0.9642
前営業日終値 165.4892